フェアトレードの活動に携わる

私は高校時代から一貫してフェアトレードに関わる活動に取り組んでいます。フェアトレードとは、発展途上国で作られた農産物や手工芸品などの製品を適正な価格で継続的に取引することで、生産者の持続的な生活向上を支えていく貿易の仕組みのことです。まだまだ認知度が低いため、フェアトレードのことをたくさんの人に知ってもらうことはもちろん、フェアトレード商品を毎日の生活の中に取り入れ、それが定着していくようにすることを目標に活動しています。
イオンと協同でフェアトレードチョコレートのパッケージデザインを企画
大学では、フェアトレードサークル「FACT」に所属。フェアトレードに関わるさまざまな活動に従事しています。
最近では、イオン株式会社と協同でフェアトレードチョコレートのパッケージデザインを企画しました。このチョコレートは以前、私が所属する日高克平ゼミの先輩が開発したものです。日高ゼミを通して知り合ったイオンの担当者の方から、「まだ在庫がかなりある」との話を聞き、「もっと販売数を伸ばすためにも、パッケージデザインを変えてみてはどうでしょうか」と提案しました。
実際には、パッケージデザインのリニューアル企画を私たちが担当し、デザイン自体は全国の学生にフェイスブックやツイッター、大学や高校へのビラ配りなどで募集をかけました。結果、100通ほどのデザイン案が届きました。選ばれたのは、都立千早高校の生徒さんのもの。日本とドミニカをフェアトレードで繋ぐというデザインで、手にとってかわいらしく、フェアトレードの意味合いも伝わりやすいということで採用されました。
新パッケージのチョコレートは、2012年12月10日にイオンレイクタウンで、お客様に私たち自らが販売しました。お客様の中には、「このデザインかわいい!」といってくれる方もいて、そこからフェアトレードについてのお話をすることができ、興味を持ってもらったうえで買ってもらえたことが、とてもうれしかったです。
フェアトレードの現場を知るインターシップを体験
私は3年の夏休みから、フェアトレード事業を行う第三世界ショップでインターンシップもさせていただいています。
ここでは、現地から届いたかばんやポーチ、お箸などの生活雑貨商品の検品作業を担当。一つひとつ手作業で、サイズが合っているか、ラベルが貼られているかなどを細かくチェックしていきます。カンボジアやマレーシアなどの発展途上国では、まだまだ技術が足りないので、幅が10センチも違うものや、逆さまに貼り付けてあるもの、ポーチの口が開かないものなど、さまざまな不良品があります。このような商品を見ていると、私たち日本人がやるべきことは、一からていねいに製品づくりを指導すること、彼らの製作環境を整えていくことだと感じます。そうすることで、次第にライフラインが整い、彼らの生活環境も改善していくのです。こうやって点と線が繋がっていくのだということを検品の現場から学ぶことができました。
また、同社で働く方と共に山口県にある自給自足生活をする場所に滞在する機会もいただきました。ここでは、電気もガスも水道もない暮らしをしている人が、この世の中にはまだまだたくさんいるのだということを身をもって実感。自分はフェアトレードを広めたい側なのに、途上国に負荷をかける生活をしていることに改めて気づき、反省しました。
フェアトレードの現状を知ることは誰にでもできます。でも、それを知った上で自分に何ができるかが重要だと思います。私は、サークルやインターンシップを通して、フェアトレード商品を人に伝えることで、発展途上国の人々の生活に少しでも役立つ活動をすることができました。この活動を通して出会った人との繋がりから、また新たな可能性も生まれると思っています。
自ら主体的に行動し人との繋がりを深める4年間に
大学時代には、ぜひ人との繋がりを大切にしてほしいと思います。自ら主体的に踏み出すのは恥ずかしいと思う人もいるかもしれませんが、それではせっかくのチャンスを逃してしまっています。興味を持った授業の先生には、とりあえず話しかけてみて繋がりを深めることが大切です。もちろんこれは、ゼミやサークル、インターンシップなど、すべてに共通することだと思います。