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「世界が相手だ! グローバルキャリアセミナー」を実施しました  (キャリアセンター主催)

2021年12月02日

 2021年10月9日と10月16日、2日間の日程で、中央大学キャリアセンター主催による「世界が相手だ! グローバルキャリアセミナー」が実施されました。
 1日目は国内の大手総合商社に勤務する商学部OBの白石亘さんによるご自身の「グローバルキャリア」紹介と学生からの質疑応答。2日目は、経済学部OBで外資系大手損保に勤務する安藤健治さん、法学部OBで大手日系食品メーカーのタイ現地法人に勤務する行本真嗣さん、1日目に続き 白石さんが登壇しました。安藤さんと行本さんのキャリア紹介に続いて、グローバルに働くことやグローバルキャリア、学生時代の過ごし方、就職活動・ステップアップなど、学生が聞きたい思うようなテーマについて熱くディスカッションしていただきました。
 国内・世界で活躍している先輩からの話を聞くことのできる貴重な機会とあって、多くの学生が参加しました。各日ともに後半に設けられた質疑応答でも、多くの質問が寄せられ、時間をオーバーしての閉会となりました。

以下でご紹介します。

《1日目》 本セミナーの目的と自己紹介 ~ファシリテーター:白石亘さん

 このセミナーでは大学生の皆さんに、私たち3人のグローバルな経験を、キャリアを具体的に考えるきっかけにしてほしい、自分が将来にグローバルな場で活躍するイメージを持ってもらいたいと企画しました。
 私は幼い頃から野球漬けの人生で、中学生で日本一になり、高校でも野球に全力を注いできました。しかし、大学の野球部で大きなケガに見舞われ、野球をあきらめる選択をしました。大学で勉強する傍ら、新聞記者のアシスタントをしたり、個人事業主となり広告営業にも取り組みました。
 卒業後は、当時まだ小規模のベンチャー企業だったエン・ジャパンに入社。入社直後は底辺の営業成績でしたが、1年後にはトップセールスをあげるまでに成長。社長や上司たちに育ててもらい、会社にも貢献することができたのですが、取引先で出会った元商社マンの経営者に影響を受けたり、大きな事業を作ってみたい、世界で戦うビジネスパーソンへの夢を思い描くようになり、商社に転職をしました。この商社では、さまざまな部門で「事業を作る(+投資)」「事業/組織の再生」といった業務に従事してきました。取引相手企業の地域もさまざまで、欧州、北欧、アジア、中国、インド、UAE、イラン、ASEAN、ロシア、北米など30か国以上、出張も含めると40か国以上に行きました。
 語学は学生の頃から得意とは言えず、今思うと、あの成績で商社によく入れたと思うほどですが、英語ニュースを聞いたり、外国人の集まるような場所に通いながら自然と身に付けていきました。また、取引先の相手国に行ったときは、その国の食事・娯楽・文化を楽しみながら公私ともに人脈を作るように心がけています。外国人である自分を受け入れてもらえることに感謝しながら、仕事に取り組んでいます。
(商学部 商業・貿易学科2003年卒業)
職歴:2003~04年エン・ジャパン(株)→2004年~現在:大手日系商社勤務  ドバイ駐在経験あり(現在は日本在住)

 

《2日目》 世界で活躍する中大OBからの熱いメッセージ

学生時代にテニスで築いた自分の軸、
社会人になってからの学びと人脈を活かして
安藤 健治さん
(経済学部  産業経済学科 1993年卒業)
大手外資系損保 勤務
 
 大学時代はテニス部で本気で競技に取り組み、二十歳でアメリカへテニス留学もしました。卒業後も日本リーグで上位を目指したいとテニス部のある三井海上火災(現三井住友海上火災保険)に入社しました。ここで損害保険という仕事の面白さを味わい、またグローバルな夢もできて一念発起! 社内のグローバルチャレンジプログラムに何度も挑戦し、29歳のときにロンドンの欧州支店に配属されました。帰国後は名古屋企業1部トヨタ室(歴代社長を輩出している部署)で多くを学びました。そして欧州支店時代の先輩の誘いもあり、世界でもっと経験を積もうとヨーロッパへ移り2社で働いた後に、現在の外資系損保に転職しました。損害保険というと個人なら自動車や火災保険のイメージがありますが、法人の海外プロジェクトというような大きな仕事では保険の加入が必要不可欠ですから、社会の下支えをすることのできる仕事だと言えます。また、発展途上国の発展にも関わったり、日系企業の国際力向上や企業のリスクマネジメント等にも関われることにやりがいをもって取り組んでいます。
 学生時代はテニスのほか、遠征費用のためにアルバイトをしたり語学にも力を入れていましたが、将来の職業は真剣に考えていませんでした。しかし、学生時代に自分の軸を作り、就職してからの学びや出会いあって現在の仕事につながっています。学生時代には、手に職を付けたり、自身の持てる領域を作り上げることをおすすめしたいです。
職歴:1993~2001年三井海上火災保険(株)、02~06年Aon Risk Service in Europe(オランダ)、
06~14年AIG(株)(東京)、2014年~現在:大手外資系損保
日本発のグローバル企業としてタイ、そしてアジアに
新しい文化を根付かせたい
行本 真嗣 さん 
 (法学部法律学科2002年卒業)
大手日系食品メーカー  勤務(バンコク駐在)

