「中大スポーツ」新聞部
Cを背負う者番外編・バスケットボール部
2016年12月14日
八木橋直矢(総4)
背中で見せた4年間
「ただただ実力が足りなかった」。リーグ最終戦で敗れて1部との入替戦出場権を逃し、八木橋直矢(総4)は目を真っ赤に腫らしながら語った。
▲八木橋のゲームメイクは安定感抜群だった
春の関東トーナメントでは1部校を相手に互角以上にわたり合い、6位という好成績を収める。さらに新人戦では後輩たちが準優勝と、中大は目標のリーグ戦1部昇格へ順風満帆なシーズンを送っていた。そのチームの中心にいたのが主将を務めた八木橋だ。名門北陸高でも主将として全国ベスト4。中大に入学後も1年次からレギュラーの座を奪うと、司令塔としてチームを支えてきた。物静かなタイプだが、試合当日も午前中からシューティングに励むなど「誰よりも真面目に取り組んできた選手」(荻野コーチ)。背中で引っ張り、周囲からの信頼も厚い。
1年次に1部で戦うも2部降格。その後2年間は2部下位に低迷し、中大では常に悔しさを味わってきた。最後に1部を経験した八木橋の代が4年生となり「勝負の1年」と荻野コーチが位置づけていた今季。ついに集大成となるリーグ戦を迎えた。
▲ディフェンスのチームの中心的存在
チームは開幕7連勝と好スタートを切るも、その後3連敗と失速。それでも立て直し最終戦を残して入替戦圏内の2位をキープしていた。八木橋はガードとしても主将としても「チーム全員を見て、みんなを生かせるようなプレーを心がけ」チームに安定感をもたらし、苦しい時間帯でもチームを鼓舞した。
勝てば2位で入替戦出場、逆に負ければ3位に転落し引退となる最終戦。2部首位を独走していた大東大に必死に食らい付いたが、あと一歩届かなかった。最後は4年間共に過ごしてきた4年生の仲間とコートに立ち試合終了のブザーを聞いた。悔しい経験は最後まで喜びに変わることはなく、涙した。
フリースローを放つ八木橋
それでも、「大切な仲間と過ごせた4年間」をすがすがしい笑顔で振り返り「後輩はすごい選手がそろっているので、バスケットの部分は言うことない」と1部昇格への思いは後輩に託した。頼れる主将のその背中は、確実に後輩たちの心に刻まれている。
八木橋直矢プロフィール
やぎはし・なおや 平6年6月2日生 埼玉県出身 北陸高卒 176㌢・72㌔ バスケット歴・15年
▲苦しい時間帯は一人一人に声を掛けた(左から2人目)
今年度7月号から本紙紙面で始まった連載「Cを背負う者」。Web版でも番外編として、中大の名を背負っている選手たちを紹介していきます。
記事・写真:「中大スポーツ」新聞部