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グローバル・パーソンメッセージ vol.003 宮崎 亜巳さん

日本の経済情報を世界へ即時発信

私がロイターに入社したのは1992年のこと。大学卒業後、英字新聞「ジャパンタイムス」の社会部記者としてキャリアを積んだ後、転職しました。

現在は、国内の投資家や海外の英文メディアに、日本の金融市場や財務省、日本銀行などの情報を発信しています。とにかく早さが命の仕事ですから、たとえば財務省で経済指標が発表された場合には、記者から即時に内容を伝える電話が入るので、それを原稿に落とし込み、3秒くらいで世界へ配信するといった、日々ものすごい緊張感の中で業務をこなしています。また、デスクという立場上、30人程度いる記者たちへの指示出しや、翻訳記事の原稿チェックも行っています。

ロイターでは、入社以来ずっと経済畑を歩んできましたが、一時期、政治担当をしていたこともありました。ちょうど小泉純一郎首相のときだったので、官邸の記者クラブはいつになく沸き立っていました。政治記事は私ひとりで書いていたため、ロイターがどう書くか、世界が注目しているということもあって、やりがいがあった半面、責任もひしひしと感じました。首相に伴って、カナダやバンコクなどのサミットにも同行しましたが、これも印象深い体験のひとつです。世界各国からロイターの記者が集まって1つのブースを作り、それぞれの国の首脳をカバーしていたので、普段なかなか会うことのできないロイター記者たちと交流を図ることができ、とても楽しかったです。

大学は知の宝庫。最大限に活用を

そもそも私が記者になろうと思った理由。それは、高校時代にアメリカに留学したときの体験が大きく影響しています。当時、私が接したアメリカ人は、日本のことを「Part of Korea?」「Part of China?」とたずね、日本がひとつの国だということすら知りませんでした。そのことに愕然とし、もっと日本のことを海外に伝える仕事がしたいと思ったのです。

そこで大学時代には、文化連盟の中央大学新聞学会に入部。記者としての素養を磨きました。その活動の中でとくに嬉しかったのは、私が書いた男女雇用機会均等法に関わる記事を、経済学部の佐藤清先生の授業で取り上げてもらえたことです。「実はこの記事、私が書いたんです」と先生に伝えたところ、先生と親しくなり、大学院生中心のフランス語で本を読む勉強会に参加させてもらえることになりました。学部よりもワンランク上のアカデミックな勉強がとても刺激的で、モチベーションがかなり上がったのを覚えています。

大学は、レベルの高い学者や専門家が集まる知の宝庫です。学生時代にどっぷりと大学に浸かり、自らいろいろな先生方に働きかけて、有意義な時間を過ごしてください。