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上海理工大生が中央大学を訪問

2013年09月02日

中央大学の海外協定校である上海理工大学は、2013年8月1日から1カ月間の来日プログラムを実施しました。本学には8月3日に後楽園キャンパスのオープンキャンパスへ、8月21日~23日に多摩キャンパスを訪れ、最終日の8月30日には多摩キャンパスで修了式を行いました。

来日プログラムの目的

上海理工大学には日本文化交流センターがあります。ここでは、日常生活におけるマナーやしつけ、茶道、生け花など日本の文化を学ぶほか、上海に進出している日本企業の駐在員を招いて日本の企業文化を学ぶ機会も設けています。しかしながら、現在、中国と日本は共に相手国に対する認識があまりよくありません。学生たちには本当の日本と日本人を体感してほしいという思いから、今回、初の試みとして1カ月間の来日プログラム「日本を再認識」を実施しました。日本に滞在している間に、互いに助け合ったり、幸せな体験をたくさんしてもらえたらと思います。

後楽園キャンパスのオープンキャンパスに参加

【8月3日】
10:30 後楽園キャンパス・理工学部の紹介(梅田和昇理工学部教授)
11:00 研究室見学
12:30 昼食会、自由見学

来日して3日目の8月3日は、後楽園キャンパスにおけるオープンキャンパスの日で、上海理工大生は5グループにわかれて、6つの研究室を順番に見学しました。研究室の学生は、日本語の他、中国語、英語をまじえて説明していました。

多摩キャンパスでの交流プログラム

【8月21日】
10:30 入学センター学生スタッフによるキャンパスツアー
11:30 昼食
13:15 日本の映画鑑賞(みんなのいえ・三谷幸喜脚本)&ディスカッション
16:30 終了

キャンパスツアー
今回来日した上海理工大生は30名。中大生の案内で3班に分かれてキャンパスツアーを実施しました。各班では日本語が話せる上海理工大生(日本語学科の学生が中心)が中大生の説明を通訳。桜広場は春になると新入生歓迎パーティや花見をする人たちでにぎわうとか、多摩キャンパスの広さは東京ディズニーランドとほぼ同じ(東京ドーム11個分)といった話題を交えつつ、和気あいあいとキャンパスをめぐりました。

河村翔平さん(経済学部3年)が案内するグループに密着!

映画鑑賞&ディスカッション(主催:森茂岳雄文学部教授
昼食をはさんで、午後はGスクエアで中大生と一緒に三谷幸喜監督の「みんなのいえ」を鑑賞しました。映画の中で描かれる日本の家族関係などを通して、日本と中国の違いや共感できる点などを発見し、日中の相互理解を深めることが目的です。上海理工大生からは、「家を建てる際の儀式(地鎮祭)にはどのような意味があるのか?」といった質問や、「世代によって文化的背景が違うのは仕方ないので互いに尊重し合うべき」「家庭問題の解決法は日本も中国も同じ」などの意見が上がりました。

上海理工大生から

方若愚さん

キャンパスツアーでは、案内してくれた学生さんがとても親切で感動しました。初対面の私たちに対しても面と向かって親身にコミュニケーションをとってくれました。経済学部棟へ向かう途中の桜広場も美しく、素敵な場所だなと思いました。できれば桜が満開の時期にも見てみたかったです。今回日本に来てみて思ったのは、とにかくどこへ行ってもサービスがよく、みんな笑顔で対応してくれるということ。電車でのマナーのよさにも驚きました。降りる人を待ってから乗車するとか、電車の中では携帯電話で話さないとか、優先席では携帯電話を切るなど、上海ではなかなか見られないことなので感心しました。

【8月22日】
13:15 中国現代事情についてプレゼン&ディスカッション
16:30 終了

この日は、来日している上海理工大生のうち15名が来校。中国現代事情について5名がプレゼンテーションした上で、中国と日本の同じところ、違うところにについて、中大生(15名)とグループに分かれてディスカッションを行い、出てきた意見をグループごとに発表しました。

【8月23日】
秋川渓谷にてBBQ

連日続いていた猛暑もいったん小休止。過ごしやすい気候の中、昨日のプレゼンテーション&ディスカッションで交流を深めた日中の学生たちが、緑あふれる秋川渓谷の渓流沿いでBBQを楽しみました。

【8月30日】
10:00 修了報告会
12:00 懇親会

1カ月間の来日プログラムも今日で修了。多摩キャンパスのGスクエアで、上海理工大生による報告会と修了証書の授与が行われました。 

報告会では、日本について、「ゴミの分別方法に戸惑った」「電車やバスが時刻通りに来るのに感心した」「トイレには予備のトイレットペーパーも置いてあって、とにかくキレイ」「北海道での景色や体験が素晴らしかった」「交通費が高い」といった感想が聞かれました。

また、日本人に対しては、「勤勉でまじめな性格」「フレンドリーで親切」「礼儀正しい」などの印象を持った学生が多く、「中大生との交流がとても楽しかった。もっと日本のことを知りたい」「日中両国の誤解が解けるように中国人にもこの素晴らしい経験を伝えたい」「本当の交流は互いに尊重し合って理解することだとわかった」などと結びました。 

その後は、立食形式の懇親会が開かれ、日本での最後の時間を楽しみました。

1カ月間の来日プログラムを終えて

上海理工大学国際交流センター 主任幹事、博士 田偉

来日するのは今回が2回目です。中央大学に訪れて驚いたのは、その研究力の高さ。学生の研究力向上を重視しており、知識だけでなく、想像力の養成にも力を入れていることに感心しました。また、日本は資源リサイクルが盛んで環境への意識が高く、中国人が学ぶべきことだと思います。ただ、危惧していることは、4年連続で日本の総人口が減っており、少子高齢化が進んでいることです。これは労働力不足の問題をもたらしました。できるだけ早く解決すべきだと思います。日本と中国は昨年、国交正常化40周年を迎えました。今後、ますます日中両国の友好な交流が盛んになることを願っています。とくに若者同士の交流は重要で、大学の役割も大きいと思います。上海理工大学と中央大学との交流もより深く、長く続くことを祈念します。

上海理工大学准教授 日本文化交流センター執行主任 何偉銘

この1カ月間のプログラムでは、様々な方々の尽力によって、参加した学生たち全員が素晴らしい体験をすることができました。本当にありがとうございました。日本と中国の関係は、単に2国間だけでなく、世界から期待されているものです。未来を担う若者たちの平和と繁栄のために、今後も共に汗を流し、共に笑いあい、共に生きましょう。中大生の上海理工大学への訪問も心からお待ちしております。本学の学生たちも楽しみにしています。