社会・地域貢献

2015年度

「地域のことをどう決めるか-公共政策と自治」

ゆめキングダム 川北夢希/黒田恵子
地域のことをどう決めるかという問題について考えてみよう。最近話題の新国立競技場の建設は、国の事業だが、東京都にも負担が求められている。この負担を決めるのは都知事だが、議会の承認も必要だし、何より都民が納得するかという問題がある。自治体の日常的な決定は、選挙で選ばれた首長と議会に任されているが、住民自治の原則の下で最終的な決定権は住民にあり、直接請求などの手続もある。2つ目の事例として、所沢市で小中学校へのエアコン設置が問題になった例を取り上げよう。市長は財政負担の問題から設置しない方針を打ち出したが、住民が直接請求を行い、住民投票を実施。賛成が過半数を占めたため市長も一部方針を変えた。こういう問題を住民投票で決めることに賛成だろうか。住民投票には情報が不十分だと適切な判断ができないとか、少数者の意見が軽視されるといった問題もある。こういう「正解」のない問題を考えるのが法学部だ。こういう問題がおもしろそうだと感じた君は、そう、法学部に向いている!

「川と海のつながり」

Awanosima studio 鳴海輝孝/淡島良介
川と海のつながり 大栗川と多摩川における海とのつながりの現況 川と海を行き来する通し回遊 遡河回遊・降河回遊・両側回遊など 河川横断構造物が生物の移動を阻む つながりが失われると生き物は一生を全うできない 供給サービス復活による大きな文化的サービスの実現 モデル化された知識の限界 個別具体地域を対象とする自然再生 現場知(ローカルナレッジ)が必要 同じ経験を通じて知ることが重要

「行政訴訟と司法権の限界(行政事件訴訟抗告訴訟が主観訴訟であるということの意味)」

プロダクションY.K. 山中大吉/小谷翼
宝塚市パチンコ店建設中止命令事件とは。行政訴訟における原告、被告の逆転。法律上の訴訟・裁判の対象。裁判の対象にならない行政上の義務履行を求める訴訟。板まんだら事件判決について。審判の対象や法律上の争訟とは。「法律適用による解決」に不適切なもの。主観訴訟と客観訴訟の規定の有無。個人の権利利益の保護は主観訴訟。行政代執行法と行政行為(処分)。公益性の高い行政救済法。行政の活動によって権利が侵害された場合に対象となる「原告適格の条文(9条)」。

「いまある存在から歴史を考える」

ファイヤーボールW 川名正人/本山洋輝/近藤実佐輝
現実のフィールドから物事を理解するとはどのようなことでしょう。いまある現実をみたとき、それが、高校まで教室で学習してきた社会科の内容、たとえば、日本史と乖離していることはないでしょうか。いまある現実は、過去からの豊富な歴史的蓄積の上に存在しています。そのような、過去からの連続性の上で存在する社会文化史的現実を、お墓や芸能などを例として理解してみたいと思います。それによって、文献学によったふつうの日本史ではない、歴史的存在の深さと豊かさを理解したいと思います。いまを生きるわたしたちと乖離しない歴史的理解とは何か、そのような課題に対して、歴史学と民俗学の両方の視点により迫ってみたいと思います。

「みんな、どうして大学へ行くの? ~経済から見る進学行動」

あすながっつー 長塚優佳/堀井明日菜
大学に進学する人が増えていますが、なぜでしょうか。人々の大学進学行動を経済学の視点から分析します。 将来の仕事に役立つ勉強ができることを進学理由として挙げる高校生や大学生が多いが、そうしたメリットがあるために進学しているのは事実。ただし、進学するには費用がかかる。果たして、進学によって得られるベネフィットと失うコストとではどちらが大きいのでしょうか? 直接費用と機会費用、そして生涯所得の割引現在価値といった概念を説明しながら、就職か進学かの意志決定について考えます。

「市場経済の善と悪」

スガイ レイ 岡部陸/清水星佳
ミクロ経済とマクロ経済。経済学的な思考と考えを持つ。多様な視点から総合判断できるジェネラリストへ。紛争・取引などお金が関係する社会。正しい意志決定をするルールの確認。みんなが幸せになるしくみづくり。企業の利潤追求は善か?社会的に望ましい商品、価格とは、望ましい取引とは?必要なものを必要な人に。誰も損をしない交換の利益。サバイバルゲームではない価値の交換。分業に基づく協業。

少年非行と少年法改正-「刑法」を使ってみよう」

Le Cerise 松澤耀平/磯田海地/楡井薫
具体的事例、例えば、「少年Aは、コンビニで万引きをしたところを見つかり、捕まりそうになったので、逃げようとして店員に暴行を加え、けがをさせた」というような身近な事案を例に、これに法律の実際の条文を適用してみることを通して、大学の刑法の授業ではどのようなことを学ぶのかを体験する。あわせて、少年非行の現状及び少年法の内容やその改正の問題に触れつつ、少年の立ち直りにはどのような視点が必要かを受講者とともに考える。

「公的年金の損得を考える」

チームオタク 小野拓哉/タン ジャクグ/チェ ユウ
国民年金・厚生年金といった公的年金保険の概要説明を通じて、視聴者に、公的年金保険を始めとする社会保険と民間保険との異同についての理解を深めてもらう。公的年金は、憲法25条により国民生活を保障する責務を負った国が立案・運営する社会保障制度の一部であるが故に、民間保険と異なる強制加入が正当化され、そしてそのことが、保険原理と扶助原理の併存、給付・反対給付均等の原則の不成立といった、損得論だけでは割り切れない公的年金の制度的特徴を生み出しているのである。

「法律行為総論①」

プロダクションY.K. 山中大吉/小谷翼
民法が規定する様々な権利変動の原因を挙げ、その中で法律行為を原因とする権利変動が最も重要であることを説明する。

「法律行為総論②」

プロダクションY.K. 山中大吉/小谷翼
民法には三大原則があり、法律行為はそのうちの最も重要な私的自治の原則を実現する手段であり、これには三つの種類があること、契約による法律効果は、任意法規よりも優先することを説明する。

「法律行為総論③」

プロダクションY.K. 山中大吉/小谷翼
法律行為は、すべて意思表示を含み、意思表示の内容に従って法律効果が生じること、それらは意思表示の数と方向によって区別されること、そして、意思表示を含まないその他の権利変動である行為や事実と区別されることを説明し、整理する。

「選択英語(Ⅱ)西 亮太」

スガイ レイ 岡部陸/清水星佳
英語で考え英語で学ぶ。日本語は媒介しない。国際企業関係法学科で学ぶこと。自らが問題設定をする力、問題発見能力、問題解決能力を身につける。decolonization and the South as a "problem" 複雑なものを複雑なまま理解する。nationかnationalismか?raceかracismか? Cold War and ‘The Third World’ 国際化の進む先に見えるものは?フラットな世界なのか。冷戦とグローバル化の間の断絶。グローバリゼーションとは。