大学院

【究める vol.158】在学生の声 鴨田 遥平さん(経済学研究科 博士前期課程)

2025年06月10日

「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。今回は「在学生の声」として経済学研究科の鴨田 遥平さんへのインタビューをお届けします。大学院でのご自身の研究をはじめ、進学した理由や大学院での研究活動・課外活動など、大学院の様子が伝わる様々なエピソードが載っています。

鴨田 遥平(かもだ ようへい)さん

研究科:経済学研究科
専 攻:経済学専攻
課 程:博士前期課程2年

大学院でのご自身の研究について教えてください

自動車解体企業の将来の収益性をシミュレーションする研究をしています。ある自動車解体企業を訪問した際に、市場の軽自動車や電気自動車の拡大に伴って、解体業としては収益が上がらなくなってしまう課題を知りました。そこで、vensimというシミュレーションソフトウェアを用いて、何年後に収益が減少してしまうかを突き止める研究に取り組むことに決めました。ハードルの高い研究ですが、大学院にいる先生方への相談や、企業の現場の方からのフィードバックを通じて、より良い研究になるよう努力しています。

大学院へ進学した理由と、中央大学大学院を進学先に選んだ理由を教えてください

大学院へ進学した理由は、就職に向けて高度な分析技術を身に付けたかったからです。私は学部時代、コンサルティング会社への就職を目指していましたが、そのためには高いレベルで数字を扱えなければならないという課題意識がありました。そこで、中央大学大学院の経済学研究科には、社会において即戦力として貢献するための幅広い能力を習得できる高度職業人コースがあると知り、中央大学大学院を進学先に選びました。
学部時代には就職するか進学するか悩みましたが、卒業後から数十年の社会人生活が始まると考えた時に、人生の中でもう少し勉強に打ち込む時間があっても良いと考えました。そしてそれは、定年後ではなく就職前に経験することで早いうちに広い視野を持つことができ、その後の選択肢も広がると考え、大学院進学を決断しました。

実際に入学してみて、大学院はいかがでしたか

自分で自由に使える時間が多いと感じます。学部時代は、3年で卒業したこともあり授業による拘束時間が長かったですが、大学院は比較的必修単位が少なく、自由な時間が多いです。しかし、その分授業外で研究に取り組まなければいけません。学習意欲や知的探究心が高く、他者から強制されなくとも勉強や研究に取り組む能力が必要だと感じます。

大学院の授業はどのように行われていますか。学部との違いや特徴を教えてください

大学院の授業は、学部と比較して小規模な授業が多いです。参加者5人前後の授業から、教授とマンツーマンの授業まであります。そのため、学部時代よりも教授や友人とディスカッションする機会や、一緒に調べながら知識を深める機会が増えました。自分の考えを他人に聞いてもらい、それに対する意見を聞くことができる場は大変貴重であり、視野を広げながら専門性を高めることができています。

実際に履修した授業について、印象に残っていることを教えてください

「統計学の実践」という授業が大変印象に残っています。前学期に学んだ統計学の基礎知識を実際に活用する授業で、社会に出るために学びを深める高度職業人コースを代表する授業だと感じています。統計手法を用いて、消費実態調査の実データや実際の企業のアンケートデータを分析する授業を通じて、データ分析をする際に気をつけることや注視するべき点を学ぶことができました。進め方としては、双方向型のいつでも質問を受け付けていただける授業形態で、分からない点をそのままにせず、効果的に学ぶことができました。このように、大学院として、また高度職業人コースとしての特徴がよく現れていた授業であったと感じています。

中央大学大学院に進学してよかったことについて

中央大学大学院に進学してよかったことは、学生の主体性を尊重する環境で新たな機会が増え視野が広がったことです。私は2025年の3月にフィリピンで開催された国際学会に参加し、多様な分野について英語で議論を交わしました。中央大学の大学院からはその際の交通費を補助していただきました。この補助がなければ、学会参加への挑戦に踏み切ることができなかったため、中央大学大学院に進学してよかったと感じています。また、自動車関連の研究をしたいと教授に相談した際には、関連企業の方や他大学の専門教授を紹介していただき、お話を聞く良い機会となりました。このような人脈も、中央大学大学院に進学したからこそ得られたものだと感じています。

授業以外の時間はどのように過ごしていますか

共同研究室で作業をしていることが多いです。授業の課題や研究活動に加え、博士前期課程1年次は就職活動に取り組んでいました。博士前期課程2年の現在は資格など自分の興味のある分野の勉強をしています。共同研究室は、同期や先輩との交流の場というだけでなく、1人で集中する場としても大変魅力的な場所で、私は高い頻度で利用しています。

大学院進学を目指すみなさんへ

大学院は、将来の目標に関わらず、学びたい学生の主体性を尊重していただける場所です。学部で学び足りない方、知的好奇心を解放しきれなかった方、このまま就職するには不安が残る方などは、ぜひ安心して進学を目指していただきたいと思います。頑張ってください!