AI・データサイエンスセンター

開催報告:2025年第3回イブニングセミナー

研究を始めた経緯を話す樋口知之(本センタ-顧問・理工学部教授)氏

2025年4月22日(火)に後楽園キャンパス産学官連携・社会共創フロア(3号館14階)にて、樋口知之(本センタ-顧問・理工学部教授)が「シミュレーションのAIとの邂逅と発展」というテーマで、会場とオンライン参加者(合わせて約250名)に向けて講演を行いました。


講演の冒頭では、自己紹介を兼ねて、これまでの経歴と現在の活動について語られました。統計学分野を中心に、多くの学会や専門コミュニティと幅広く関わり、また企業の技術指導も務めているほか、データサイエンティスト協会の理事として、研究機関や企業との連携にも取り組んでいることが紹介されました。

講演では、「シミュレーション」と「AI(人工知能)」という2つの技術が結びつくことで、これまでにない新しいアプローチが可能となり、社会的にも大きな意義を持つことが紹介されました。シミュレーションは、現実の現象を数式で表現し、コンピュータ上で再現する技術であり、AIはデータをもとに学習し、予測や判断を行う仕組みです。これらを組み合わせることで、より正確で実践的な意思決定が可能になると説明されました。こうした考え方は、企業との共同研究や社会課題の解決にもすでに応用されており、企業での取り組みなど具体的な事例も紹介されました。

参加者からは、「専門的な内容をわかりやすく伝えてくれてありがたかった」「AIとシミュレーションのつながりについて新しい視点を得られて勉強になった」「難しかったが、具体例を通して理解が深まった」「講演を聞いて自分でも学びを進めてみたいと思った」「今後どんな分野に取り組めばよいか考えるきっかけになってよかった」など、多くの満足の声が寄せられました。

AI・データサイエンスセンターは、これからも社会連携による知の還元を通して、データサイエンティストの育成に貢献してまいります。

樋口知之(中央大学研究者情報DB

専攻領域:データ同化を含むベイジアンモデリング。現在は、深層学習と状態空間モデリングを統合する、深層確率計算の定式化に研究をフォーカス

ベイズモデル応用研究の第一人者。日本におけるデータサイエンス振興への貢献により、令和2年度卓越した技能者(現代の名工)として表彰される。