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「中央大学日蘭交流会」を開催しました

1995年より始まる「日蘭架け橋事業」を引き継ぐかたちで、外務省欧州局は2005年から「日蘭平和交流事業」を開始し、オランダ国内に残存する日蘭間の過去の問題と向き合う取り組みを続けてきました。日本支配下のインドネシアにおいて戦争捕虜・民間人抑留といったなんらかのかたちで戦争に関わったオランダ人を、毎年20名前後、日本に招聘し、観光、交流をすることを通じて対日理解を育み、両国の理解を深めています。 

その招聘事業の中で本学の元法学部教授である折田正樹氏がかつて外務省に所属していたことをきっかけに、来訪者を中央大学に招いて本学学生と交流する「中央大学日蘭交流会」を過去数年にわたり開催しています。オランダ人戦争経験者が現代の学生と対話をすることで、日本の姿を理解するとともに、学生も国際的な交流を経験し、戦争体験に触れ、今後の学修の動機付けを得る上での貴重な機会となっています。

本年度は14名の招聘者が、11月11日(月)~20日(水)の間、日本に滞在。11月18日(月)に中央大学を訪れ、旧折田ゼミ、遠藤・宮丸ゼミ、外交研究会などから参加した70名ほどの学生たちと交流を行いました。

交流会では、法学部の新井潤美教授が司会を務め、はじめに折田正樹氏が挨拶。日蘭の友好関係が400年前に始まったこと、また今日に至るまで続く日本の皇室とオランダ王室との親しい関係について触れた上で、戦時中に日本軍に拘束された幼いころの記憶に長い間苦しんでいる人々がいることを忘れてはならないと語りました。

また、折田氏自身の体験から、当日の参加者を含め次代を担う多くの若者へ向けたメッセージとして、互いの話をよく聞いて、平和への思いを強く持ってほしいと締めくくりました。

その後、オランダからの参加者3名が自身の戦争体験と、それによって受けた心の痛みやトラウマとどう向き合って生きてきたのかについて語りました。中には当時を思い出し、涙ぐみながら話す方もいて、戦争体験のない学生たちの心にも深く響きました。