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グローバル・パーソンを目指す中大生 vol.004 福島 開人さん

すべてが新鮮で驚きの連続

私にとって、今回のアイルランドへの留学は、何もかもが初めての経験だったので、すべてが新鮮で驚きの連続でした。街並み、人々、景観、文化すべてが日本とは大きく異なり、日本では決して経験できないことばかりでした。広い空、壮大な自然風景の数々、路上のストリートパフォーマー、独特の味を持ったアイリッシュミュージック、アイリッシュパブで出会った気さくな人々、ボランティアで一緒だった人々のアイルランドに対する自然観など、毎日が驚きと感動に溢れていました。

とくに驚いたのは、「文化の違い」でした。まず、アイリッシュの人々のフレンドリーさ。道を歩けば、「学生かい? どこか探してるの?」と声をかけてくれ、パブでは楽しい話や音楽を聞かせてくれました。日本人は見知らぬ人間に話しかけるなんてことは滅多にしないので、最初はとても驚きましたが、今ではそんなアイリッシュの人々が大好きです。

アイルランドに着いて最初の難関は無事に滞在先のホストハウスまで辿りつけるかどうかでした。初の海外渡航で右も左もわからないまま入国審査や飛行機の乗り継ぎ、ゴールウェイ行のバスを探したり等、ホストハウスにたどり着くまでずっと緊張していたのを覚えています。道中、いろいろな人が手助けをしてくれたおかげで無事に到着することができました。「意外と何とかなるもんだな」と少し自信もついたので、この苦労もよい経験だったと思います。

もっとも自分の中で印象的だった出来事は、環境保全のボランティアに参加したことでした。森を育てるために、若木の周りの雑草を取り除いてその成長スペースの確保、農園の手入れといった活動を行いました。参加者の人や役員の方との会話を通して、アイリッシュは本当に自然が好きな人が多いのだなと実感しました。中でもクライアントの農園のおばあさんのアイルランドの自然観のお話はとても考えさせられました。アイルランドの美しい自然はこうした人々が土台となって、感動的な景観を維持しているんだと感じました。

今回の留学で私が実感したのは、自分は思っていた以上にたくさんの人に支えられているのだということでした。家族や親戚、ご近所さんや大学の先生方、たくさんの友だちが自分のことを気にかけてくれていて、常日頃からお世話になっているのだと改めて認識しました。私は、法学部の「やる気応援奨学金」の助成を受けて今回留学することができましたが、この奨学金もOB・OGの方々の支援から成り立っています。こうした人々の期待と援助を実感することができたおかげで、気を引き締めてメリハリのある留学生活を送ることができました。今後もこのことを忘れずに、さまざまなことにチャレンジしていきたいです。

もうひとつ実感したのは、英語に対する考え方の変化です。英語はただの科目ではなく、理解のための道具だという認識に変わりました。私はこの留学を通してたくさんの素敵な友だち、恩師と出会えたことをとても嬉しく感じています。今まで、外国人の人を見ると、やはりどこか境目を作ってしまう自分がいました。しかし私は今回の留学を通して、英語がその境目を取り払ってくれることがわかりました。英語という共通点で会話をし、理解しようと努力することができました。

英語力に加え「度胸」も身につく

初の海外渡航に加え、実家暮らしの私は、1カ月以上家族や友人と離れてひとりで生活するという経験は初めてのことでした。出発前はただ不安が募るばかりでしたが、アイルランドで生活する中で、「せっかく最高の機会をもらえたんだから、できることは全部やってしまおう!」と開き直って積極的に行動できるようになりました。

語学学校ではさまざまな国籍の人々が集まり、英語を学んでいます。しかし、私はただ英語を勉強するだけではもったいないと思いました。頭で考えるだけでなく、世界を肌で感じることも大切だと考えました。そこで私は、さまざまな人と接し、さまざまな場所へ行き、さまざまな活動に参加することにしました。その甲斐あって、私はアイルランドだけでなく、さまざまな国の文化、価値観に触れることができ、かけがえのない時間を、異なる国の友人たちと過ごすことができました。こうした思い切って行動する度胸が、今の私に充実感を与えてくれたのだと思います。

また、「やる気応援奨学金」の応募の準備過程を通じて、物事を計画的に進める力と行動力も身につきました。自分の目的のために、今何をしなければいけないのか、自分に何が求められているのか、また逆に何を抑えなければいけないのかを考え、実行することができるようになりました。そういった意味で、私にとって「やる気応援奨学金」は、すべてが私の成長する糧となりました。

もっと日本についての知識を深めたい

今回の留学で、これを機にやってみたいということはとてもたくさん見つけました。しかし、もっとも強く感じたのは日本についての知識を深める、ということです。

日本人は他国の人に比べて自分の国のことを語ることができないと思うことがとても多くありました。 私もその時持っていた知識だけでは、彼らに十分なことを語れませんでした。それがとてももどかしかったです。彼らは自分の故郷、国の長所をとても誇らしげに語ります。私も彼らとそんな風にもっと自国の文化について語り合いたいと思いました。ですから、これからもっと日本の伝統文化や歴史、政治について触れていこうと思っています。もちろん、コミュニケーションのために英語の勉強も忘れないつもりです。TOEICを定期的に受験したり、外国の友人とのEmailのやり取りを続け、モチベーションを高く持っていきたいです。

今回の留学は、準備を始めた段階では実現するとは思っていませんでした。英語でのES提出、自分で計画をすべて練る、というところで断念する人が多いように思います。しかし、すべては自分の熱意があれば何とかなるということを学びました。熱意さえあれば周りの人が助けてくれます。自分でも足りない力を補おうと努力することができるのです。この「やる気応援奨学金」で何よりも必要なのは、「やる気」だと実感しました。私は、これから一歩踏み出すことをためらっている人たちの背中を押してあげたい。ES提出のアドバイスや、私の経験を彼らに話したりするなどして少しでも力になりたいです。もっとこの奨学金をみんなに積極的に活用してもらうためのサポートをしていきたいです。