広報・広聴活動
松野良一ゼミが制作した中大卒の特攻隊員に関する映像作品が、第43回「地方の時代」映像祭(NHK、民放連等主催)で、優秀賞を受賞
2023年11月29日
中央大学、松野良一ゼミ(FLPジャーナリズムプログラム)が制作したドキュメンタリー映像作品「南西諸島の空から~ある特攻隊員の日記~」が、第43回「地方の時代」映像祭(主催:吹田市、関西大学、日本放送協会、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟)において優秀賞(市民・学生・自治体部門)を受賞しました。
本作品は、アジア・太平洋戦争で多くの学徒が出陣した中、判明しているだけでも約70人が特攻隊で戦死している中央大学の先輩たちの記憶を残そうというゼミのプロジェクト「特攻と中央大学」の活動から生まれました。松野良一教授(国際情報学部)制作統括のもと、監督の伊藤光雪(国際情報学部4年)さんをはじめ、プロデューサー、制作補、語りなど9名の学生が制作に携わりました。
「南西諸島の空から~ある特攻隊員の日記~」(41分)作品概要
中央大学は140年近い歴史を持ち、アジア・太平洋戦争でも多くの学徒が出陣し、確実に判明しているだけでも約70人が特攻隊で戦死している。そうした先輩たちの記憶を残そうというゼミのプロジェクト「特攻と中央大学」の活動の中で、特攻隊で戦死したある先輩の日記12冊を見つけた。1943年9月に中央大学専門部商科夜間部を繰り上げ卒業し特別操縦見習士官となり、1945年4月6日に、特攻隊第62振武隊の一員として散っていった富澤健児さんのものだ。平和な時代を生きる同じ大学の後輩として、私たちは彼の短い人生の記録を残したいと思った。彼は、特攻命令をどう受け止めたのか。沖縄攻撃にどのような思いで向かって行ったのか。彼の日記を手掛かりに、富澤さんの23年間の人生を追った。
〈協力〉
知覧特攻平和会館 万世特攻平和祈念館 防衛省防衛研究所
アジア歴史資料センター 国立公文書館 アメリカ国立公文書館 中央大学広報室大学史資料課
〈制作プロデューサー〉
伊藤光雪(国情4) 藤川なな帆(経4) 杉村千依(総政3) 山崎滉大(国情3)
〈制作統括〉
松野良一(国際情報学部教授)
〈制作補〉
坂爪悠莉(法4) 渡邉美咲(国情4) 鵜飼健司(経卒)
〈語り〉
伊藤光雪 吉田遥希(国情3) 杉山浩規(国情4)
〈監督〉
伊藤光雪
作品は、こちらでもご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zE60hlQkEE8
■伊藤光雪さん コメント
23歳で特攻隊員として亡くなってしまった富澤健児さんの12冊の日記を読み解いていくうちに、彼も1人の大学生であったこと再確認しました。だからこそ、私と同じぐらいの年齢で亡くなってしまったという事実に無念さを覚えました。完成したドキュメンタリーをDVDにして、ご遺族の方のところに持って行った際に、ご遺族の方から「後世に伝えてくれてありがとう。家宝にする。天国にいる健児おじさんも絶対に喜んでいる」と言ってくださいました。このありがたい受賞をまず、戦死した富澤健児さんに報告するとともに、これからも私自身、戦争の記憶を伝えていく人間であり続けたいと思っております。(授賞式でのコメント)
松野良一教授(国際情報学部)コメント
松野ゼミでは、特攻で戦死した中大OBの記憶を発掘し記録・保存するプロジェクト「特攻と中央大学」の活動を継続しております。今回のドキュメンタリー作品は、その活動の一環として制作されたものです。今後も、数本のドキュメンタリー作品を制作すると同時に、最終的には出版物として刊行する計画です。さらに、12月4日~9日の期間、中央大学国際情報学部と知覧特攻平和会館の共同企画として、市ヶ谷田町キャンパスの1階ロビーで「特攻と大学」に関するパネル展示を行います。大学という学舎から、ある者は繰り上げ卒業し、ある者は在学のまま出陣しなければならなかった時代、彼らは何を思い、何を残して散っていったのか。アジア・太平洋戦争の流れとともに、学徒の遺書などを含め、「特攻と大学」について考えていただければと思います。
ファカルティリンケージ・プログラム(FLP)について
中央大学の全学の「知」が結集して、総合大学ならではの新しい教育システム「ファカルティリンケージ・プログラム-Faculty-Linkage Program-(通称FLP)」は、2003年度からスタートしました。
ファカルティリンケージ・プログラム(FLP)とは、各学部に設置されている授業科目を有機的にリンクさせ、新たな知的関心の領域に対応する教育の「場」を設定するプログラムです。学生は所属学部に学びながら、プログラムの履修ができます。
本プログラムは、学生がそれぞれの所属学部で主専攻の課程を修めるという基本的な枠組みのもとに、学部の枠を越えて設けられた新たな知的領域を系統的・体系的に学修し、学際的な視点から専門知識の修得と問題解決能力を高めることを目的としています。現代社会において、このような学際的な領域の問題解決能力を必要とする職種が年々増えていることから、「環境・社会・ガバナンス」「ジャーナリズム」「国際協力」「スポーツ・健康科学」「地域・公共マネジメント」の5プログラムを開設しています。
<本件に関するお問い合わせ>
松野ゼミへの問合せは、下記、URLよりお問い合わせください。
https://www.chuo-u.ac.jp/inquiry/form/?id=14
件名に「松野ゼミへの問合せ」と記載してください。
<取材に関するお問い合わせ>
中央大学広報室
Email:kk-grp[アット]g.chuo-u.ac.jp ※[アット]を【@】に変換して送信してください。