八木田好葉さん(文学部人文社会学科教育学専攻3年)

↑大連大学での実習の様子
その一つが、ロンドン留学の際、IIEL(英国国際教育研究所)所長・図師先生の言葉を聞いて「グローバル人材」の捉え方が一変したことにあります。「本当のグローバルパーソンとは、隣の人の幸せを、会ったことのない人の幸せを、国境を越えて願える人だ。そのために、動ける人だ」と。つまり、語学に長け、国際経済・社会に貢献できることばかりが真の「グローバル」につながるわけではないのです。
また、日本語を「教える」という立場で海外の人と関わる機会を得たことで、相手のことを知ろうとする意識がより高まり、教育学を学んでいる私にとっては「教師」の立場を知ることのできる貴重な時間ともなりました。
文化とは、グローバルとは、言語とは……たくさんの問いとともにあったこのプログラムを終え、ここでの学びはこれからも私の中でひとつの軸になっていくだろうと感じています。
平井翔子さん(文学部人文社会学科教育学専攻2年)

↑マレーシア工科大学の皆さんと
またこのプログラムでは学生が主体となって活動していきますが、各教育機関の先生方をはじめ、事務の方、旅行会社の方と多くの方に支えられて、私たちは様々な機会を得ることが出来ました。今後、自身の将来を考えるにあたり、私も学生たちに自分の夢や課題、あるいは自分探しができる環境を提供し、若者のやる気を応援する仕事(例えばNPO)、そして海外につながる活動も視野に入れていきたいと思います。
柴崎達也さん(法学部政治学科3年)

↑オーストラリア国立大学の学生たちと
約1年間続くSENDプログラムに取り組む間にはハードルが数多くあり、そのハードルにぶつかって倒してしまうこともあれば、転んでしまうこともありました。例えばイギリス・ロンドンでは、日本語で日本語を教えるという直接法を学び、教育実習を行いましたが、自分の意図が学習者に伝わらず悔しい思いをしました。個人実習の本番では、自分一人では準備が間に合わず、4期生のみんなに手伝ってもらいました。上辺だけ笑っているのでは真のコミュニケーションは取れないことも学びました。こうした経験は絶対に忘れません。ロンドンから帰国後、前期授業でのプレゼンテーションや日本語授業見学を経てプログラムは加速度を増し、そして3年生の夏、オーストラリア・キャンベラにあるオーストラリア国立大学での実習では、自分らしい授業をすることができました。3週間という短期間しか滞在しない自分たちを、オープンな気持ちで受け入れてくださった現地の先生方や学生たちには感謝してもしきれません。
また、言語は学習するためだけのものや、単なるツールではなく、人と人とを「つなぐ」ためのもの、私が出会った日本語学習者たちはそのように考えているようでした。そして、そのような彼・彼女らにとって日本語は特別難しい言語ではないように見えました。この発見は、私のそれまでの言語学習に対する意識を変えるきっかけとなりました。私も今後、彼らのように言語を通して人と「つながり」、そして人を「つないでいく」ことを目指したいと思います。