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FACT×中央大学図書館 国際機関資料室による協働展示「フェアトレード展」を開催しました

学生と図書館が伝える「フェアトレードの過去・現在・そして未来へ」

中央大学多摩キャンパス中央図書館では、2025年12月8日から2026年1月15日まで、中央大学フェアトレード委員会FACTと国際機関資料室の協働による「フェアトレード展」を開催しました。本展示は、「フェアトレードの過去・現在・そして未来へ」をテーマに、国際協力や人権、環境といった幅広い視点からフェアトレードを理解することを目的としたものです。
来場者が展示を見るだけでなく、考え、参加し、意見を共有できる工夫がされており、フェアトレードを身近な問題として考えるきっかけとなりました。

展示の様子

図書館2階にある会場の展示ケースには、コーヒーや紅茶、チョコレートなどの食品をはじめ、バッグやエコたわしといった実用的でユニークな雑貨が並び、フェアトレード商品への関心を引きつけました。 展示スペースの中心には、FACTが厳選した貸出可能な約40冊の関連書籍が並び、メンバーが制作したカラフルな紹介POPとともに、「フェアトレード」「児童労働」「国際協力」などのキーワード別に分かりやすくディスプレイされていました。
また、FACT主催の講演会で学んだ認定NPO法人シャプラニールのフェアトレード事業の取り組みをホワイトボードで紹介し、フェアトレードの歩みや生産者を取り巻く現状を伝えました。 さらに、世界人権宣言や児童労働に関する条約を取り上げ、「人権」について深く考えるコーナーも設置。フェアトレードが、人権の尊重に根ざした仕組みであることを示しました。
このほか、フェアトレード商品を手に取って体感できるコーナー、クイズ、意見を書き込めるホワイトボードを設け、来場者が積極的に参加できる工夫が施されていました。意見ボードには、「フェアトレードを教科書で知った」「背景を知ることが大切だと思う」「生産者に豊かになってほしい」など、過去・現在・未来の視点からさまざまな声が寄せられました。

「フェアトレード展」を振り返って

中央大学フェアトレード委員会FACTメンバーより

FACT(Fair Trade Chuo University Team)はFLP国際協力プログラムの林光洋ゼミの学生が中心になって2007年に創設された団体です。活動の目的は、中央大学のより多くの人にフェアトレードに関する知識を普及し、フェアトレードを推進することです。
2025年度の主な活動内容は、5月と11月に中央大学生協の店舗にてフェアトレード商品の販売を行う「フェアトレードフェア」の開催、11月の文化祭にてフェアトレード商品を使用した模擬店の出店、12月の「フェアトレード展」で中央大学図書館の国際機関資料室と合同でフェアトレードに関する本を展示する企画(国連SDGs企画展)などです。
これらの活動を通して、学生だけでなく教職員にもフェアトレードへの理解を深めてもらい、より身近なものとして感じてほしいと思います。