  現在は、日系食品メーカーのタイ現地法人のシステム外食(チェーン外食)を統括する立場としてバンコクで仕事をしています。大学卒業後はこのメーカーに入社し、外食営業部門を経てマーケティング部門に異動しました。現職も含め、新事業及び新製品開発を色々と経験させてもらい、非常にやりがいを感じるポジションでキャリアを重ねさせてもらっています。バンコクには2019年から駐在しています。日本発のグローバル食品メーカーとして、自社の持つ強みをB2Bのお客様に如何にお届けするか、職場における着実なPDCAサイクルを如何に根付かせるか・機能させるか等、現地メンバーとも連携して日々業務に取り組んでいます。
 私は父の仕事の都合で幼少期に複数の国で暮らした経験があり、海外での就業機会があることが企業選択の一要因でした。大学生という比較的時間があり、いろいろとチャレンジしやすい時期に海外で暮らしてみて(短期でも長期でも)、どこの国やどんな分野に自分の関心があるのかといったことを、より具体的にイメージする機会を持つことは有意義だと思います。自分がどうしたいのか決めるのは自分自身ですが、意外と自分のことは知っているようで知らないもの。いろいろな経験を通して自分の想いや価値観を言語化してみること、それは仕事をする上でも役立つと思います。就職活動は、ここなら自分が輝けると思える場所を選ぶ絶好の機会です。自分と、企業と、とことん向き合ってみてください。
職歴:2002年大手日系食品メーカー入社、 ~08年外食営業担当、08~17年外食事業部、
17~19海外食品部、19年~現在:同社のタイ現地法人(バンコク)
まとめ:普通の大学生だった3人の
グローバルパーソンからのメッセージ
白石 亘 さん   
(商学部 商業・貿易学科2003年卒業)
大手商社  勤務(ドバイ駐在経験あり)
 
 私自身の就活では新卒時も転職の際も、企業の成長と社員に活力があり、会社から感じるオーラや経営者の人柄を大事に見てきました。自分も企業も成長できるような企業を目指しました。最初の会社では、当時のベンチャー企業から事業の急成長する様を経験できたし、現在の商社でもこの20年間で約17倍に成長してきました。
 また、今の商社でも前職でも出会いを大切にしてきて、前職の社長とは今でも懇意にしていただいています。ご縁を大切にすることが、次への一歩に繋がります。ご縁といえば、行本さんは高校の野球部の先輩です。安藤さんとはミャンマー案件で出会いました。ミャンマーのプロジェクトでの保険加入で困っていた私を救ってくれました。そこからのご縁です。
 学生である今、語学力に自信がなくても留学や語学試験を目指して勉強すればいいし、外国人の友だちを作って力を付ける方法もあります。そして読書をしたりして視野や考え方を広げ、資格を取得する。私の場合は簿記でしたが、武器となる力を身に付けてください。コロナ禍で制限される現在ですが、グローバルに活躍する将来の自分をイメージして頑張ってほしいと思います。
職歴:2003~04年エン・ジャパン(株)、2004年~現在:大手日系商社  勤務
安藤さん、行本さん、白石さんによるディスカッションから。学生の皆さんに伝えたいこと
<大学生活に挑戦してほしいこと>
・多くの出会いをつくりご縁を大切にする。大学での人脈を作る。
・軸・強みを持つ、資格取得に挑戦する。
・海外留学 →考え方が広がる。行ってみたからこそ気が付くことがある。それが何かのきっかけにつながる。
・海外に住む(留学を含む) →文化や宗教、人々の暮らしなど体感する →海外の暮らしが自分に合うかを実感できる。
<就活・転職。そこでの会社の選び方>
・業界の風土、社風や社員などフィーリングが合う会社を選ぼう。
・OB訪問を積極的に行い、様々な業界の先輩から情報を得る。
・会社の経営や成長等はIR(中期経営計画)で分析。
<社会人になる、グローバルに働く>
・入社した会社をすぐに辞めたら得られるものがない。
・海外に出るにも国内で働くにも最初に入社する会社選びは大切。本気で就活してほしい。その先は自分の希望、そして運と縁による。
・コロナ以前の海外実務研修は、損保、商社、技術系の日本企業が充実している。
・欧州やアメリカは日本以上に階級社会だし、プライベートな付き合いはとても親密だと思う。