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2025年度ノジマアントレプレナーシップ塾「Aコース」を実施しました
2025年10月28日
学生たちが挑戦!
試行錯誤を重ねて形にしたビジネスプランをピッチで堂々と発表しました
今年で3年目となる「中央大学野島廣司学術奨励基金事業 presentsノジマアントレプレナーシップ塾」が1年を通して実施されています。5月に「リーダーシップ体験」、9月に「Aコース」が行われました。2026年3月には「Bコース」(シリコンバレー研修)を予定しています。
今回ご紹介する「Aコース」では、アントレプレナーシップとリーダーシップを踏まえたチーム作りや、ビジネスプランの計画からピッチ発表までを体験しました。
■ノジマアントレプレナーシップ塾とは
本プログラムは、本学学員の(株)ノジマ 代表執行役社長の野島廣司氏による学術奨励基金事業です。野島廣司学術奨励基金規定に基づき、野島氏の篤志(とくし)を具現化するとともに、学生の起業家精神を涵養(かんよう)し、実業界において活躍する人材の育成に資する事業を実施することを目的としています。
また、外部資金獲得を視野に入れた全学的なグローバル人材育成の取り組みとして「グローバル×アントレプレナーシップ教育」を推進することが決まっています。野島廣司学術奨励基金と全学的な取り組みが連携を図ることによる相乗効果を生み出すことも期待されます。
「アントレプレナーシップ=起業」という狭義で捉えるのではなく、むしろ「不確実性の伴う状況で新たな創造に挑戦するマインドの醸成」と定義しています。そして、失敗を恐れず、さまざまなことにチャレンジするおもしろさ、行動することによって拡がる未来を創るワクワク感を、参加者一人ひとりが持ち帰ってもえるようなプログラムです。
3日間行われた「Aコース」の様子
実施日:2025年9月17日(水)~19日(金)
場 所:中央大学 多摩キャンパス FOREST GATEWAY CHUO
Day 1
アントレプレナーシップとは「ダサくていいから何かに挑戦すること」と語る山本さん
プログラム初日は、チーム形成とリーダーシップの基礎づくりを目的に実施しました。リーダーシップ育成に強みを持つ株式会社イノベストの内藤さん、国際エデュテイメント協会の森さんによるワークと、本学卒業生で起業家の山本さん(株式会社RePlayce 代表取締役CEO)による講演を通して、「権限に頼らないリーダーシップ」の考え方を学びました。
午前は、参加者同士の距離を縮める「Windows自己紹介」から始まりました。自分を象徴するキーワードを用いて価値観を共有し、チームの信頼関係を築きました。続く「ペーパータワーワーク」では、限られた資材時間でを使ってタワーを組み立てる課題に取り組み、役割分担や意見交換が自然に生まれました。ワーク後のフィードバックでは、成果だけでなくプロセスやコミュニケーションの重要性を振り返る時間となりました。
午後行われた山本さんの講演では、自身の経験を交えながら、一歩踏み出すことの大切さを強調しました。これからの時代は、仕組みに従うのではなく、自ら問いを立て新しい価値を創造できる人材が求められると述べ、「この場に来ている皆さんなら必ずできる!」とエールを送りました。
その後のワークでは、価格ではなく「顧客が感じる体験価値」や「ストーリーづくり」に焦点を当てた議論を行い、市場分析を通して社会課題の発見から仮説構築に取り組みました。
少人数での開催となり講師との距離が近く、学生たちは積極的に対話を重ねながら、3日間の学びの土台を築きました。



Day 2
2日目は、スタートアップの思考法とチーム運営を実践的に学びました。前日に結成したチームで役割を分担し、CEOやCFOといったポジションを設定することで、起業初期のプロセスを体験しました。
午前は、内藤さんと共に前日の振り返りから始まり、チームで「自分たちが目指す理想の姿」を言語化しました。ビジョンの共有を通して意思統一を図り、その実現に向けた行動指針を定めました。
続いて、森さんのご指導のもと、スタートアップの定義や成長段階、資金調達や事業戦略などのプロセスを学び、「失敗を恐れない挑戦」や「スピード感のある意思決定」の重要性が語られ、学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
午後は、選定したスタートアップ企業を題材にリサーチを行い、ピッチ資料の作成に取り組みました。役割に応じた視点で議論を進め、中間報告ではチームがビジネスモデルを発表しました。講師からは「ターゲットの明確化」や「価値提案の一貫性」など実践的な助言を受けました。限られた時間の中でも互いに意見をぶつけ合い、3日目の発表に向けて一体感が高まっている様子が見られました。



