ダイバーシティセンター

「中央大学ダイバーシティ推進×ハラスメント防止啓発ウィーク2022」を開催しました

2023年01月13日

「中央大学ダイバーシティ推進×ハラスメント防止啓発ウィーク(Chuo Diversity Week)」は、ダイバーシティ推進とハラスメント防止啓発について理解を深める機会として、毎年秋に開催されています。第5回目の本年は、11月11日から11月21日の11日間、コロナ禍によるオンライン開催を経て2年ぶりの対面(一部ハイブリッド)開催となりました。

2022年のテーマは「Safe Campus, Safe Space」。一人ひとりが安心して過ごせる場所、お互いを尊重しながら学び成長できるキャンパスは、どうしたら実現できるのか。多種多様な企画が提示する現在の課題と今後の可能性、そして皆様との対話を通して今後のキャンパスづくりを考える良い機会になりました。

全11企画(展示含む)を通して学内外から300名を超える方々に参加いただくことができました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

各企画については以下をご覧ください。


*広報室GO GLOBALのサイトに特集記事が掲載されていますので、以下もぜひご覧ください。

映画『 FLEE フリー 』上映会・スペシャルトーク
~ Chuo Diversity Week 2022「Safe Campus, Safe Space」~

【トーク&ワークショップ】 なぜ大学生の私が立ち上がったのか  ~ Chuo Diversity Week 2022「Safe Campus, Safe Space」~

留学生による企画「学部留学生×ダイバーシティ」
~ Chuo Diversity Week 2022「Safe Campus, Safe Space」~

中央図書館 特別展示「差別に対抗する『知』特集」
~ Chuo Diversity Week 2022「Safe Campus, Safe Space」~

11/14 身近な人間関係に潜む暴力と警戒すべきサインを知ろう!

NPO法人女性ネットSaya-Sayaから講師として野本美保さんと橋本惠子さんをお招きし、「身近な人間関係に潜む暴力と警戒すべきサインを知ろう!」を開催いたしました。

最近ニュースでも話題になっている「グルーミング」という概念など、被害加害を防いでいくために知っておくべき知識を得る機会となりました。

11/14 映画『FLEE フリー』上映会・スペシャルトーク

『FLEEフリー』は、実話に基づいた長編アニメーション映画です。アフガニスタンからデンマークへと幼い頃に難民として逃れた1人のゲイの青年の物語を通して、世界における紛争の歴史、難民となること、同性愛者として生きることなど、多くのテーマを含み、さまざまな映画祭で高く評価されてきました。
今回の上映は、映画を通じて人のつながりとセーフスペースづくりを目指す「ノーマルスクリーン」代表・秋田祥さんの講演を挟み2回行いました。

終了後のアンケートでは「普段触れる機会が少ないテーマだったので勉強になった」、「アニメーションからイメージする内容とは異なり新鮮だった」などの声をいただきました。秋田さんのスペシャルトークでは「アニメーションとドキュメンタリーの組み合わせはこの作品に限らず、一つの手法として定着しつつある」というお話もあり、映画や映像作品の奥深さや表現方法の可能性を感じました。また、秋田さんから移民・難民をテーマにした他の作品の紹介、ノーマルスクリーンの活動、セーフスペースづくりの意義とその難しさについてもご講演いただき、参加者にとっても、ダイバーシティセンターにとっても今後に繋がる機会になりました。
 

11/17 学部留学生×ダイバーシティ

学部留学生の日本語の授業(合同クラス)の一環として、留学生が企画するイベントを開催しました。企画を主導し、司会を担当したのは韓国出身で経済学部2年生の鄭承柱(ジョンスンジュ)さんです。留学生以外の学生も参加し、留学生との交流の場ともなりました。

中国で有名なアイスブレイクの一つ「私が持ってるけど、君は持っていない」というお互いの経験や持っているものを紹介しあうゲームをしたり、日本の学生生活についてディスカッションをしたり、どのグループも話が盛り上がり、時間が足りないほどでした。

11/17 なぜ大学生の私が立ち上がったのか

大学生によるアクティビズムを考えるこのイベントでは、まず、特に人種や民族に関するヘイトに対して声をあげる団体「Moving Beyond Hate」を大学生として立ち上げたゲストのトミー長谷川さんから、なぜ団体を立ち上げ、どのような活動を展開してきたのか、いかなる課題が見えてきたのかを伺いました。続いて、学生新聞などで情報発信に取り組んでいる、中央大学文学部2年生の朴泰佑さんにご登壇いただき、ご自分の活動の紹介と、深く・そして向き合って「知る」ことの重要性について講演いただきました。

後半は、参加者同士がグループになりディスカッションを行い、「本日のトークで大切だと思ったこと」、「Safe Campus, Safe Spaceづくりに大事なこと」などについて話し合った結果を発表しました。「相手を否定しない」、「かかわりを増やす」、「全員が問題を知っている環境」などの意見が共有され、これからの大学や社会がいかにヘイトの問題を超えられるのかを考える機会になりました。

