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〈Focus〉大学院入試の面接で聞かれる質問は?評価されるポイントや事前対策を徹底解説

2021年10月29日

大学院入試では、筆記試験(筆答試験)に加えて面接(口述試験)が行われる場合がほとんどです。しかし、筆記試験に対する準備はきちんとしているものの、面接に関する情報は少なく、具体的な面接対策ができていない人も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、大学院入試での面接対策について詳しく解説します。面接の概要やよく聞かれる質問内容などを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

大学院入試における面接の概要

大学院入試の面接は、大きく分けて2パターンあります。1つは、筆記・面接試験を同時に受けて、全受験生に面接の受験資格が与えられるもの。もう1つは、筆記試験とは別日に行われ、筆記試験合格者だけが面接試験を受けるものです。

ここからは大学院入試の面接を受けるにあたり、知っておくべき概要を解説します。

学力評価・面接でのパフォーマンスの両方が重視される

大学院入試では、面接試験と同じまたはそれ以上に筆記試験の点数・学力が重要となります。逆に言えば、筆記試験の成績が振るわない状態では、面接でアピールをしても合格につながるケースは少ないということです。あくまで筆記試験を前提とし、学力の評価がベースであることを理解しておいてください。

面接時間は30分程度

大学院入試の面接時間は30分ほど。短いと15分程度の場合もありますが、大学院や入試方式によっては60分ほど実施することもあります。

面接は、複数の面接官に対して院試受験生が1人受け答えをする形式です。面接時間の半分以上は、志望動機と研究計画(大学院に入学してから学びたい・研究したいテーマ)に関する質疑応答になります。

複数の教員による面接を行うケースも

院試の面接では、複数の教員が真剣に問いを投げかけるため、緊張感溢れる面接になることが考えられます。志望動機などの事前に予想できる質問はあらかじめ考えをまとめておき、当日は落ち着いて受け答えできるように準備しましょう。

大学院の面接で面接官が見ているポイント

大学院の面接では、面接官は学生のどのような点を見ているのでしょうか。ここでは、面接で重要な3つのポイントを解説します。

進学への熱意があるか

面接では、大学院進学への熱意が本当にあるか確認されます。大学院では、学生本人が主体性を持ち、自ら研究課題に取り組んでいく姿勢が重要です。大学(学部)のように、教員からただ知識を教えてもらうような受動的な学習ではありません。

そのため、これから2年以上かけて主体的に勉強を深め、研究に励む熱意・意欲・精神力があることをアピールする必要があるでしょう。

研究に必要な「論理的思考力」があるか

面接では、大学院での研究に重要な能力の1つ「論理的思考」が備わっているかどうかをチェックされます。

大学院という研究教育機関は、2~5年間にわたる研究教育を通じて研究者や高度な専門知識を身に付けた職業人を養成することを目的としているため、研究者に欠かせない論理的思考力が備わっているかが重視されます。面接官の質問に対して、論理立てて答えられるよう練習を積んでおきましょう。

指導教授とミスマッチしていないか

志願者の研究計画や志望動機が、指導を受ける教員の専門分野とミスマッチしていないかを確認されます。志願者が取り組みたい研究内容と、指導教授が専門とする分野と合致していなければ、研究をスムーズに進められません。あらかじめ「なぜこの教員の下で研究したいのか」を明確に説明できるようにしておきましょう。

大学院の面接の流れ

大学院の面接の流れを紹介します。

自己紹介

始めに行うのは自己紹介です。面接官と初めて言葉を交わし、第一印象を左右する時間であるため、内容が伝わりやすくなるようハキハキと話すようにしましょう。

大学院の面接は時間が限られているので、自己紹介はできるだけ簡潔に1分以内に収めるのが望ましいです。名前、受験番号、現在の所属(どこの大学のどの教員のゼミに入っているかなど)に加え、これまでどのような勉強をしてきたか添えて手短に紹介しましょう。

質問

質疑応答は、面接で最も重要な時間です。必ず聞かれるのが、志望動機と研究計画の2つです。なぜ大学院に進学したいのか、進学して何を研究したいのかを答えられるようにしましょう。その後の質問も、論理的にかつ簡潔に答えることを意識してください。

面接で聞かれる質問内容

大学院入試の面接で聞かれる質問内容を紹介します。

この大学院を選んだ理由

大学院・研究科(選考)・志望指導教員を選んだ理由について詳しく聞かれます。

【よく聞かれる項目】
・研究を通して何を学びたいのか、身に付けたいのか
・同じ研究分野を専門とする教員の中から、なぜその教員の指導を希望するのか
・数ある大学院のなかで、なぜこの大学院に進学するのか

上記の項目を簡潔に説明できるようにしておきましょう。

卒業論文(卒業研究)の内容

大学の学部で興味を持ったこと・学んできたことついて質問されます。

特にゼミに入っている場合には、卒業論文・卒業研究の内容を質問されるケースが多いです。研究テーマや研究の目的、方法について、詳細に質問されるでしょう。自分が取り組む研究の意義を面接官に分かってもらうために、研究から得られる成果が社会的にどう役立つのかやどのような意味があるのかを論理的に説明できるようにしておいてください。

大学院修了後の進路

院試の面接では、大学院進学後だけでなく修了後の進路希望まで聞かれます。そのため、大学院での研究を通して得た知識・技術を、どのように自分のキャリアに活かすのかを考えておくべきでしょう。

また、博士前期課程修了後の進路(博士後期課程へ進学するのか、または就職するのか)も重要です。具体的には、博士号を取り研究を発展させるのか、身に付けた能力を活かせる職に就くのかなど、現在の自分の考えをまとめておきましょう。

研究テーマに対する専門知識

自分が志望する研究テーマの専門知識についても質問されます。面接官は、この質問を通じて、専門分野に対して精通しているか、研究を進められるだけの基礎的な素養が備わっているかを確かめます。

事前に研究内容に対する知識をつけておくことはもちろん、志望する研究テーマに関する論文や志望指導教員の論文を少なくとも数本は読んでおくとよいでしょう。

大学院入試の面接に向けて、事前に準備すべきこと2つを解説します。

1. 自己分析をして、自分の将来を見通しを立てる

面接では、今後の将来に見通しを持てているかが確認されます。そのため、事前に自己分析した上で、大学院へ進学して何がしたいのか、そして大学院を修了してから何をしたいのか、一貫した見通しを立てておいてください。また、話す内容が論理的に成立しているか、第3者に聞いてもらうとよいでしょう。

2. 研究内容を理解しておく

研究計画の内容は、論理立てて話せるよう練習しておきましょう。研究者でもある教員が面接官となるため、雰囲気に呑み込まれて緊張してしまう人も少なくありません。緊張感の漂う場でも慌てずに話せるよう、研究内容に関する質問を事前に考えておきましょう。

まとめ

大学院入試の面接では、これから長期にわたって研究に取り組むための基礎力や研究意欲があるかが確認されます。だからこそ、限られた時間内で、密度の高い質問がされることを想定しておくべきでしょう。事前に十分な準備をした上で、面接に臨むようにしてください。