「中大スポーツ」新聞部
Cを背負う者番外編・自転車競技部
2017年09月04日
直井駿太(経3)
80点が100点になるとき
「自分は勉強で言えば全教科80点みたいな選手」。以前そう語った自転車競技部、直井駿太(経3)。良い意味で器用な彼だが、100点のものが無いがゆえになかなかレギュラーに食い込めない。昨年のインカレでは4㌔インディヴィデュアル・パーシュート(団抜き)のメンバーから外された。毎年春に行われる明治神宮外苑クリテリウム(以下神宮クリテ)でも、直井が所属するクラス2の優勝者だけがクラス1に上がることができるのだが、結果は2位、3位、2位と惜しくもあと一歩のところで及ばない。他大学からはシルバーコレクターと呼ばれた。
▲神宮クリテでの直井
しかし、今年春の神宮クリテで直井は表彰台の真ん中に立った。そこには監督からの言葉があった。「中大のジャージを着ている以上そこにプライドを感じてどんな小さな大会でも優勝を目指してこい」。頂点を経験し、少しずつ彼の中で何かが変わり始めた。
▲表彰台で笑顔をみせた直井
チームタイムトライアル大会の候補者、4人の中に直井の姿があった。他の3人は全日本のタイトルホルダー。直井の意気込みは半端なものではなかった。結果は余裕をもっての優勝。「やっと努力が報われた瞬間だった」。監督には「直井は渡り歩くのが上手い。何かとギリギリのところでやれてしまう。瀬戸際の魔術師だ」と言わしめた。とはいえ器用だけでは勝てない世界。彼の今後に期待したい。
▼直井駿太プロフィール
なおい・しゅんた 平成8年6月28日生 茨城出身 取手一高卒 175㌢
写真・記事:「中大スポーツ」新聞部