■台湾の現状と国際社会■
面積は九州の約7分の6。2,338万人ほどの人口は、14の原住民族と中国大陸本土から移民したグループに分けられます。1980年代はじめより民主化が段階的に進み、経済が発展してきました。テクノロジー領域においては製造・生産者でもあります。2008年に就任した馬 英九(マー インジウ)総統は、台湾の役割について『ピースメーカー』『人道的援助の提供者』『文化交流の推進者』『新しい科学技術とビジネスチャンスの創造者』『中華文化のナビゲーター』の5つを定義し、国際環境の中で積極的に役割を果たしています。
国交があるのは22カ国。友好関係が強化され、国交がない国へも台湾の影響力は強まっています。良好な関係が続く米国、欧州、東南アジア諸国のなかでもアメリカとは特に密接に連携しており、閣僚級の交流も活発です。 中国との間でも経済貿易は活発に行われています。台湾が中国を離れてからおよそ60年。お互いの問題を扱うときは慎重な態度を示しながらも、中国との貿易関係は密接であることを台湾は直視しなければいけません。両国間の関係緩和は、近隣諸国に利益となるでしょう。 台湾における日本への感情は大変友好的なもので、一番好きな国、行きたい国として日本の名前がトップに挙げられます。事実、日本への外国人観光客は台湾からの旅行者が2014年3~6月は4カ月連続で1位でした。企業間でも日本から台湾、台湾から日本への投資希望が高まっています。日本とは東シナ海に重なり合う専属経済水域があり、長年にわたる問題として両国間に横たわっています。このようななか、2013年に17年越しの日台漁業協定が締結しました。これにより日本と台湾は、問題解決に向けた協定が結べることが明らかです。東シナ海における問題も、解決に向けて平和的な対話を継続していきたいと考えています。
■今後のビジョン■
国際社会との交流が活発になるなかで、台湾のエスニック文化を守り発展させることは課題のひとつです。原住民は台湾人口のわずか2%。しかしながら、彼らの文化は日常生活のなかに溶け込み、互いに尊重し合う背景も特筆すべきです。また、日本と同じように台湾でも高齢化、少子化が進み社会問題化しています。日本の経験を台湾での参考にしながら、同じ課題を抱える国として、連携して取り組んでいくことが大切だと感じています。現代は新しいテクノロジーを通じて、若者間では情報交換が進んでいます。台北駐日経済文化代表処としてもワーキングホリデーなどを通じ、若い世代の交流拡大についてよりチャンスを作っていきたいです。