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2015年08月06日

創立130周年 そして戦後70年 -あらためて戦争と中央大学を考える-

本年はアジア太平洋戦争終結から70年の節目にあたります。

中央大学はこの戦争によって多大な影響を受けたと同時に、戦争の遂行のために学生を戦地に送ることを認め、巻き込んでいった責任があります。

 

70年という長い年月が流れ、かつて我が国が戦争という過酷な現実のさなかにあったことを想像することは難しくなっています。

現代の学生が、目指す道に向かって学問を修得しながら、友や師と語り合い、卒業後に活躍する未来に思いをはせる青春の日々が、あの時代に生きた若者にとっては、いかに渇望しても手の届かないものでした。そのような時代のなか、在学生のひとりは、学籍をのこしたまま徴兵される学友との別れを惜しんで「惜別の歌」を作曲しました。この歌はその後、卒業式などの場で歌いつがれ現在に至っています。

視点を世界に向ければ、この現代においても、安全に暮らし、自由に学ぶことのできない人々が大勢いることも忘れてはならないことです。

このような歴史を経た中央大学に生きる者として、学びの場のありがたさを再認識し、その力を未来に生かせることに感謝する心を持ち続けることは大切なことです。

 

中央大学は戦後の学制改革のなかで、広く国民に勉学・学修の機会を提供し、民主主義を支える教育を積極的に展開してきました。1946年の女子学生への門戸開放、1948年の通信教育部の開設、1950年の自治会などの主催による大学祭の開催など、民主的な教育制度を根付かせ、民主的な運営を行なってきました。

また、戦後の中央大学は、1948年の戦没者慰霊祭に始まり、1954年の不戦週間、1955年には在学中に兵となった学生で戦没した学生の調査や慰霊祭の実施、「学徒出陣」から50年にあたる1993年には「平和を愛し地域と地球に感謝する全中央大学の日」として平和祈念式典、そして1998年と1999年には旧植民地出身の元学生への特別卒業証書の贈呈を行ないました。このように中央大学は過去を振り返り、未来に生かす活動を続けて参りました。

 

そして、本年2015年は戦後70年にあたるとともに中央大学にとっては創立130年の年にあたります。創立記念日の7月8日には戦後70年記念講演会「戦中・戦後の中央大学」を行ない、以降、「出陣学徒壮行会」の日にあたる10月21日にはシンポジウムを開催し、その他展示等の活動を通じて、戦争の時代と中央大学を見つめ直し、その成果を後世に繋げて参ります。

創立以来、有為の人財を輩出してきた中央大学は、戦争の記憶を風化させることなく、これからも教育研究活動を通じて人類福祉の増進に貢献することを銘記いたします。

 

2015年8月

中央大学 総長・学長

酒井 正三郎