ボランティア

【イベント報告】春ボラ&スタディーツアー(福島県大熊町・富岡町)

2025年03月26日

福島県大熊町・富岡町において、下記の通り「春ボランティア&スタディーツアー」を実施しました。

 

◎日  時:2025年2月17日(月)~20日(木) 3泊4日

◎活動場所:福島県双葉郡大熊町、富岡町

◎宿泊場所:ほっと大熊

◎協力団体:福島県再生可能エネルギー復興推進協議会(地域復興支援事業)

◎参加者の感想:

・岩手と宮城と違い、原発によって町の復興が遅れていること、帰還困難区域になったことによって助けられたかもしれない命があったかもしれないことを学んだ。箱ものを作るだけの復興が進み、自治会などのコミュニティの形成や買い物場所の無さなど、人に寄り添った支援が13年経った今でも不足している。

・ボランティアはただ単に無償で困っている人の手伝いをするものではなく、その活動を通してその地について深く知り、関わり、考えることのできるものだということが分かりました。そして、一緒に活動した仲間と共に意見を交換する場を設けることが大事だと思いました。もちろん、1人で参加して現地の人の役に立つ活動をするというのも良いですが、今回のように誰かと一緒に参加するときには普段できないような深い議論をすることによって得られることがあると改めて感じました。

 

・今回のスタディーツアーに参加する前まで、福島はとっくに復興が終わっていて普通に戻り始めていると思っていた。しかし実際に現地に行くと、まだ入れない場所があったり、建物は新しくなっても地元の人の心のモヤモヤは消えていない現状をみて、イメージとの格差に驚いた。そして初日に語り部の方の言葉を聞いて感情を揺さぶられたと思ったら次の日の東電が造った廃炉資料館をみて冷静になったりと、自分の中でも何が正しいことなのだろうとモヤモヤすることが多かった。私は普段から意見が対立すると揉めないように話を流したり、難しい問題があっても「そういうものだよね」と考えることから逃げることが多い。しかし今回のスタディーツアーで色々な話を聞いて、問題から逃げることを続けると震災や原発事故などの大きな出来事が起きた時に逃げ切れなくなって自分を見失ってしまう危険があると思った。

 

・新たに気づいたことは、復興のゴールは終わりがないということだ。このツアーに参加する以前の私は、元々災害に関心があったこともあり様々なボランティア活動の経験があったため、復興に関して何らかの考えや想いを持っていると思い込んでいた。その中で考えていたことは、色々あるけれど道路ができて、住居が戻って、人が移り住んできたら、ある程度復興したと言えるのではないかと思っていた。しかし、実際に福島県浜通りに訪れると一見、行政機関も人も戻ってきているが何か物寂しい気がしてならなかった。これは決して悪い意味ではなく、行ってみて初めて感じた第一印象だった。語り部の方々のお話を聞く中で、人々の抱いた感情が消えることはないし永遠に寄り添って共に考えていくしか復興のゴールは見えないのだと感じた。今回のツアーで出会った福島の皆さんは、前を向き歩みを進めている方々が多くて眩しいと感じることさえあった。ここに引け目を感じることなく、自分に自信を持って行動したいし胸を張ってまた彼らに会いたいからこそ、「福島を忘れないで欲しい」「自分の目と頭でかんがえて」といった言葉に恥じぬよう日々を過ごしたいと思った。

 

以上