今年度の「フェアトレード展」のテーマ・特徴・みどころは?
今年度は、「フェアトレード展 ~フェアトレードの過去・現在・そして未来へ~」をテーマに展示を行いました。貸出可能な約40冊の書籍を展示し、国際協力や歴史、環境など、幅広い視点からフェアトレードを理解できる構成にしました。
今回の展示の特徴は、立ち寄った方が本の表紙を見て通り過ぎるのではなく、展示に興味を持ってもらえる仕組みを整えた点です。例年制作している書籍の紹介POPや映像、フェアトレード団体の商品に加え、触れることのできる展示物やクイズ、意見ボードを設置しました。
来場者が積極的に参加できる環境を整えたことで、より多くの方にフェアトレードを知っていただく機会になったと感じています。また、本年度のFACT主催の講演会の内容と連動させた展示にしたことで、企画メンバー自身も学びを深めながら、楽しく準備に取り組むことができました。(岩田さん/経済学部3年)
開催にあたり、どのような準備をしましたか?苦労した点と工夫した点を教えてください
テーマの検討から書籍選定、POPやポスターの制作、展示品の準備、会場設営まで、国際機関資料室のご協力を得ながら準備を進めました。
工夫した点は、フェアトレードの意義を分かりやすく魅力的に伝えるため、ポスターやPOPの表現にこだわったことです。ポスターはフェアトレード商品の説明や、商品を貸し出していただいた団体の紹介に加え、認定NPO法人シャプラニールによる講演内容をもとに、フェアトレードの過去・現在・未来をまとめたポスターも制作しました。POPは、立ち寄った方が興味を持ってくれるよう、形や色、文章など細部まで工夫し、かわいいPOPが完成しました。
一方で、各団体へ個別に連絡を行い、展示用の商品をお借りするまでの調整には苦労しましたが、その分、バラエティに富んだフェアトレード商品を紹介できたと思います。(田中さん/経済学部3年)
「フェアトレード展」を終えての感想
特に印象に残っているのは、来場者がホワイトボードに自身の経験や価値観を重ねながら、多くの意見を書き残してくれたことです。「教科書で初めて知った」「価格だけで判断していたが背景を知ることが大切だと感じた」「日常の選択肢としてもっと身近になってほしい」といった声から、フェアトレードへの関心や理解の深まりを感じました。
また、単なる同情やイメージにとどまらず、フェアトレードを社会的な仕組みとして捉えようとする視点が生まれていることも感じられました。こうした思考の変化が可視化された点は、本展示の大きな意義であったと考えています。 展示を通じて寄せられた声を今後どのように次の学びや活動につなげていくかが課題であり、本展示はその出発点になったと考えています。(許さん/経済学部3年)

中央大学図書館 国際機関資料室より

本学図書館の国際機関資料室は、国際連合(UN)や欧州連合(EU)をはじめとする国際機関が発行した資料を広く一般に公開するために、1995年4月に開設され、EU情報センターや国連寄託図書館の役割を担っています。

国際機関資料室では、「フェアトレード」に関連する図書・資料の貸出履歴が多く、学生の関心が高いテーマであることに加え、本学がSDGsの理念に賛同し、国際協力と持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを推進していることから、学生団体「FACT」との協働による特別展示を企画しました。本展示は、今年度で3回目の開催となります。

今年度の「フェアトレード展」に対する反響はいかがでしたか?
来場者からは、「普段は見えにくい児童労働や不当な労働の実態を、展示を通して知ることができた」「実物のフェアトレード商品を通して、身近な問題として考えられた」など、展示をきっかけにしてフェアトレードについて考える機会が持てたという感想を多くいただきました。
商品を手に取って見ることができるコーナーや、フェアトレードクイズ、ホワイトボードでの意見交換など、参加型の展示を設けたことで、フェアトレードを身近に感じていただくことができました。また、「人権」をテーマに掘り下げて考えるコーナーも設置しました。児童労働に関しての条約や世界人権宣言の紹介は、「新たな視点を持ってフェアトレードについて考えることができた」と反響がありました。
フェアトレード展開催にあたり、FACTとどのような準備をしましたか?
展示開始の約2か月前と約2週間前の2回にわたり、FACTと国際機関資料室でミーティングを行い、展示内容や制作物の分担、進捗確認を行いました。
ポスターや書籍紹介POPなどの制作物はFACTが主体となって制作しました。ホワイトボードやモニターなど図書館の備品を活用しながら、動画やパネルも取り入れた展示レイアウトを考えました。
フェアトレード展を終えての感想
今回の展示では見学者に楽しんでもらえるように工夫して展示の内容やレイアウトを考えていきました。3年生が中心となり、2年生に展示準備の流れを伝えながら制作を行うなど、学年を超えて協力しながら展示の準備を行っていました。
授業の一環として学生が主催した講演会について、写真などを交えながら分かりやすくまとめ、フェアトレード活動の歴史・現在の取り組みや課題、そして未来へ向けて何ができるかを来場者に伝えようとしている点が印象的でした。
フェアトレード商品の展示についても、学生が主体的に考え、様々な種類のフェアトレード商品を紹介できるよう工夫し、フェアトレード団体へ依頼したり、FACTのメンバーが持っている商品を集めたりしました。
来場者からは「実際のフェアトレード商品を見ることで身近に感じ、フェアトレードについて学ぶことができた」という感想が多く、フェアトレードについて授業で学んだことを活かし、社会に発信する良い機会になったと感じています。