公開講座「学びの回廊」2011年度

大学でまなぶ「法」・競争社会でいきる「法」

KⅡプロジェクト(中央大学放送研究会) 加藤悠人/木村駿介/岩崎尚大/岩倉祥太
2011年度オープンキャンパスで開催された、法学部 西村暢史准教授の模擬授業の様子をお伝えします。現代の社会生活を営む上で、私たちは様々なルールに囲まれている。しかしながら、大学における学びは、このようなルールについて、「ルールだから」と思考を止めるのではなく、「なぜ、このルールができた」、「このルールは筋が通っているのか」といった疑問を持ち、そして、ルールの妥当性を考えるという思考方法を持つ必要がある。たとえば、民法の中には、盗品としらずに取得した者とその盗品の本当の持ち主との間の関係、すなわち、その盗品は誰のものかを定めるルールが存在している。日本においては後者が有利となるようなルールが用意されている。このルールについて、上記の疑問にそった思考を訓練することが法学部では求められている。このことは大学を卒業した後の競争社会においても、常に思考を止めることなく未知の課題に取り組む際に大いに役立つと言える。

政府の役割とは何か?

チーム村松拓(FLP有志)【コンテスト優秀賞】 村松 拓/仁田伸寿
2011年度オープンキャンパスで開催された、法学部 工藤裕子教授の模擬授業の様子をお伝えします。

大学での法律の勉強とはどのようなものか

for All(中央大学映画研究会) 望月知紗都/和田康太郎/小俣宗之/南恵梨子/榎戸結子
「法律の勉強というのは、六法全書をすべて暗記すること」と考えている人が多いようであるが、決してそうではない。法律のどの条文を適用すればよいのか判然としなかったり、ある条文を適用した場合の答えがどうなるのかすぐにはわからない事案が、世の中には数多く存在する。このように、条文を覚えているだけでは処理できない事案を解決する能力を鍛えるのが、大学での法律の勉強である。このことを模擬授業では、「公園のベンチに、ある人が忘れていったバッグの中から財布を抜き取る行為が、窃盗罪に当たるのかそれとも遺失物横領罪に当たるのか」という問題の検討を通して説明する。2つの犯罪の違いはどこにあるのか、なぜ窃盗罪の方が罪が重いのかといったことを考えながら、いくつかの事例を分けて問題を検討する。また、分析的思考、論理的思考が法律の勉強には必要であることも併せて説明する。

東日本大震災と国際法

映画研究会A(中央大学映画研究会) 加藤広樹/井口裕基/伊藤祐介/奥平泰之
国際法とはなにか。国内法とはどのような関係にあるのか。東日本大震災を例に、国際法とのかかわりを学ぶ。 東日本大震災では、被災者と原子力事故の両面で国際法が関与している。被災者に関わる法には国際人権諸条約があり、そこに規定されている権利は、日本では法律にまさる効力を持つ。一方、原子力事故に関わる法には損害賠償法と環境汚染防止法があり、その諸条約では日本が当事国の場合もあれば加わっていない場合もあるが、それにかかわらずすべての国が負う義務と責任がある。 国内法にも間接的な影響を及ぼす国際法。その伝統的な役割と、ますます重要になってきた新しい役割とはなにか。被災者の救済と原子力損害の悪影響を最小化する目的のほかに、これからの国際社会における国際法の役割を考える上でも聴いておきたい講義。

われわれの社会と「契約法」

放送研究会60期(中央大学放送研究会他有志) 田畑洋介/三橋翔太/野口知信
われわれの生活にとって欠かせない「契約」。「契約自由の原則」という基本理念が存在する一方、契約が法によって制約されている例が少なからずある。その2つの調和を感じとり、どのような規制ならば認められるべきか、その規制が正当化し得るための根拠は何か(その規制は誰のどのような利益を守ろうとしているのか。それは妥当なのか)を考える。 講義では、新聞報道等で目にするような事例をあげながら、それぞれの事例における契約、法の規制を解きほぐす。この社会で暮らすにあたってどういうルールが必要なのか、どんなルールがよりよい社会を形成するのか。大学で法律を学ぶにあたって必要となる視点とは。 なお、この講義は、2010年度に行われた中央大学法学部自己推薦入試の講義理解力試験の分析も兼ねており、受験生は試験準備の1つとして活用できる。

政治学は政治に関する学問か?

八王子ビデオクラブ(地元八王子のビデオクラブ) 菅原富雄/深田 功
世の中を治めるための〈上から目線〉の学問から、個々の生活を結び世の中をすこしずつ変える〈下から目線〉の学問へ――政治学への考え方が大きく変わりつつあったなか、1996年、新潟県巻町(現新潟市)で、原子力発電所建設の是非を問う全国で初めての住民投票が行われた。研究者としての第一歩となった柏崎市、巻町における原子力発電所立地過程の分析をわかりやすく紹介する。 政治学を「制度政治を分析する学問」から、「まちづくり」や「NPO」といった新しいテーマも含めて考えるならば、その再定義が必要になる。原発を拒否した巻町の事例からは、戦後政治から現在への変化を浮き彫りにし、政治とは可能性を積み上げる人の営みであり、人と関係を取り結び説得していく過程なのだという、拡張した定義が必要な理由を解き明かす。