総長・学長　酒井正三郎が「台湾二二八事件」70周年紀念式典に出席・登壇し哀悼の意を表しました

[学長スピーチ全文]

台湾のみなさん、こんにちは。
私は、日本の中央大学の総長・学長であります、酒井正三郎でございます。
私が今回、この台湾に参りましたことには、理由がございます。
日本の中央大学は、１８８５年に東京において設立され、１３０年を超える歴史があります。
戦前、台湾から、多くの若者が日本の中央大学に入学し、学んでおりました。
日本の中央大学で学び、その後台湾に戻り、弁護士、会計士、銀行員として、たくさんの卒業生が活躍しておりました。
戦争が終わり、日本は台湾から引き揚げました。
そして、１９４７年２月に、二二八事件が起こりました。
この事件に、中央大学の卒業生たちも巻き込まれました。
弁護士だった、台北の李瑞漢(り ずいかん)さん、李瑞峰(り ずいほう)さん、台中の林連宗(りんれんそう)さん、台南の湯徳章(とうとくしょう)さんなど、台湾で活躍されていた方たちが次々と受難されました。
二二八事件紀念基金會の調べでは、日本で学んだ学生で受難した方の数は、１００人以上にのぼり、うち１０数人が中央大学の卒業生でした。中央大学が、最も多い受難者を出しているわけです。
中央大学のほかには、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶応大学、日本大学、福島大学など多数の大学の卒業生が受難しております。
志(こころざし）半ばで、歴史的悲劇に巻き込まれた先輩たちは、さぞ無念でありましたでしょう。生きていれば、もっと、台湾のために、活躍・貢献されたことでしょう。
私は、この７０周年という節目に、受難した大学の先輩たちを慰霊したいと心より思い、ここに参った次第でございます。
中央大学の卒業生の皆さん。そして、日本の大学で学んで受難されたすべての方々に対して、心より哀悼の意を表します。
最後に、中央大学の附属高校であります中央大学高校の生徒たちが、千羽鶴とメッセージを寄せてくれておりますので、紹介させていただきます。
「中央大学の先輩の皆さん。様々な分野で活躍されていたにもかかわらず、歴史の渦に巻き込まれ受難されたことは、残念でなりません。後輩の私たちは、先輩たちを見習って学業に励み、平和で民主的な社会を構築するために、頑張りたいと思います。心より、ご冥福をお祈り申し上げます」　　　　　　　　中央大学附属中央大学高校　生徒一同

 

台灣的各位朋友，大家好！

 

我是日本中央大學的總長兼校長，酒井正三郎。
本次我拜訪台灣是有一個特殊的理由的。

日本中央大學於１８８５年在東京創立，擁有１３０餘年的歷史。戰前，許多來自台灣的青年曾進入中央大學學習。
完成了在日本中央大學的學業後回到台灣，很多畢業生成為了律師、會計師和銀行職員，活躍於台灣社會。
戰爭結束後，日本撤離了台灣。
之後，在１９４７年２月，爆發了二二八事件。
中央大學的畢業生們也被捲入了該事件中。
擔任律師的台北的李瑞漢和李瑞峰、台中的林連宗、台南的湯德章等，當時活躍於台灣的人士先後遇難。
二二八事件紀念基金會的調查結果表明，在日本學習過的遇難人士達百人以上，其中十幾位是中央大學的畢業生。因此，中央大學是遇難人數最多的。
除中央大學外，還有東京大學、京都大學、早稻田大學、慶應大學、日本大學、福島大學等多所大學的畢業生遇難。
壯志未酬身先死，被捲入歷史悲劇中的先輩們，想必是非常遺憾的。如果繼續在世，一定會為台灣做出更多的業績和貢獻。
在二二八事件爆發七十周年之際，我來到這裡，衷心希望能夠祭典遇難的中央大學先輩們的亡靈。
在此，特對中央大學的畢業生們，以及在日本的大學學習過的所有遇難者們，表達衷心的哀悼。
最後，由中央大學附屬高中之中央大學高中的同學們，呈獻千紙鶴和贈言，請允許我在此宣讀。
＂中央大學的先輩們，你們曾經活躍於各個領域，卻被捲入了歷史的漩渦，不幸遇難，對此我們感覺無比遺憾。作為後輩，我們將學習先輩們，勤奮學習，為建立和平和民主的社會而奮鬥。在此衷心祈禱先輩們的冥福。＂　　　中央大學附屬中央大學高中　全體學生敬上