航空部
連載第63回・航空部
2017年06月05日
連載第63回は航空部です!
風向きや天候など自然と戦いながら、日々活動している航空部。今回は、関口輝主将(理工4)、児玉七海(法3)の2人に航空部の活動、フライトの魅力についてお話を伺ってきました!
▲中大のグライダーの前に立つ関口主将(左)と児玉
――航空部に入部したきっかけは?
関口「小さい頃からの夢がパイロットだった。大学を選ぶときも航空部があるかないかで選んだ。言い方はかっこいいですけど、少しでも空に近づけるように、パイロットに近づけるようにと思い入部した」
児玉「私も、パイロットになるのが夢だったが、大学に入るときにその夢を一度は諦めた。大学では法律の勉強をしようと思っていたときに、航空部の看板を見つけて。これだったら勉強とも両立できるのかなと思い入部した」
――フライトの魅力は?
関口「自然を相手にしているので、毎回違う状況でフライトをする。以前上手くいったことが、今回は上手くいかなかったとか、毎回課題が見つかって。それによって視野が広がって、もっと自分が磨けるところ」
児玉「普段歩いているとき、(その人の)身長によって違うと思うんですけど。グライダーに乗れば、普段見ることのできない場所に自分の身を置けることが一番の魅力」
▲航空の魅力を語る関口主将
――航空部に入って大変だったことは?
関口「飛ぶこと以外の、部活を運営する苦労やみんなと一緒にやっていく苦労が多かった」
児玉「自分が飛んでいる時間と自分が飛ぶための準備、人を飛ばすための準備にかけた時間の比率を考えたら、自分が飛んでいる時間はその10パーセントにしかならないと思っていて。それがすごく今でも苦労していること」
――座学の勉強が大変と聞くが?
児玉「文系の学生がもともと多かった。力学的なことはもちろん理系の学生の方が得意。かつて理系の部員がいないときは大変だった。今は、関口先輩など身近に質問できる先輩がいるので、以前に比べて苦労はしないんじゃないかなと思う」
関口「理系の立場からすれば、文系の学生にないノウハウがあるという部分では楽なのかなと。ただ、入部したモチベーションも違うので、座学は全員には強制はしないようにしている。本気でやろうと思ったら難しくて、苦労をするかもしれないが、ただ飛びたいっていう人に関してはそんなに苦労しないかなと」
――風や天候に左右されることも?
関口「朝起きて、6時の段階では行けるかなと思って9時まで準備をしてみたら、視程(見通し距離)が足りなくて訓練ができないということもある」
児玉「風向きが変わると、出発する地点も変わってくる。準備をしているときは北風だったのに、いざ飛ばすぞとなったときに南風に変わったりとか。天気予報とか天気図をもとに予想はしているが、やはり予想しきれないこともある。そうすると現場でもたついたり。天気に左右されるのはすごい大変」
――フライトの練習はどのように?
関口「1年生の頃は、後ろに教官が乗って教えてもらいながら操縦する。教習所のようなイメージ。技量が認められると、教官からソロに出ていいと言われて、1人でのフライトをやっていく。そして最後にはライセンスを取っていくかたち」
――休みの日はどのように?
児玉「パイロット志望だったのを、進路を変えて中大の法学部に進んだのは法曹になりたかったから。法曹になるための勉強をしている」 関口「彼女ほどストイックじゃないので(笑い)。休みの日は後輩やOBの方と遊んだり。やることがないときは自分を休めるために使っている」
▲部活動と学業の両立に励む児玉
――OBである室屋義秀氏の活躍に刺激は?
関口「中大航空部を卒業された方が世界の大会で優勝していることは誇らしい。けれど、遠い存在というか次元が違うなというのがあるので。雲の上の存在という感じ」
児玉「刺激を受けるというより、すごいんだなと。みんなも一ファンとして感じているのかなと思う。室屋さんの後輩なんだという自負はあるのかもしれないです」
――他大との交流は?
関口「合宿をしている場所が一緒なので、交流する機会は他のサークルとかよりも多いと思う」
児玉「合宿で他大学に友人ができたりとか、先輩や後輩と仲良くなれるというのはある」
関口「いい機体を持っている大学もあるので、負けられないという気持ちになる」
――他大との機体にはどのような違いが
関口「まず見た目がかっこいい(笑い)。性能も違う。滑空比(1㍍高度が下がる間にどれだけ進めるか)によって性能が変わってくる」
児玉「見た目がやはりかっこいい(笑い)」
――新体制になり航空部の雰囲気は?
関口「去年よりは明るくはなったかなと。その中で課題だと思っているのが『安全と明るさのバランス』。安全を守っていかないと、楽しい活動ができなくなる。そのバランスを考えている」
――今年度の目標は
関口「全国で入賞したい。(部活動の運営では)今までで一番安全な部活を目指していきたい。4年生2人で部の安全を考えたい」
児玉「身近に刺激的な先輩がいるので、いずれは自分もライセンスを取りたいなと。技量を高めつつ、新体制になって課題もあるので、部を安全な方向に持って行きたいという同じ思いはある」
写真・記事:「中大スポーツ」新聞部