11/18 ユニバーサルデザイン・バリアフリーマップの設計思想と建築計画

東京大学で建築学のご研究をされている研究者の松田雄二さんを講師にお迎えし、様々な大学でどのようにバリアフリーの取り組みがされているかを、豊富な事例とともにご紹介いただきました。中央大学では今まさにバリアフリーマップの改訂に取り組んでいます。これから新しく都心キャンパスのマップも作成していく上で、おおいに参考になる貴重なご講演でした。

11/19 Safe Space, Safe Home, Safe【 】

若手卒業生の同窓会である白門一新会との共催企画です。今年のゲストはトランスジェンダーであることを公表している杉山文野さん。杉山さんは、パートナーの女性と、ゲイであることを公表している友人の松中権さんと3人で、2人のお子さんを育てています。そんな家族の姿を映したドキュメンタリー「カラフルファミリー2」を鑑賞した後、杉山さんと質疑応答や意見交換をしました。家族のあり方を通して、参加者一人ひとりにとっての「Safe Space」がどんなものかを考える時間となりました。

11/21 犯罪被害防止講習「それで大丈夫!?DV、痴漢、ストーカー対策」

東京都都民安全推進部から森山奈央美さんに講師をお願いし、犯罪被害防止講習「それで大丈夫?! DV、痴漢、ストーカー対策」を開催いたしました。
講習会では、DV、痴漢、ストーカーに対する具体的な対処方法だけでなく、Iメッセージを使った断り方や、暴力への基本的な対処方法(NO、GO、TELL)についてお話しいただきました。

11/21 ストリートハラスメントにみんなで立ち向かうためのトレーニング

Get Up Japanが提供するハラスメントへの介入プログラム(L'Oréal Paris、NGO団体Right To Be協力)のトレーニングを受けたVoice Up Japanのメンバー、小野関友佳さん(中央大学理工学部4年)、佐藤大斗さん(中央大学理工学部4年)が講師を務め、ワークショップを開催しました。ハラスメントを自分や他の人が経験した時、どう行動して立ち向かうかを5Dという方法を通じて身につけるプログラムで、前半は講義、後半はグループになってディスカッションを行いました。

ハラスメントへの対処の方法を5つ教わった後に、グループで実際のシチュエーションを想定して何ができるかを話し合いましたが、各グループから実に様々な対処法が考え出されました。「対応の方法に正解はなく、選択肢を多く持てることが重要」という講師の言葉通り、今回のワークショップを通じて参加者はその選択肢を増やすことができたのではないでしょうか。
 

【展示】「トランスジェンダーのリアル」

トランスジェンダー当事者の「リアル」な姿を知ってもらうための冊子をもとにしたパネル展示を、図書館一階にある展示スペースで行いました。LGBTQという言葉が一般的になっても、未だに当事者の実際の姿を無視した差別が社会に存在する中で、トランスジェンダー当事者一人一人の物語に注目してほしいと企画しました。

冊子「トランスジェンダーのリアル」についてはこちらをご覧ください。
冊子はダイバーシティセンターでも配布しておりますので、ご希望の方はぜひお立ち寄りください。

なお、同時開催で、ハラスメント防止啓発支援室によるパネルも展示いたしました。ハラスメントの加害者にならないためにできること、被害にあった場合の対応についてまとめています。ハラスメント自体は誰にとっても無関係なことではありませんが、とりわけトランスジェンダーをはじめとするマイノリティ性がある人たちにとって重要な問題の一つです。同時開催することでパネル展の意義が深まりました。

【展示】差別に対抗する『知』特集

図書館2階展示スペースでダイバーシティをより深く学ぶための書籍を集めて展示しました。「差別に対抗する『知』」というテーマには、一人ひとりの学びから差別のない社会を実現してほしいという願いが込められています。障害、ジェンダー・セクシュアリティ、グローバル/ダイバーシティ、その他今年のウィークのイベント関連書籍など、様々なトピックの書籍をあわせて約70冊ほどの展示となりました。

本展示のブックリストはこちらをご覧ください。

【特別企画】徹底解説!『教職員のためのジェンダー・セクシュアリティに関するガイドブック(配慮と対応)』

ダイバーシティセンターが2022年4月に発行した『教職員のためのジェンダー・セクシュアリティに関するガイドブック(配慮と対応)』を題材に、ジェンダー・セクシュアリティ領域コーディネーターの小川、三宅が教職員向けの解説動画を作成し、オンラインで配信しました。また、動画を視聴した教職員向け「おはなし会」を企画し、動画への質問や業務に関する相談を中心に懇談の機会を設けました。複数人の教職員に参加いただき、日頃の何気ない疑問から今後の取り組みの方向性まで幅広く意見交換ができました。

配信した解説動画はこちらからご覧ください(全学アカウントにログインが必要です)。
(パスワード:jGkDbmk9)
*2023年3月31日まで配信予定

本年のウィークにご参加くださった皆様、また、参加はできなくても関心をもってくださった皆様、誠にありがとうございました。
ダイバーシティセンターおよびハラスメント防止啓発支援室では、今後も啓発のためのイベント等を開催していきます。
ぜひご期待ください!