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【グローバル・アントレ・フェア】ゲストスピーカーによる公開授業を実施しました
2025年03月19日
失敗ばかりの僕でもきっと世界は変えられる -途上国と日本を繋ぐしごと-

2024年12月16日(月)、多摩キャンパスの教室にて「グローバル・アントレ・フェア」の公開授業が行われました。本授業は商学部 斎藤正武教授の「技術経営論」を公開授業として実施したもので、ゲストスピーカーとして本学OBであり起業家の佐々翔太郎さんをお招きし講演していただきました。
本講義では、企業の保有する技術や、企業戦略としてのイノベーションが企業経営にどのような影響を与えるかについて議論しました。佐々さんの話を通じて、企業における様々な課題に対する実際の事例を用いながら、その背後に存在する理論やフレームワークを学び、経営をどのようにマネジメントするかを解説しました。

きっかけは何でもいい。一歩踏み出してほしい

商学部3~4年生を中心に約230名が参加しました
家庭環境の変化と高校野球・大学受験の失敗により、未来に希望が持てなかったという佐々さん。中央大学入学時は、第1志望ではなかったという不本意な気持ちから下を向いていましたが、大学1年で『やる気応援奨学金』を利用して訪れたフィリピンで、貧困だけど明るく生きている人々を見て、笑顔で楽しく生きることが一番大事なんだと思うようになりました。
人生を前向きに変えてくれたフィリピンですが、その大きな一歩踏み出せたのにはあるきっかけがあったそうです。「色々考えて頭でっかちになっても意味がない、一旦世界に行ってみるというのを強くおすすめしたい」と伝えました。
フィリピン留学後は、大学の休みの度にバックパッカーで中国、インド、アフリカ等、約40カ国を訪問し、学校建設等に携わってきた中で、貧困層、貧困問題に課題を抱きました。大学4年時には『トビタテ!留学JAPAN』という文部科学省の奨学金を利用してミャンマーに行き、NPO法人『e-Education』の現地駐在員として、途上国の教育課題を解決していく活動に取り組みました。
その後、ミャンマーで学生起業、日本での就職を経て、スタートアップを起業しました。
佐々さんの略歴
■2017年10月:ミャンマーでキャリア・進学メディアLive the Dream Co., Ltd.を設立
情報統制や鎖国をしていたミャンマーでは英語が普及していなかったため、ミャンマー語でメディアを作り、教育の情報革命を起こそうと学生起業。ロールモデルのストーリーを次世代へと届ける事業“Live the Dream”を、2年でユーザー100万人の規模まで成長させました。
未来のミャンマーを担う若者達と一緒に働いていたこと、従業員とその家族を支えていたことがやりがいとなり、将来は国境を越えて起業していきたいと思うようになりました。一方で、広告モデルでの収入だったため、初めてのBtoBの営業に苦労しました。
■2019年4月:株式会社リクルート新卒入社
『じゃらん』の広告営業マンとして東京・横浜エリアのビジネスホテル様を担当。2020年よりホテル・旅館向け業務効率化システム「レベニューアシスタント」商品企画。
BtoBの営業を極めていきたいという思いもあり、営業先のホテルを回り広告を営業する傍らで、人手不足の問題を目の当りにしました。
■2021年7月:株式会社ASEAN HOUSE(現 株式会社LivCo)設立
グローバルHR事業を日本/インドネシアで展開し累計500人の雇用を繋いでいます。
人手不足で悩む企業と日本で働きたい外国人求職者のマッチングをするだけではなく、インドネシアにて人材育成事業や、外国人特化の不動産仲介事業などを展開しています。

インドネシアでの学校運営

日本での学びを活かし母国の発展へ繋げる

「移民版リクルート」を目指す
日本の人材不足を解決し、途上国の雇用機会を増やして所得を向上させ発展に寄与していきたい、東南アジアの未来を作りたいという強い思いを語った佐々さん。株式会社LivCoの事業内容やキャリアについて詳しく説明していただいた後、参加学生からの質問に答えました。
200名以上の参加学生から感想や質問が寄せられました

リアルタイムアンケートに寄せられた質問に回答
Q. ミャンマーの生活きつそうですが…
確かにきつかったんですけど、何か持久走した後ですごく清々しい気分になるようなイメージです。ミャンマーでタクシーの中で財布を忘れたのですが返ってきました。もちろん海外の方が若干治安悪いのですが、そんなに身構えなくていいと思います。
Q. 人生最大の失敗は何ですか?
受験と高校野球は非常に大きかったのですが、逆にピンチをチャンスにするということで、今に繋げられているんじゃないかと思います。
Q. 起業するにあたって不安はありましたか?
起業しか手段がなかったので、不安はあまりなかったです。性格もあるんですけど。
Q. 就活生へのアドバイスはありますか?
業界などで絞ってしまうところもあると思いますが、何をやるかより、誰と働くかとか、どんな環境で働くかが大事かなとも思っています。今やりたいことをやるというよりは、一番自分が成長できそうなところ、一番成長できそうな師匠がいるところ。ちなみにベンチャーは基本的に経営層と同じフロアで働けます。キャリアを積んできた人と仲間として働けることが確定されているので、そこがベンチャーのいいところだと思います。自分がどうなりたいかというのを逆算して戦略的に考えていくといいのではないかと思います。
佐々 翔太郎 氏|株式会社LivCo 代表取締役
中央大学法学部卒業。大学1年で初めて訪れた海外・フィリピンの心温かい人々から大きな感銘を受け、途上国の可能性に興味を持つ。大学4年次には文科省『トビタテ留学JAPAN』第6期奨学生に選出され、NPO法人『e-Education』の現地責任者でミャンマーに駐在。映像教育を広める傍ら、ミャンマー初のキャリア・進学メディアLive the Dream Co., Ltd.を現地の若者と学生起業し、ユーザー100万人の規模まで成長させ事業売却。その後、株式会社リクルートに新卒入社し『じゃらん』の新規事業であるホテル向けSaaS事業に関わる。その後、ミャンマークーデターを契機に株式会社ASEAN HOUSE(現 LivCo)を設立しグローバルHR事業を営む。座右の銘は「失敗しても当たり前、成功したら男前。」
参考ページ:https://livco.inc/aboutus/story/