広報・広聴活動

AIで新型コロナウイルス感染症に関連する遺伝子群を特定~バイオインフォマティクスでコロナに打ち勝つ基礎づくり~

2021年08月30日

琉球大学
中央大学
沖縄高等工業専門学校

 琉球大学工学部宮田龍太助教、中央大学理工学部田口善弘教授、沖縄工業高等専門学校生物資源工学科池松真也教授らのチームで取り組んだ、藤澤孝太氏の琉球大学大学院理工学研究科博士前期課程の修士論文テーマである本研究成果がNature Research社の学術雑誌「Scientific Reports」誌に掲載されました。内容等については別紙の通りになりますので、よろしくお願い申し上げます。

発表のポイント

どのような成果を出したのか:特効薬開発の取っかかりを得るために、新型コロナウイルス感染症に関連する遺伝子群123個を約6万個の候補の中からAIで特定。さらに、これらの遺伝子の発現を上流で制御する転写因子をバイオインフォマティクス(注1)の知識を活用して特定。

新規性(何が新しいのか):今回特定した転写因子(注2)には免疫防御システムの要と言われるものが含まれており、その活性が抑制されていることが示唆され、新型コロナウイルス感染症によりヒトの免疫系機能が低下するメカニズムの一端を解明。

社会的意義/将来の展望:世界中で猛威を奮う新型コロナウイルス感染症の全容を解明するには、臨床試験だけでなく本論文のようなゲノムデータ解析をはじめとした多様な病態解析で知見を積み重ねていく必要があり、今後は重症化や変異株に関連する遺伝子を探索していく予定です。