国際連携・留学

元フジテレビ記者による「“メディア”を知り、 アントレプレナーシップに触れようセミナー」を開催しました

メディア×アントレの可能性を伝えるセミナー

中央大学国際センターでは2025年6月から7月にかけて、計6回にわたって「メディア×アントレ」をテーマとしたセミナーを開催しました。講師は、本学の学生起業支援コーディネーターである西村昌樹氏が務めました。
西村氏は本学総合政策学部卒業後、フジテレビ報道局で経済記者やニュース番組ディレクターとして約22年間活躍。その後、新規事業支援を行う企業にてイベントプロデュースなどを手がけ、起業家同士のネットワークづくりや情報発信に取り組んできました。

本セミナーでは、西村氏の記者としての経験を活かし、「好き」という想いを軸にキャリアを切り拓くヒントや、起業や挑戦に不可欠なマインドセットと行動力について理解を深める、また自らの未来を切り拓くための貴重な機会となりました。

メディア出身者が語る、アントレプレナーシップの大切さ

第一回セミナーは「”メディア×アントレ”でキャリアを描くーリスクマネジメント最前線ー」と題して行われました。

前半は、西村氏のテレビでの経験、そして新規事業開発支援企業でのキャリアを伝えることで、メディアで働く人がどのような形でキャリアを築くことができるのかを説明しました。西村氏の自己紹介を交えながら、メディア経験を通じて得たキャリア論のほか、メディアとして取材するにあたってもアントレプレナーシップマインドが重要である点についても解説を行いました。また、参加した学生にも自己紹介を行ってもらい、学生時代から自己表現やセルフプレゼンテーションを意識することの大切さを共有しました。

後半では、メディア×アントレの具体事例として、西村氏が実際に取材・執筆を手掛けた、三井住友海上における新規事業担当者(イントレプレナー)の事例を紹介。大企業においてもアントレプレナーのように活躍することが可能であることなどを、元記者の目線を交えながら紹介し、アントレプレナーシップは起業の有無にかかわらず、どのような進路でも求められるマインドであることを強調しました。学生たちは、早い段階から主体的に行動し、チャレンジ精神を持つことの重要性を改めて実感する機会となりました。

「アントレ」をテレビ番組からひも解く

第二回は「アントレ」を番組から学ぼう、日本中が注目するギャル式ブレストとは?と題して行われました。

前半では、近年各テレビ局で増えつつある、スタートアップやアントレプレナーシップを扱った番組について事例を紹介しました。事例の紹介を通じて、テレビ制作者がどんな意図でアントレを番組にしたのか、一般の人にも番組を見てもらうための工夫がどのあたりに見られるかなどについて、番組動画の一部を参加学生と視聴しながら解説し理解を深めました。さらに、メディアがアントレやスタートアップの活動を伝える意義や、メディアとスタートアップの理想的な関係についても考察を共有しました。

後半では、第一回に続き、メディアが取り上げるアントレプレナーの事例紹介を実施しました。取り上げたのは、CGOドットコムのバブリー氏が手掛ける「ギャル式ブレスト」です。「ギャルマインド」の重要性を説くバブリー氏は、「自分軸」「直感性」「ポジティブ思考」の3要素が、マインドを構成するモノと説明しています。バブリー氏が重要と説明するものが、学生自身のキャリア形成や自己表現においても大切であることを再確認し、一人ひとりがアントレプレナーと同じような意識を持ち、アンテナを張ることが、メディアやアントレに関わる情報を入手する上で大切であるということを確認しました。

メディアは「アントレ」とどう向き合う?新規事業の行方

第三回は、メディアは「アントレ」とどう向き合う、イノベーション施設の動向と題して行われました。

前半では、メディアがアントレプレナーシップ分野の動きをどう取材し、新規事業を手掛けているかなどについて、事例を交えながら説明し、アントレに関わるネタはどうしたらニュースとして取り上げられるのかについても元記者目線で解説しました。また、メディア自身がが手掛ける新規事業の事例も取り上げ、その可能性と課題について議論し、メディア業界においても、例外ではなくアントレプレナーシップが求められる時代であることを参加者と共有しました。

後半はイノベーション施設の最新動向として、CIC Tokyoにて毎週木曜日に開催される「Thursday Gathering」というイベントを事例として紹介しました。この場がスタートアップや投資家、支援者たちのリアルなネットワーキングの場として機能していることを取り上げ、イノベーションを取り巻くエコシステムの実態について理解を深めました。さらに本回では、メディア業界を目指す学生の関心に応える形で、西村氏による一問一答セッションも実施。「どうすればメディアで仕事ができるか」「どんな人物を取材してきたか」など、実体験に基づく率直なトークが展開され、参加学生にとって非常に有意義な時間となりました。

【参加学生の声】「アントレマインド、キャリアに生かしたい」

  • ・アントレプレナーシップには詳しくなかったが、これからのキャリアを考えるうえで生かしたいと思いました。取材で言葉を引き出す、思いつかないような表現で伝えられることはすごいと感じました
  • 大企業に入った後も学ぶ姿勢を持つことで、いくらでもやりようがあると感じました
  • キャリアを掛け算していくことで、既存の職種にとらわれず考えることができることがわかりました。いろいろな職種があるが切り分けるのではなく、つなげていくことができるという考え方が得られました
  • ・スタートアップは難しくわかりづらいイメージでしたが、テレビ番組の事例を学び、幅広い視聴者に見てもらえるような工夫を理解できました
  • ・スタートアップについてメディアが伝えることで一般の人にも考え方が伝わることがわかりました。アントレプレナーも自分たちの取り組みをどう表現すれば伝わるかについて工夫していることがわかり、自己表現の大切さを学ぶことができました

<アントレプレナーシップ教育の取組>
中央大学ではアントレプレナーシップ教育を「不確実な状況で新しい価値に挑戦する精神を育てるための基礎教育」として、起業という限定的な活動に留めず、世界に通じるエコシステムのなかで力を発揮できるグローバルなマインドを持つ人材の養成を目指しています。