大学紹介

新年のご挨拶 -理事長 大村雅彦-

2023年01月01日

理事長 大村雅彦

 明けましておめでとうございます。

 新型コロナ・ウイルスの波は、昨年も繰り返し私たちを襲いました。しかし、ワクチン接種の効果もあって重症化するケースは減っているようです。学生や教職員の感染情報は私にも頻繁に届くものの、ほとんどすべてが軽症(または無症状)です。私自身も、昨年9月のベトナム出張後に感染しましたが、軽症で済み、ホテルでの隔離療養中も、オンラインで学内外の仕事に参加しました。コロナ・ウイルスとともに生活や仕事を進めていくという、ウィズ・コロナの時代にあることを感じた次第です。とはいえ、自分が感染すれば他者への感染を防ぐために一定の行動制限を受けますので、感染しないに越したことはありません。

 大学は対面授業をほぼ再開しました。昨年の新年ご挨拶で述べたように、学生の学びの機会を保障するために導入したオンライン型授業は、対面型授業とうまく組み合わせることによって学生の多様なニーズに応えることができそうです。この短い期間に進展したDXの経験はおそらく私たちの教育研究活動にこれからも生き続けると思われます。とりわけグローバルな局面でオンライン方式が今後さらに有意義に活用されていくことを期待したいと思います。

 コロナ禍のため、三大駅伝大会も沿道での応援が規制されるなど影響を受けてきましたが、昨年はようやく通常の姿に戻ってきました。そして、出雲駅伝では中央大学は3位、全日本大学駅伝では7位という成績を上げることができました。かなり力を付けてきていることを感じさせます。年末年始に向けてコロナ・ウイルスへの感染の増加が懸念されており、正月の箱根駅伝はまた無観客になるかも知れませんが、テレビ観戦で声援をお送り下さい。選手諸君が各自の力を最大限に発揮して活躍してくれることを期待しています。

 中央大学中長期事業計画「Chuo Vision 2025」は2023年度に8年目を迎えます。多摩キャンパスでの新築計画は一段落つき、グローバル・ゲートウェイおよびフォレスト・ゲートウェイは学生たちの生活の中に定着し始めているようで、多摩キャンパスの新しい表玄関としての賑わいを感じるようになってきました。法学部の移転先となる茗荷谷キャンパスの新築工事もまもなく完了し、今年度からは理工学部および国際情報学部やロースクールとの連携を踏まえた新たな法学部教育が開始されます。市ヶ谷田町キャンパスでは、国際情報学部の大学院がこの春からスタートします。新駿河台キャンパスも間もなく竣工を迎え、学員の都心拠点を確保しながら、ロースクールとビジネススクールを収容します。さらに、後楽園キャンパス内の1号館の建替えも着工の段階にこぎ着けました。本学は、最大規模の多摩キャンパスと、新たに増強される都心キャンパス群とで構成されることになりますが、2023年度からは、文京区・千代田区・新宿区のキャンパス群で全学生定員の半分近く(45%)を収容しますので、都心部での比重がこれまでよりも大幅に増えることになります。これを機に、大学教育とそれを支える各種サービスのDX化を一層推進し、キャンパス間の連携を高めて参ります。

 中長期事業計画「Chuo Vision 2025」は以上のような状況ですが、そろそろ次の中長期計画(2026-2035)の策定を視野に入れる段階に入っています。次期の中長期計画では、いうまでもなく多摩キャンパスの将来計画が大きな政策課題となりますので、2022年度から総合戦略推進会議の下でその検討を進めています。多摩キャンパスを中心とする新たな教育研究環境のあり方については、学長を中心とする教学の意見を反映した計画を法人として策定したいと考えています。

 ところで、私は中央大学のアイデンティティを強化しつつその歴史的な役割を特に若者に対してアピールしていく必要性を感じています。その一方法として、基本的人権の擁護・確立その他社会の発展に多大な貢献をされた本学卒業生等の功績を再発見し顕彰するための「史料館」を、多摩キャンパスの「炎の塔」の中に設置することを法人として計画しています。これは自校史の教育にも役立つとともに、本学における社会貢献意識の高揚にもつながるものと考えています。

 最後に、教職員の日頃の地道な活動を通じて教育研究の高度化や産学官連携を推進するとともに、大学と学員との連携を強化していくことが、学生たちの学びを充実させ、満足感を高め、さらには、中央大学を「世界に存在感のある大学」へ押し上げることにつながっていくものと、私は確信しています。法人役員も微力を尽くして参りますので、教職員の方々はもちろん、全国・全世界の学員の皆様のご協力・ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 コロナ禍が下火になること、また、皆様にとって実り多き年になることを祈念して、年頭のご挨拶と致します。

2023年1月1日          

学校法人中央大学 理事長 大村雅彦