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第29回中央大学 学術シンポジウム 国際セミナー
「認知多様性:心理学からのアプローチ」が開催されました

2023年08月21日

       ~ Cognitive Diversity:Approach from Psychology ~
 2023年6月14日(水)と16日(金)の2日間、後楽園キャンパスにて、第29回中央大学学術シンポジウム 国際セミナー「認知多様性:心理学からのアプローチ~Cognitive Diversity:Approach from Psychology」が開催されました。
 中央大学の海外拠点「中央大学パシフィック・オフィス」のあるハワイ大学マノア校より、社会科学部心理学科のJonas Vibell先生をお招きし、「認知多様性」に対しての心理学的なアプローチについてお話いただきました。
 本セミナーは、対面・オンライン併用のハイブリッド形式で、14日は一般の方向け、16日は理工学部・理工学研究科の学生向けに開催されました。講演に先立ち、中央大学副学長・研究推進支援本部長・理工学部教授 加藤俊一が英語で開会の挨拶し、続いて Jonas Vibell先生の講演も英語で行われました。
 今回の講演テーマである「認知多様性」や加藤先生の専門分野である感性工学に関連した学内外研究者が、学部や学科はもとより大学・企業の垣根を越えてご参加いただきました。また、16日は理工学部・理工学研究科の学生を中心に、25人が現地、20人がオンライン出席参加し、講義を熱心に聞き入っていました。

 Vibell先生の研究領域は、認知心理学、行動心理学、神経心理学です。人の行動や認知が脳の活性化とどのように結びついているかの解明を進める上で、心理物理学や非侵襲的脳イメージングツールを用いて多感覚知覚と注意等について研究しています。特に現在は、異なる感覚モダリティ、特に視覚と触覚の間の空間表現の知覚について追及しているほか、脳信号のニューロン記録の理解と進歩にも関心をもって進めているそうです。

 講演では、先生が代表を務めている研究施設 “Brain & Behavior (B&B) Laboratory” の研究実例や商品化されたリハビリテーションシステムやアプリケーション、脳波を用いた神経リハビリテーション等の具体例を元に、研究活動の実際を紹介いただきました。また、ハワイ大学マノア校の学生も参加した”ブレイン・ハッカソン“にも触れ、先生の研究分野における今後の展望についてもお話いただきました。
 Jonas Vibell先生 プロフィール
Assistant Professor, Department of Psychology, College of Social Sciences, University of Hawai'i at Manoa, Cognitive and behavioral neuroscientist
(ハワイ大学マノア校 社会科学部心理学科助教授、認知・行動神経科学者)

【研究領域】認知心理学、行動心理学、神経心理学

【経歴】UCL/ハーバード大学研究員(認知神経科学)
    オックスフォード大学博士課程修了(認知神経科学)
    ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、心理学研究法修士課程修了
    サンディエゴ州立大学 心理学学士号取得
●中央大学学術シンポジウムについて
「中央大学学術シンポジウム」は、3年間の研究期間でプロジェクトチームを組織し、その開催を通じて共同研究の成果を広く社会に還元していくという理念の下で各種の研究行事を行っています。理工学研究所が担当する第29回中央大学学術シンポジウムは、コロナ禍の中で約3年間に渡る研究活動を行い、2023年12月(予定)に総括シンポジウムを行います。本セミナーはその一環としての研究行事です。

●海外拠点第1号「中央大学パシフィック・オフィス」とは
本学では、2013年12月にハワイ大学マノア校イースト・ウェスト・センター内に、海外拠点第1号となる「中央大学パシフィック・オフィス」を開設しました。本セミナーは、10年間に渡るハワイ大学との連携とこれからの研究交流のさらなる活性化を目指す研究交流の一環としても開催されました。