プログラム |
主催者挨拶 |
第一部 成果報告 「本学学生による事例紹介」 ・経済学部 海外インターンシッププログラム現地企業コース ・G スクエア ・世界につながる国際寮 |
第二部 パネルディスカッション |
閉会挨拶 |
本年は、2016年3月10日(木)に本学単独にて『グローバル人材育成を通じて世界に発信すべきこと ~中央大学 Go Global に対する評価と今後の課題~』をテーマに、中央大学駿河台記念館にてシンポジウムを実施しました。
シンポジウムは学長専門員(国際化・国際連携)の松田美佐文学部教授の司会のもと、GGJの構想責任者である酒井正三郎総長・学長の主催者挨拶で開会。2部構成で進行し、第1部では学長専門員(国際化・国際連携)の増田桂子商学部教授と学生による成果報告を行いました。第2部では、当該事業を客観的に評価するため、学内で毎年開催している「中央大学グローバル人材育成アドバイザリーボード」のメンバー(外部有識者)5名をパネリストとして招き、GGJ実施責任者である武石智香子副学長・国際センター所長がファシリテーターを務めるディスカッションを行い、本学に対する課題、目標を明確にしました。
第一部 成果報告
「中央大学グローバル人材育成推進事業における成果報告」
増田桂子 中央大学学長専門員(国際化・国際連携)/商学部教授

報告の最後には、更なる中央大学グローバル化に向けて、ダブル・ディグリー(国際共同学位)や、すべての科目を英語等で教えるグローバルFLP(Faculty - Linkage Program)、外国語で修了できる留学生向けコースの構築を目指している旨を示しました。
「本学学生による事例紹介」
GGJによる取り組みの一環である「海外インターンシップ」、「Gスクエア」、「国際寮」に携わる学生が、事例紹介を含む体験談を発表しました。
現地企業コース
海外インターンシップ修了者
廣井勇也/法学部3年
経済学部が主催する海外インターンシップ「海外ビジネス現地企業コース」に、学部の垣根を越えて参加した法学部の廣井さん。インターンから学んだ姿勢を3つピックアップし、下記のように紹介しました。廣井勇也/法学部3年
1つ目、「英語を使うことへの姿勢」。会話では文法を気にするより単語1つでも言葉を発し、理解できなかった言葉は聞き返す。正しい英語を話そうとする姿勢より、コミュニケーションを取ろうとする姿勢が大事。
2つ目、「学ぶことの姿勢」。与えられた課題を行うだけの受け身の学びから、積極的な学びへと姿勢を変えた。英文を書く時には“最高の文を書こう!”と意識する姿勢が英語力アップに繋がり、英文を書くことが楽しくなった。
3つ目、「社会人としてあるべき姿勢」。時間を守る、期限を守る、報告・連絡・相談の「ホウレンソウ」といった基本的な姿勢ができてこそ、個人のスキルが発揮できる。
廣井さんは、「自分の財産となったこれらの経験を後輩に伝えていきたい」と意欲を語り、発表を終えました。

異文化交流スペース「Gスクエア」運営スタッフ
塩野愛実/法学部2年、新良宙達/法学部2年
谷本成弘/法学部3年
塩野愛実/法学部2年、新良宙達/法学部2年
谷本成弘/法学部3年
異文化交流スペース「Gスクエア」でリーダーを務めてきた塩野さん、広報部リーダーを務めた谷本さん、来年度リーダーの新良さんは、Gスクエアでの活動を報告。3名は運営者の立場から、中大生と留学生が交流できる語学講座やイベント、報告会など、様々な企画を実施してきました。
集客を図るためには、「学生が興味を抱く新しい取り組みを企画するだけでなく、私たちスタッフ間の意見をGスクエア全体の意見として1つにまとめることも欠かせない。スタッフには留学生も含まれ、企画運営にはそれぞれの考えがある。意見をまとめないと、足並みが乱れてしまう」と発表。また、グローバル化が拡大する中でグローバルをテーマにしたイベントは学内外で多数開催されるようになり、「Gスクエアでしか体験できない取り組みを展開していく必要がある」と、運営スタッフだからこそ感じるグローバル化を語りました。

国際寮(りえんと多摩平244号棟)入寮者
古田拓巳/総合政策学部2年
古田拓巳/総合政策学部2年
りえんと多摩平は、2011年3月より日野市多摩平に設置されている本学初のルームシェア型国際寮です。古田さんは子どもの頃に海外旅行をしたことがきっかけで英語に興味を持ち、「日本にいながら海外にいるような環境で生活ができるのでは」と考え国際寮に入寮。約2年間、留学生たちと生活しました。
2015年度は、13の国と地域の学生が共同生活を送っています。寮には入寮学生たちで企画するイベントがあり、食事等の日常生活のほかでも異文化交流の機会が豊富。古田さんは寮生活を通じて次第に積極的になり、自分からコミュニケーションをとって自己表現ができるようになったと言います。
国際寮のいいところは、「世界各国にかけがえのない友人ができる。国際寮は世界に繋がっている」と古田さん。寮でできた各国の友人と世界で再会したい、と発表しました。
第二部 パネルディスカッション

