大学史資料館
米国総領事シドモア関係資料贈呈式(千田家から中央大学へ)を岩手県大船渡市綾里の千田家で挙行しました(2024年8月25日)
2024年08月28日
ジョージ・ホーソン・シドモアの肖像写真
今から約130年前、3人の米国船員を乗せたボートが、綾里(岩手県大船渡市)沖の海上を漂っていました。彼らは金華山沖で本船(米国帆船)から分かれてオットセイ猟をするうちに、本船を見失って漂流していました。漁に出た村人たちに助けられ砂子浜に上陸した3人を、旧綾里村の村長だった千田仁兵衛さんが自宅に招き入れ手厚くもてなしました。数日後、連絡をうけて当地に派遣された県職員らに付き添われ、3人は横浜の米国領事館へと送られ、その世話を受けて無事米国に帰国しました。
その後、千田仁兵衛さん宛に米国総領事のジョージ・ホーソン・シドモアから、3人の救護に感謝する直筆(英文)の手紙が送られました。同氏は英吉利法律学校(中央大学の前身)の講師でもありました。そのようなご縁で、これまで千田家に保存されてきたシドモアの手紙や封筒等4点について、先代の当主・千田基久兵衛さんが中央大学での保管を望み、寄贈が決まりました。
贈呈式は2024年8月25日(日)、岩手県大船渡市綾里にある千田家の母屋で行われ、本学からは、大学史資料館の大貫裕之館長、酒井正三郎名誉教授(中央大学元総長・学長)らが出席しました。また、出席者には千田家のご親族をはじめ、千田家文書調査研究会と宮城歴史資料保全ネットワークの皆さん、近隣住民の皆さん、地元の報道機関など総勢約70人が出席しました。
贈呈式の後は記念行事として、救助された米国船員が千田家で食べた食事(味噌おにぎりなど)体験や、千田家とシドモアに関する研究報告会などが行われました。
代々保管してきたシドモアの手紙を本学に贈呈する 左から大貫裕之館長、千田秀悦さん、佐川静香さん(先代の千田基久兵衛さんの肖像写真を持つ)
贈呈されたシドモアの直筆の手紙
酒井正三郎名誉教授(中央大学元総長・学長)(左側)の研究報告