準硬式野球部
準硬式野球部 全日本学生準硬式野球選手権大会決勝 対日大
2014年08月21日
萩原主将サヨナラV弾!! 2年ぶり日本一
劇的な形で日本一を決めた。日大との決勝戦、2-2で迎えた延長11回裏に、先頭打者の萩原大貴主将(法4)が3球目をライトスタンドへ放り込み試合を決めた。8回に同点に追い付くと、6回途中から登板した木下愛(商1)が再三のピンチを凌ぎ流れを引き寄せた。中大の我慢強い野球が、2年振りの日本一を掴み取った。

延長11回裏にサヨナラ本塁打を放ちダイアモンドを一周する萩原主将
決勝の相手はリーグ戦から一番の好敵手として戦ってきた日大。今季のリーグ戦では2勝1敗と勝ち越していたが「リーグ戦と同じように戦うのではなく、これで最後という気持ちで戦う」(福澤開・商4)と、中大はこの試合に全てを懸けて臨んだ。
中大の先発は4連投となる小河原謙哉(文4)。「疲労はかなりあった」。初回、2回と三者凡退で切るも、3回に1死二塁から日大の先発である保母に適時打を打たれ、今大会初の先制点を許す。4回には犠打の処理の際、左足に肉離れを起こす。6回に先頭打者に中前安打を許したところで、池田浩二監督はエースの交代を決意した。「6回の前に『走者を出したら代える』と言っていた。立っているのもやっとだと判断した」(池田監督)。小河原は初戦以来の登板となる木下にマウンドを託した。代わった木下は「気持ちでどうにかしようと思っていた」と、安打を許すも後続を絶った。
その裏、1死から芝田泰樹(商2)に代わって代打に延田寛基(商4)が送られる。「延田は今大会のキーマンだと感じていた」(池田監督)。延田が中前に安打を放ち出塁すると、続く原田大輝(商4)も中前安打で繋ぎ、1死一、三塁を作る。ベンチの沸く中大に対し日大は守備のタイムを取る。その間、池田監督は続く打者萩原主将に「いざとなったらやるぞ」と耳打ち。萩原主将は2ストライクを取られてから三塁線にスクイズを決め、延田が生還し試合を振り出しに戻した。
同点に追い付いた中大だったが、直後7回表の日大の攻撃で二つの四球と安打で満塁のピンチを迎えると、1番の安藤に犠飛を許し再び1点を追う展開に。それでも8回裏1死から、延田のこの試合2本目の中前安打と原田の内野安打、さらに日大のパスボールで1死二、三塁とチャンスを作ると、萩原主将が今度は左中間へ犠飛を放ち再び同点とする。9回表には2死満塁のピンチを迎えるが、マウンドで池田監督から直接鼓舞された木下が力投し無失点で切り抜ける。11回表の2死二塁のピンチでも、日大の主将今駒が打ったレフトへの小飛球を左翼手延田がダイビングキャッチを決め追加点を許さない。我慢の場面が続いていく中で少しずつ中大に流れが傾いた。
11回の裏、先頭の萩原主将は「この回で決める」という気で打席に入った。2球目をレフトへファール。「初戦のタイムリーが影響しているように見えた」(池田監督)。思いっきり叩けと池田監督は萩原主将に伝えた。指示を受けた萩原主将は直後の内角直球を振り抜いた。勢いよく上がった打球はライトポール際のスタンドに突き刺さり、中大の日本一が決まった。勝負を決めた主将のサヨナラ本塁打に、中大ベンチ、中大側の内野スタンドから歓喜の声が上がった。萩原主将は一塁を回ったところで飛び出した仲間に向けて左手を突き上げた。
「最高です」。自らの一振りで日本一を決めた萩原主将は、ホームイン後涙を流しひざから崩れ落ちた。その後、観客席から校歌が響く中で、ベンチ前に並んだ仲間たちと抱き合った。「周りから今年は弱いと言われていた。はいつくばって、挑戦者として向かっていったのが最後に勝てた勝因」。最高の舞台で最高の結果を生んだ主将の男泣きが、今大会の厳しい戦いと、日本一を目指して取り組んできた一年間を物語っていた。
◆試合結果
123 456 789 1011
日 大 001 000 100 00=2
中 大 000 001 010 01x=3
◆大会結果
①中大②日大
写真・記事:「中大スポーツ」新聞部