冒頭には各パネリストによる、グローバル人材を題材にした5分間のプレゼンテーションがあり、国際社会で必要とされる資質や求められるスキルの変化について語られました。
その後、アドバイザリーボード・メンバーとしての見地から、第1部の成果報告を踏まえた本学への評価がディスカッションされました。メンバーからは「日本はまだまだ受験のための勉強が主流。だからこそ、大学1年から海外に対する認識を持つことが必要である」「日本人学生は英語でのディベートが苦手。国際社会での交渉に対応するためにも、力をつけることが大切」「日本は海外から情報や文化を輸入することに熱心。しかし、もっと我々からも考えを発信すべき」など、さまざまな意見が述べられました。

赤阪清隆 氏
グローバル事業で活躍する人材について、「海外の社会・文化・価値観の差に関心を持ち、柔軟に対応する姿勢」、「チャレンジ精神を持ち続ける」ことが求められる、と日本経済団体連合会のアンケート結果を用いて説明。
この素質を身につけるためには世界の動きを知り、コミュニケーション能力を磨く必要があり、「西洋文化を追いかけるのではなくアジアの価値観を世界に発信することができる人がグローバル人材ではないか」と紹介しました。

荒井敬彦 氏
今、求められるグローバル・ビジネスパーソンになるために、「英語力はTOEFL100点、TOEIC800点は欲しい」と具体的な数字を挙げながらも、スコアがあるからといって能力が高いとは言えず、人間的な魅力を身につける必要性を訴えました。
また、日本人としてのアイデンティティーを持ちながら日本人、会社、個人として誇れることをアピールし、相手の国の歴史や文化、習慣、宗教観はもとより家庭料理なども含む社会、個人を知って尊重するように、とスピーチしました。

折田正樹 氏
グローバル人材を目指す学生が身に付けるべき能力として、1)枠組みを超えた発想力・構想力、2)異文化とのコミュニケーション能力、3)達成した結論を実現する能力、と3例を挙げました。
「日本は西洋文化を追いかけてきましたが、これからアジアが台頭してくるでしょう。多角的な視点を取り入れてグローバルに対処していかなければいけません。中央大学には世界各国から学生が学びに来ています。一緒に学ぶ中で、新しい視点を身につけていって欲しい」と述べました。

柏木 昇 氏
自身の商社での経験等を踏まえ、サラリーマンとしてのグローバルスキルについてプレゼンテーションしました。
「国際人として大切なスキルは、交渉力。実力があってこそ相手を説得できるが、日本人は引っ込み思案で発言が少な過ぎる。国際会議の場であっても皆が文法的に正しい英語を話しているわけではなく、それでも通じているという実情がある。“英語を正しく話さなければいけない”という強迫観念をなくすべき」と、実力+相手を説得する意欲・迫力・気力の重要性を訴えました。

藤沼亜起 氏
世界に受け入れられる国際人になるために、「人としての信頼感と公益に対する責任感を持って欲しい」と藤沼氏。また、一般教養に加えて専門的知識を持つ必要があり、それが自分のコアになると述べました。
外国人との交流にあたっては、フレンドリーに接して友人を増やし、フランクに意見を言って信頼を得て、フェアな態度と判断力で相手を尊重し尊敬されるようになれば、国際対応できるのではないか。誠実な努力をする国際人を目指して欲しい、と期待を語りました。
最後に、前国際センター所長の大村雅彦常任理事が、「昨年末に発表された『中長期事業計画(Chuo Vision 2025)』では、グローバル化の推進が主軸のひとつとして掲げられています。この数年間で本学のグローバル化は随分と進んでおりますが、まだまだ発展途上。皆さまからのご教示を頂きながら、発展させてまいりたい」と閉会の辞を述べ、シンポジウムを締め括りました。
また、来場者に対するアンケートでは、本シンポジウムに関して「参考になった・やや参考になった」という回答が約97%と高評価をいただくとともに「学生の生の声が聞けてよかった」「パネルディスカッションにおける多方面からの意見が興味深かった」「本学のグローバル化推進に参考になった」など、具体的評価を得ました。
また、来場者に対するアンケートでは、本シンポジウムに関して「参考になった・やや参考になった」という回答が約97%と高評価をいただくとともに「学生の生の声が聞けてよかった」「パネルディスカッションにおける多方面からの意見が興味深かった」「本学のグローバル化推進に参考になった」など、具体的評価を得ました。