
中央大学理工学部 田口善弘教授
2025年 9月24日(水)、後楽園キャンパス産学官連携・社会共創フロア(3号館14階)にて、中央大学理工学部 田口善弘教授が『知能とはなにか ーヒトとAIのあいだ- 』をテーマに講演を行いました。
講演では「知能とは何か」をテーマに、生成AIの進化とその限界について多角的に論じました。
冒頭では、ChatGPTの高度な文章生成やGeminiによる動画生成といった最先端技術を紹介する一方、「BLACKBERRYに含まれるBの数」を数え間違えるといったAIの弱点も取り上げました。
続いて、人間の知能研究の歩みをたどり、19世紀の脳損傷例から現代の脳活動から映像や言語を再現する研究までを紹介。さらに、人工知能研究の始まりである1956年のダートマス会議や、モラベックのパラドックスにも言及しました。
講演全体を通じ、生成AIの驚異的な進展と、依然として残る知能理解の本質的な課題について参加者とともに考える貴重な機会となりました。
また、質疑応答の時間には、事前質問に答えたほか、会場やオンラインでの参加者とも活発な意見交換が行われました。

講演の様子1

講演の様子2

情報交換会の様子
田口 善弘 中央大学研究者データベース
中央大学理工学部 教授
バイオインフォマティクスを専門とし、遺伝子発現プロファイル解析やマルチオミックスデータ解析に長く取り組み、現在はテンソル分解を活用した教師なし学習による変数選択法を遺伝子選択に用いる研究を行う。著書や論文も多く、ISET2021基調講演やセミナー講師、ラジオ出演なども行う。
スタンフォード大学が選出する「世界の上位2%の研究者」(バイオインフォマティクス分野)として2021年から5年連続で選ばれている。
講演関連書籍 『知能とはなにか ヒトとAIのあいだ』 著:田口 善弘(講談社現代新書)