軟式野球部

軟式野球部 第36回東日本学生軟式野球選抜大会決勝対朝日大

2015年12月02日

11月24日 八王子市民球場

6年ぶり3度目 東日本の頂点へ

 愛学大を下し、決勝の舞台まで勝ち進んだ中大。決勝の相手は朝日大だ。ここ2試合はロースコアの展開を勝ち抜いてきた中大だったが、この試合は小刻みに得点を重ねた。結局7得点を挙げ、6年ぶりに東日本の頂点へ駆け上がった。

最後の打者を打ち取り、ガッツポーズする青柳と姫嶋

▲最後の打者を打ち取り、ガッツポーズする青柳と姫嶋

 普段は人影まばらなスタンドが、中大の応援で埋め尽くされた。優勝を懸けた大一番に、中大の応援団が詰めかけた。この試合が現役最後となる3年生の選手たち。応援団の大声援を背に受けながら「言葉どおり完全燃焼しよう」(藤野正豪・商3)と試合に臨んだ。  中大の先発は福永康(文3)。初戦を完封し、前日も救援で2回を投げていた。それでも、エースは渡邉友徳主将(文3)に「(試合の)真ん中から投げるのは青柳(達郎・法3)の方が上手い。先発で行かせてほしい」と先発のマウンドにこだわった。福永は初回をわずか4球で終え、チームに勢いを付ける。

 リーグ戦では試合終盤に強さを発揮した中大だったが、2回から試合が動く。先頭の藤野が四球を選ぶと、姫嶋和樹(商2)が左翼へ適時打を放ち先制。3回には失策でさらに1点を追加し、序盤から中大のペースに持ち込む。

5回、適時三塁打を放ちガッツポーズする藤野

▲5回、適時三塁打を放ちガッツポーズする藤野

 5回に1点を失った福永。しかし直後に藤野が「何も考えず振りぬいた」と適時三塁打を放ったのを皮切りに、6回は安慶名庸(法3)が適時二塁打を放つ。7回に姫嶋がダメ押しの2点適時三塁打を放って7-1となり、中大が大きくリードした。

 福永は7回に内野安打2本で無死一、二塁のピンチを迎えるが、併殺と三振に打ち取り無失点。6安打を浴びながらも1失点に抑える貫禄を見せ、青柳に後を託した。  「楽しく投げられた」と青柳。最後の打者を遊ゴロ併殺に打ち取り、6年ぶり3度目の東日本を勝ち取った。

 リーグ優勝を果たした後の取材では、「胴上げは東日本まで取っておいてくれと頼みました」と話していた岩崎監督。「有言実行できて良かった」と何度も宙に舞った。  来年度の春季リーグ戦は全日本大会への出場が懸かった争いになるが、上級生が果たせなかった「全日本優勝」という目標を達成できるか。新たな戦いが始まった。

◆試合結果◆

朝日大=000 010 000=1

中 大=011 102 12x=7

◆大会結果◆

①中大②朝日大③愛学大、愛大名古屋

最高殊勲選手賞:安慶名庸(法3)

最優秀投手賞:福永康(文3)

最高助演賞:村上友里(経3)

3年生コメント集

渡邉友徳主将(文3)

▲決勝戦の朝日大戦では代打で出場し、二塁打を放った

▲決勝戦の朝日大戦では代打で出場し、二塁打を放った

 主将に就任してからは、自分が弱い面を見せないようにだとか、諦めない姿勢を絶対見せるとか、チームで一番声を出すとかそういうところを意識してきた。正直、負けるイメージはほとんどなかった。

安慶名庸(法3) 最高殊勲選手賞

チーム不動の3番・二塁。今大会の最高殊勲選手賞を受賞した

▲チーム不動の3番・二塁。今大会の最高殊勲選手賞を受賞した

 2年生のときに2部に降格してしまって先輩方に申し訳なかった。最後に優勝して恩返しできたのかなという気持ち。2部でやっていたぶん、最後東日本で優勝できて喜びは大きかった。

