ハンドボール部

ハンドボール部・春季関東学生ハンドボールリーグ戦対筑波大

2017年05月15日

5月13日 国士舘大学多摩体育館

激戦はラストプレーの名冨弾でドロー決着

 

 正真正銘の「ガチンコ勝負」(玉栄悠主将・文4)だった。優勝には勝利しかない中大は、現在リーグ2位の筑波大と対戦。筑波大は日本代表の徳田が代表合宿から復帰し、中大もけがで戦列を離れていた佐野利器(法3)がベンチ入りと、互いにベストメンバーで挑んだ一戦となった。中大のリードで一進一退の攻防を繰りひろげるも、終盤に逆転される。しかし1分半で2点のビハインドを追い付き、意地と意地のぶつかり合いは同点で決着。実方監督は「こんなもんかな」と戦いぶりに納得の表情を見せた。

 

同点弾後の選手たち

 

 先手を取ったのは筑波大。試合開始1分も経たないうちに、徳田からポストに通され先制される。中大も負けじとポストの佐藤龍亮(法4)の得点で追い付くと、守備でしのぎ、北詰明未(商3)の得点でリードを奪う。得点力と得点力がぶつかり合い、16-16というハイスコアの前半。「うちの攻撃の良さはふんだんに出た」(実方監督)が、「相手に同じパターンでやられすぎた」(北詰)。フィジカルで押してくる相手に力負けすることが多かった。

 

名冨。同点弾だけでなく決定率の高さも光った。

 

 守備の修正を話し合い迎えた後半は「展開が動かなくなった」(中野尚・法4)。開始2分で2点リードとし、守備でしのぐ場面も増えるが攻め手を欠いた。それでもリードは守り続けていたが、連続得点を許し後半残り3分で2点のビハインドを負う。「筑波の地力から見て追いつくのも厳しいと思った」(玉栄主将)というが、その玉栄主将の「ラッキー」なステップシュートが決まり追撃態勢に入る。その後得点を許したが、28分30秒、中野のゴールで再び1点差。相手選手の退場で数的有利をつくり出した。次の守備機会で守り切り、残り時間20秒で攻撃のラストチャンスを迎えた中大。最後に決めたのは「調子も良くて自信もあった。いつボールが来ても問題なかった」という名冨光輝(商2)だった。「しびれましたね」と北詰。互いに譲らぬ接戦はドローで終えた。

 

北詰の7mスロー。エースの活躍を見せた。

 

 この結果で中大の優勝は消滅したが、新チーム発足からの成長と可能性、そして課題は選手も肌で感じている。「チーム力。きつい時間帯に声を掛けたりすることをベンチも応援も全員で共有できるようになった」(玉栄主将)。徳田とマッチアップもあった北詰は「スピードもパワーも一枚上手。自分もそのレベルになれるように頑張っていきたい。良い目標」とモチベーションを高める。一方で課題はディフェンス。「秋は筑波大を25~26点に抑える守備力を付けたい」と実方監督。次戦は明大。「燃え尽きないように。今日のような試合ができれば勝てる」(玉栄主将)。残り2戦となった春リーグ。秋リーグ、そして集大成のインカレと、今後につながる戦いを見せる。

 

◆試合結果

中大29(16-16、13-13)29筑波大

 

◆コメント

実方監督

「相手の全日本選手、徳田が代表合宿から復帰して、うちも佐野が復帰してお互いベストメンバー。持ち味をふんだんに出した試合だった。1点差で勝ちたかったところでしたが…。100パーセントをお互いが出したら同点かどちらかが1点差で勝つような相手。こんなもんかな、と。中大は全員で攻めるチームだから、誰か1人調子が悪いと崩れちゃう。そういう意味では今日は6人全員が良かった。明日負けたら先につながらないんで。勝てる相手には絶対勝ちます」

 

玉栄主将

「大きく振り返ると、ずっとリードしていたので勝ちたい試合ではありました。勝負所でシュートが決まらないのは課題だけど、そこで今日は守れたのが成長。筑波の地力から見て追いつくのも厳しいと思ったが、自分のラッキーなシュートが決まって、最後追い付けた。チームとして大きいと思う。リーグ戦で成長したのはチーム力。きつい時間に声を掛けたりすることをベンチも応援も全員で共有できるようになった。目標は春リーグ4位以上。そのためには明日落とせない。燃え尽きないように明日もこういう試合ができれば勝てる。気持ちですね」

 

中野

「全体を通して悪い流れの時も自分から声を上げることができた。後半には守備も修正できていたと思います。後半に展開が動かなくなったのが課題。緊張していて、取り返しのつかないミスだけはしないように気を付けていた。でも試合自体は楽しかったしプレーしていておもしろかった。今日は流れも雰囲気も良かったので明日は継続して勝ちにいきます」

 

北詰

「前半同じやられ方をしていたが後半修正して1点勝負に持ち込めた。負けなかったのは良かった。最後のゴールはしびれました(笑い)。本当に今日は名冨に助けられましたね。徳田さんはスピードもパワーも一枚上手。自分もそのレベルになれるように頑張っていきたい。良い目標です。明治大は昨年度のインカレで負けている相手なので、絶対勝ちたいです」

 

名冨

「勝負どころは常に意識しているので、パスが来た時全く怖くありませんでした。調子も良くて自信もあったし、心の準備もできていたのでいつボールが来ても問題なかった。偶然試合終了と同時に同点ゴールを決めただけです。昨年のインカレで1年ながらベンチに入った。その経験があったから堂々と今プレーできていると思う。明日も自分のサイドにボールが来ると思っている。勝負どころを意識して頑張ります」

 

記事・写真:「中大スポーツ」新聞部