AI・データサイエンスセンター

商学部 武石ゼミ 学生チームが最優秀賞を受賞

2023年10月29日(日)法政大学市ケ谷キャンパスにて開催された、3大学(関西・中央・法政)共催 データサイエンス・アイデアコンテスト(協賛 マイナビ)の最終選考会において、商学部武石ゼミ所属の3年生のチーム・コップンカーは最も評価の高い発表に送られる最優秀賞と、参加者によるお互いの評価で決定するオーディエンス賞を受賞しました。

 

発表概要

テーマ 「リモゴー」で移住断念者を減らそう!
メンバー 檜物駿太さん
逸見亮太さん
柳内怜子さん
武子結芽さん
内容 リモートワークによる転職なしの移住(リモゴー)を促進するため、潜在的関心者や移住断念者とリモートワークを推進する企業を結び付ける職業斡旋(あっせん)方法を提案しました。

3大学(関西・中央・法政)共催 データサイエンス・アイデアコンテスト(協賛 マイナビ)

関西大学、中央大学、法政大学の3大学の学部生、附属・付属・係属校の高校を対象に、日頃のデータサイエンスに関する学びを実践する場として、株式会社マイナビの共催により開催されました。最終選考会には3大学計10組の個人またはグループが選出され、プレゼンテーションと質疑応答でデータサイエンスの知識を活用した分析と、アイデアを競いました。

リンク:3大学(中央・法政・関西)共催 学生参画型「データサイエンス・アイデアコンテスト(協賛 マイナビ)」を開催(2023年4月4日付プレスリリース)

チーム代表者 檜物駿太さんのコメント

1. エントリーのきっかけ

私たち4人は中央大学商学部武石ゼミに所属する3年生です。データサイエンスを学び始める際、武石先生からこのコンテストを紹介して頂いて、エントリーしました。

2. 分析、アイディアの経緯、苦労した点、気付き

私たちが選択したテーマは「『地方に移住し、地域で働くライフスタイル』を日本に広げるには?」「これを実現する『仕事選びの方法』は?」の2つです。
これらの抽象的なテーマに対して、私たちに身近な存在であるリモートワークが解決策と捉えて仮説を立てました。その仮説を基に、マイナビ社のデータや公的データを用いて分析を行いました。分析を進める中で、移住に関心の高い学生や若者を対象としたデータを集めるために、中央大学の学生に調査を行いました。これらの調査やデータをRなどを用いながら分析した結果、転職が移住に対する不安要素となっていることがわかりました。そこで、リモートワークを用いることで、転職無しの移住を実現するアイディア、「リモゴー」を考案しました。さらに、「リモゴー」の実現可能性を高め、広めるためのアイディアとして地方志向とリモートワーク志向が測れる適性診断をMRTI (Migration & Remote-work Type Indicator)と名付けました。MRTI診断によって、人材斡旋会社が適性のある人に「リモゴー」企業を効果的に斡旋できると考えました。さらにMRTI診断の実現に向け、機械学習による分析にも取り組みました。
私たちが最も苦労したことは、分析を基にアイディアを創出することでした。実際にRなどによる高度な統計的分析から発見が得られました。それを基に様々な角度からアイディアを考えましたが、全員の納得を得られるようなものが出せずに夜遅くまで会議が続く日もありました。最終的に私たちは就活生であるという視点を活かし、当事者意識を持ってアイディアを考えた結果、MRTI診断を考えることができました。一次審査まで時間が迫る中で、夏休みにも拘わらず多くの時間を費やしたことが今では懐かしい思い出です。
このコンテストを通して、データサイエンスの領域で機械学習を用いる経験に加えて、実際にアイディアに結びつける経験ができたことが学びとなりました。

3. 発表、他のチームのプレゼンを聞いての感想

発表当日はみんな緊張の表情でしたが、これまでの努力を胸に自信を持って臨みました。発表では武石先生を始めゼミの先輩方のご指導の甲斐もあり、私たちのベストを出し切れたと思います。
当日は他のチームの発表も聞く中で、同じテーマに対して様々な切り口のアイディアを聞くことができました。また、私たちの分析方法とは異なり、生成AIを用いて分析を行ったというチームの発表も印象的でした。他のチームのプレゼンテーションから、アイディアと分析の両面において学ぶことができました。

4. 受賞について

このデータサイエンスのアイデアコンテストで最優秀賞とオーディエンス賞を頂けたことを非常に光栄に思います。春学期から課題の導出を始め、夏季休暇中も頻繁に集まって分析やアイディアの考案を続けてきたため、成果が認められた喜びはひとしおです。
また、これまでに履修してきた全学のデータサイエンスツール科目や商学部の講義科目などで習得したデータ分析のスキル、課題演習で得た情報科目への関心と理解、商学部の授業で身につけたマーケティングの知識がアイディアを考える上で大きな助けとなりました。中央大学で私たちを指導してくださっている先生方に感謝しています。これからも、データサイエンスやビジネスについて学び、それらを活かして新たな課題に挑戦していきたいです。
最後に、マイナビ社をはじめ、このコンテストの開催に関わった全ての方々に感謝を申し上げます。私たち学生にデータサイエンスに取り組む機会を与えてくれたこの素晴らしいコンテストが今後も続いていくことを願っております。

ゼミ主宰 商学部・教授 武石智香子のコメント

チームコップンカーは、質的・量的調査の手法とプログラミング言語R等を用いたデータ分析を学ぶ中央大学商学部武石ゼミの3年生です。「3大学(関西・中央・法政)共催 データサイエンス・アイデアコンテスト(協賛マイナビ)」が実社会の問題解決を考える、文系も参加することのできるコンテストであったことから、このコンテストの存在を学生たちに紹介しました。
学生たちは8月の下旬に、リモートワークが盛んで「ノマド天国」と呼ばれるバンコクでリモートワークの質的調査を行い、タマサート大学ビジネススクールにおいて「日本の労働力人口減少」に関する英語によるプレゼンを行いました。その段階では30分ほどあった内容にさらに機械学習を追加した内容を、本コンテストでは7分に圧縮してプレゼンを行いました。
彼らがアイディアを活かせるよう私が指導をした部分は、データ分析のプロセス、Rによる分析法、英語、出典の示し方や、プレゼンテーションの方法などです。学生たちは毎週の授業のあとに自分たちだけでサブゼミを実施し、さらにオンラインで何度もミーティングを重ねて、私のフィードバックに対して毎回着実に改善を重ねてきました。それができたのも、各人の強みをチームとして生かすことのできるチーム力があったからこそと思います。
このコンテストにより、学生たちは刺激を受け、成長することができました。協賛をいただいたマイナビ社と、3大学の審査員・事務局・その他関係者のみなさま、特に最終選考会の会場となった法政大学のご尽力に、心より感謝いたします。