AI・データサイエンスセンター

開催報告:AI・データサイエンスセンター DSシンポジウム「データサイエンスによる社会変革」

2024年12月09日

2024年11月14日(木)、後楽園キャンパス3号館14階にて、中央大学AI・データサイエンスセンターとELSIセンターが共催する 「AI・データサイエンスセンター DSシンポジウム」 が開催されました。今回のテーマは「データサイエンスによる社会変革」であり、学内外から有識者4名を招いて講演が行われました。

本シンポジウムは、2024年度から本格的に活動を開始した 中央大学AI・データサイエンスセンターの研究社会連携部会 が企画した初めてのイベントです。同部会では、広く社会に向けた講演会や特別講座を実施するだけでなく、学外の企業や組織と共同研究を進め、本学の幅広いデータサイエンス領域の研究成果を社会へ還元することを目指しています。

当日は、データサイエンスを活用した社会実装の成果とそのポイントについて、講演者がそれぞれの専門分野から講演を行い、データサイエンスの力が社会変革をもたらす可能性を参加者に伝えました。また、本シンポジウムはオンラインと対面のハイブリッド形式で開催されました。

講演者と講演内容(登壇順)

「センシング×データサイエンス」
講演者:大草孝介 准教授(中央大学理工学部)
内容:センサ技術とデータサイエンスの融合が、製造業や社会課題解決にどのように貢献するかが語られました。日本のセンサ生産の強みや課題を踏まえ、AIやデータ解析を活用した人材育成や産学連携の具体例が紹介されました。

「産学官連携共同研究の取り組みと実情」
講演者:鎌倉稔成 機構教授(中央大学研究開発機構)
内容:産学官連携の現場での具体的な取り組みや課題について述べられました。新たな技術を社会に実装するための研究事例と、その過程で直面する課題が共有されました。

「先進的マルチモーダルAIとAIガバナンスの在り方」
講演者:須藤修 教授(中央大学国際情報学部、中央大学ELSIセンター所長)
内容:AI技術の進化や日本における課題、さらにマルチモーダルAIの重要性が議論されました。生命科学や工学、社会科学の連携の必要性やAIガバナンスの課題についても具体的な例を交えて説明されました。

「AIによる変革と産学官連携の挑戦:未来を拓くIT企業の取り組み」
講演者:鈴木玲子 氏(株式会社アイネス 取締役執行役員)野沢泰雅氏(株式会社アイネス総合研究所)
内容:鈴木様より「DX企業からAI×DX企業へ」をテーマに、リテラシー教育やワークショップを通じたアイネスグループのAI活用推進が紹介されました。続いて、野沢様から住民の健康寿命延伸を目指した健康データ分析や自治体相談業務支援サービスの共同研究事例が示され、デモンストレーションも行われました。

講演後、参加者から多数の質問やコメントが寄せられ、情報交流会でも活発な意見交換が行われました。イベント全体に熱気が漂い、次回の講演を期待する声が多数寄せられ、データサイエンスへの関心の高さが感じられました。