仲間とのつながりは今も

広く緑にあふれたキャンパスで、のびのびとした学生生活が送れそうだ―。
これが中央大学に入学を決めた理由です。
大学時代はいつもポジティブな仲間と一緒に受験勉強をすすめられたので、悲壮感なく司法試験を乗り越えられました。彼らの助言&支えがなければ司法試験を受けようということすら考えつかなかったでしょうし、合格まで勉強を続けることもできなかったと思います。彼らには感謝してもしきれません。また、語学のクラスの仲間とは今でも近況を報告しあっていろいろと励ましてもらっていますし、サークルの仲間も、会えばすぐに学生気分に戻れる大事な仲間です。
ロサンゼルスで弁護士として勤務
卒業後、司法修習を経て裁判官になり、5年間ほど東京地方裁判所で勤務した後、5年間外資系法律事務所で弁護士をしました。その後ロサンゼルスへ移住し、現在はカリフォルニア州の弁護士資格を取得して東京時代と同じ法律事務所のロサンゼルスオフィスで弁護士として勤務しています。
ロサンゼルスでは、独占禁止法や贈賄禁止法などホワイトカラークライムと呼ばれる案件に関連して日本企業を代理し内部調査を行ったりアメリカ当局との折衝をしたりする案件、またアメリカ企業を代理して日本国内で訴訟を行う案件が多いのですが、契約書を見たりといった一般的な企業業務も担当しています。
働くモチベーションを維持するということ
社会人になってずっと苦労していることは、「働くモチベーションを維持すること」でしょうか(笑)。社会人になってから、まわりにこんなに優秀な人がたくさんいるのに自分が働く意味があるのだろうかとか、あまりに疲れ切ってなぜここまで働くんだろうかとか、仕事以外にもっと重要なことがあるのではないかとか、何かと理由をつけて湧き上がってくる「もう辞めてしまったら?」という誘惑と戦っています。働き続けることがこんなに大変なことだとは知りませんでした。50年も働き続けてくれた父を含め先輩方に対する尊敬の念を日々新たにするとともに、同年代そして後輩のみんなには、「一緒にがんばろうね!」と声を大にして言いたいです。実は、転職したり、休職したり、フルタイムでなくなったりと、世間的にはきちんと働き続けてきたわけではない私がいうのも恐縮ですが、どんどん世界が広がり、素晴らしい出会いがたくさんあったのは、なんとか仕事を続けていたからこそだと思います。
中でも、私とは比較にならない分量の仕事をしつつ、自分のため、家族のため、見知らぬ誰かのために惜しみなく時間を使っている人にたくさん出会ったことで、仕事か家庭か、といった単純な見方が変わりました。仕事をしていたからこそ、仕事に自分の人生をコントロールさせることなく、自分のことも、家族のことも、他人のことも大事にする人生を送りたいと思えるようになったのはおもしろいなと思います。
これから先、もしかしたら、「もう辞めてしまったら?」という誘惑に負けてしまう時がくるかもしれませんが、どのような形であれ、また這い上がって何らかの仕事を続けていければと思います。
毎日上機嫌に過ごすこと。誰かのために自分ができることをすること
仕事が忙しくてつらいとか、逆に暇すぎてクビにならないか不安だとか、あの人はこうなのになんで私はこうなんだとか、くだらないことに自分の気分をコントロールさせずに、毎日を上機嫌に過ごすことが人生の目標です。人生の目標です、と言ってしまうくらい、現実に行うことはなかなか難しいのですが。
あとは、誰かのために自分ができることをすること。他人のことを考えられるほどえらいんですかとか、自分の始末をできるようになってからしろとか、偽善だとか、一人変わったところで世の中は変わらないとか、雑音が大きすぎて、「よりよい明日に!」と活躍しているかっこいい若者の姿があまり見えないことをとても残念に思っています。テレビに出たり、本を出されたりしているような人たちだけでなく、私のまわりにも、学生企業訪問プログラムを企画して毎年実行しているLA白門会の皆さんや、弁護士プロボノネットワークを立ち上げてより多くの弁護士がプロボノに取り組めるように尽力している友人、子どもと一緒にごみ拾いをしている友人等々、多くのかっこいい友人たちがおり、とても尊敬しています。大学生のうちから、誰かのために今できることを今するということが、人生のミッションに組み込まれていたら素敵だなと思います。