ダイバーシティセンター

DCTとSALPの共同イベントを開催しました

2022年10月28日

Diversity Creator Teamと法学部独自のプログラムであるシドニーアクティブラーニングプログラム(SALP)の2020年メンバーが、「オーストラリアの人権とダイバーシティを学んでSafe Spaceについて考えよう」というテーマの下、共同でイベントを開催しました。

 

オーストラリアに関するSALPメンバーのリサーチ発表を通して、参加者と共にSafe Space(居場所)について考えました。今回はDCT・SALPメンバー含む21名が参加してくれました。

ディスカッションの時間では、参加者の皆さんが自身の経験と結びつけてSafe Spaceに関する考えを共有してくださり、SALPメンバーにとっても新しい発見が多くありました。

 

以下、リサーチ発表者の感想を掲載します。

【リサーチ発表者の感想】

 

寺迫詩予 テーマ「難民にとってのSafe Spaceとしてのコミュニティー」

私は、コミュニティーの例として、「ビロエラコミュニティー」や「Refugee Art Project」、「Community Kitchen(SSI)」を挙げました。これらのコミュニティーでは、食事と文化交流を通じて、難民と地元住民、そして難民どうしの関係性が築かれています。その上で、難民が自分のアイデンティティである食や文化を共有することが出来る場所が、Safe spaceであるということを紹介しました。

 ディスカッションの際には、国際寮において食を通じた交流が行われていることや、学生の方が難民に関して自国若しくは他国で見聞したことなどを知ることができ、視野が広がりました。また、オーストラリアのお菓子を食べながら話すことで互いに緊張を和らげることができ、「食」が人々を繋ぐことを実感しました。

 

神村実紅 テーマ「ジェンダーセクシュアリティとSafe Space」

私はオーストラリアと日本の同性カップルが直面する家族制度を比較し、法制度におけるSafe spaceについて紹介しました。また、「Mardi Gras」というLGBTIQ+の方々のアイデンティティを祝う祭典や、同性婚が認められる前に公開された「Gayby baby」という映画を紹介し、当事者のアイデンティティを祝い、社会的に認知させることはSafe space に繋がることを共有しました。一方で、当事者ではない人が味方であることを示し、当事者のアイデンティティを守るSafe spaceも重要であることを共有しました。

ディスカッションの際には、国際寮を利用している学生から他国のジェンダーセクシュアリティの現状を学ぶことができ、日本は発展しているのになぜ同性婚が認められないのかという疑問や、それに対するそれぞれの見解などを聞くことができました。

 

若井敬佑 テーマ「先住民族とSafe Space」

私は、“Tribal Warrior”という地域コミュニティーや、“Uluru Statement from the Heart”と呼ばれる声明文を紹介しました。前者はスポーツを通じて、後者は先住民の文化、歴史を通じて先住民と非先住民がお互いに尊重できる社会を作っている画期的な例です。

ディスカッションの際には、プレゼンへの感想や自身の経験と照らし合わせたsafe spaceのエピソード、オーストラリアの留学生が先住民に関する最新情報を教えてくれました。私はsafe spaceを文化の違いによる差別、不平等がなく誰もが尊重される空間だと考えています。今回のイベントでは、参加者が自由に話せる空間Safe Spaceが作れたと思います。

 

田上穂音 テーマ「移民・難民の子ども若者へのSafe Space」

私はコミュニティハブという難民・移民の子どもと母親に語学学習や地域への取り込みを行う組織や、多くの移民・難民の生徒が通うカブラマタ高校などを紹介しました。Safe Spaceとは人々が集まり、繋がり、経験や物語が共有される場だと私は考えています。その場において、多様な価値や文化への理解、コミュニティーへの取り込みと強化などが行われると考えています。

ディスカッションの際には、私自身もオーストラリア出身の生徒から、コミュニティハブやカブラマタ高校について話を聞き、日本語のクラスが多くの留学生の学内の居場所になっていることを知るなど、safe spaceへの考えを深める貴重な機会となりました。

Diversity Creator Teamのメンバーズ今川陽斗と張 可祺が企画に参加しました。

 

【Diversity Creator Teamメンバーズの感想】

 

今川陽斗 (商学部1年)

今回のイベントは、Safe Spaceについて考える活動を行っているSALPと、留学生と日本人の学生が気軽に話をすることが出来る場所を作ろうと考えているDCTのコラボイベントとして行いました。「食」や「スポーツ」などを通してお互いに打ち解けたオーストラリアでの出来事に関するリサーチの発表をSALPの方々にしていただき、今後DCTで「居場所」を作っていくうえでとても参考になりました。

 

張 可祺 (経済学部3) 

参加したテーマは「難民にとってのSafe Spaceとしてのコミュニティー」と「移民・難民の子ども若者へのSafe Space 」です。 今回のイベントで、SALPメンバーのリサーチ発表を聞いて、オーストラリアの難民のことを知り、難民にとってのSafe Spaceの意味を学びました。そして、グループごとにディスカッションをして、みんなと一緒に「オーストラリアの人権とダイバーシティを学んでSafe Spaceについて考えよう」というテーマについて考え、勉強になりました。

 

 

今回SALPが法学部のプログラムという枠から飛び出し、これまで学習を実践に移せたことを嬉しく思いますし、今後もDCTやSALPが包括的で、強固な学内の環境づくりに貢献していければと思います。