関祐介(文3)

守備位置でも、打席でも常に声を出し続けた。闘志あふれるプレーが魅力

▲守備位置でも、打席でも常に声を出し続けた。闘志あふれるプレーが魅力

 高校のときは(甲子園まであと1勝の)準優勝だったから、優勝旗を持って嬉しいの一言しかない。3年間あっという間だった。リーグ戦最後の3試合からは中大に流れが来ていたと思う。

小川智也(経3)

今季は学生コーチとして活躍。ノッカーやランナーコーチャーの裏方に徹した

▲今季は学生コーチとして活躍。ノッカーやランナーコーチャーの裏方に徹した

 みんな仲が良く言いたいことを言える関係性だったのが、チーム全体の力を上げたきっかけだと思う。学生コーチで終わったけれど、15年間野球をやってきた悔いはない。

小西崚太郎(法3)

5月29日の埼学大戦で初安打と初打点を記録するなど、現役最後の年に意地を見せた

▲5月29日の埼学大戦で初安打と初打点を記録するなど、現役最後の年に意地を見せた

 優勝しチームの目標が達成できて嬉しかった。個人的にも2部の試合だが、安打が出たので良いシーズンだった。(同学年の)主将は常にどっしり構えていて頼りがいがあって、時に冷静な判断でチームを動かしていた。

青柳達郎(法3)

先発、中継ぎとフル回転。中大投手陣の一角を担った

▲先発、中継ぎとフル回転。中大投手陣の一角を担った

 本当は春季リーグ戦が終わった時に引退する予定だった。結局ここまでやったけれど、最後はマウンドにもいられたのですごく嬉しかった。後輩たちなら来年も結果を残してくれると思う。

石井貴大(商3)

打席に立つと、ベンチから石井の「井」をもじり「丼いっぱい!」と声が飛ぶほど。後輩からも慕われた

▲打席に立つと、ベンチから石井の「井」をもじり「丼いっぱい!」と声が飛ぶほど。後輩からも慕われた

 高校時代は打撃に自信があったが、軟式野球の難しさと常に戦ってきた3年間だった。それでも最後の試合で安打を打てて、今まで練習してきたことが最後は嘘をつかなかったので嬉しかった。

藤野正豪(商3)

一塁の守備位置に就く際は必ず一礼。決勝戦では適時三塁打を放った

▲一塁の守備位置に就く際は必ず一礼。決勝戦では適時三塁打を放った

 (リーグ優勝、東日本大会優勝は)一人ひとりの意識や気持ちが変わった結果。引退するけれど、後輩たちには何かしらの形でサポートしていきたいと思う。

福永康(文3) 最優秀投手賞

1年次から活躍してきた、押しも押されもせぬエース。冷静な投球でチームに貢献した

▲1年次から活躍してきた、押しも押されもせぬエース。冷静な投球でチームに貢献した

 言ってしまえば(東日本大会優勝は)最低限という感じだが、結果を出せたのは本当に良かった。メダルをもらった瞬間はさすがに安心した。

千葉貴瑛(文3)

秋季リーグ戦は本塁打を量産。豪快な打撃でチームの危機を何度も救った

▲秋季リーグ戦は本塁打を量産。豪快な打撃でチームの危機を何度も救った

村上友里(経3) 最高助演賞

入部当初は唯一のマネージャー。ラストイヤーでリーグ戦と東日本大会の2冠を達成した

▲入部当初は唯一のマネージャー。ラストイヤーでリーグ戦と東日本大会の2冠を達成した

 野球部のマネージャーに憧れて入部した。最初は軟式野球部の看板を背負ってそのブランド力と戦っていたけれど、自分をいかに出していくのかが大事だと気付くようになった。後輩たちは伝統などを気にせず、自分たちらしくやってほしいと思う。

▲現役最後の大会を優勝で締めくくり、笑顔を見せる3年生の選手たち

▲現役最後の大会を優勝で締めくくり、笑顔を見せる3年生の選手たち

写真・記事:「中大スポーツ」新聞部