Day 3
Zakさんとオンラインでつなぎ、ピッチの極意やプロジェクトへのアドバイスを受けました
最終日は、これまで構築してきたビジネスモデルを発表する「最終ピッチ」と、3日間の学びを総括する1日でした。
午前は、前日までに作成した資料をもとに発表内容を磨き上げました。
Zakさんによる「シリコンバレー式ピッチの極意」の講演では、ピッチの目的は「投資を得ることではなく、共感を生むこと」と説明され、ストーリーテリングや聞き手を意識した話し方の重要性を強調されました。学生たちはその教えをすぐに自分たちの発表に反映し、構成を短時間で再調整するなど柔軟に取り組んでいました。
午後は、井上学部長、梅田学部長、玉巻さん(D-COMPASS)、森さんの4名を審査員に迎え、チームが練り上げたアイデアを発表しました。テーマは「Edtech(Education×Technology)」で、独自の視点や社会的意義が感じられる内容でした。
審査員からは「課題設定の独創性」「チームの一体感」「実現性の高さ」が評価され、学生たちは充実感に包まれながらフィードバックを受けました。振り返りでは、「仲間と協力する中で新たな自分に気づけた」「挑戦することの楽しさを実感した」といった感想が聞かれ、達成感に満ちた表情が印象的でした。
学生たちは、審査員や講師の前で精一杯伝えることを意識しながら発表に臨み、ピッチ後も改善点を考え、本気で起業に挑戦したいという前向きな気持ちが感じられました。

元気と自信にあふれるピッチ発表がスタート

サービス内容や市場規模、スケーリングの展望まで丁寧に説明しました

メンバー一丸となって、審査員からの質問に対応しました

審査員の商学部長 井上義朗(左)/D-COMPASSの玉巻さん(右)
参加学生の感想
人数が少なかったこともあり、講師の方とかなり壁打ちができたので、アイデアが出るたびにフィードバックをいただけました。とても豪華なプログラムだなと思いました。自分たちだけで不安に思うことがあっても、すぐにフィードバックをいただき、どんどん改善、ブラッシュアップできていたので、不安というよりは、明るい希望であふれていた感じでした。
過去にビジネスコンテストを参加したことはありましたが、ここまで濃く取り組んだのは初めてでとても貴重な経験になりました。3日間とは思えないほど、メンバーと仲良くなり、とても楽しかったです。
すべてのものが学びになったなと感じました。リーダーシップを高めるための講義では、内面を知ることができました。プロジェクトでは、どこにターゲットを置くかに苦労しましたが、トライ&エラーを繰り返しながら進んでいき、新鮮で学びにあふれていました。
無理だと思ってあきらめてしまいそうになったけれど、そこであきらめない人が成功していく人なんだなと思いました。メンバーの姿に刺激を受け、自分も頑張ろうと思えたことに感謝しています。
講師のご紹介
内藤 萌 氏 | 株式会社イノベスト

高校時代の経験を踏まえ、リーダーシップを学ぶために大学に入学。卒業後、パーソルグループでオフィスのコンサルティングに従事。学生が社会に出ることにワクワクしてほしい、自分に自信を持ってほしいと思い、(株)イノベストに転職し、リーダーシップ教育の導入運営支援を行う。横浜市立大学、東洋英和女学院などいくつかの大学にて授業運営支援や講師を担当。企業様とリーダーシップ導入大学のコーディネートも担う。
森 俊介 氏 | 一般社団法人 国際エデュテイメント協会 代表理事

中高時代に、ベルギーのインターナショナルスクールにて国際バカロレアプログラムを受講。帰国後に高校生ビジネスコンテストで優勝。上智大学大学在学中にはカンボジアの農村部で英語映像授業プログラム「EDUCA」を立ち上げ、準グランプリを受賞。ジョイズ(株)ではAl英会話サービス「TerraTalk」の立ち上げメンバーとして参画した後、現在は国際エデュテイメント協会の代表理事として、EdTechツールの導入や教材企画・制作事業を推進。教育の革新と国際的な学びの環境の向上に貢献。
村瀬 功(Zak Murase)氏 | Managing Director, Pacific Sky Partners

シリコンバレー 在住27年。SonyでパソコンVAIOの立ち上げなとを経て、2013年に日系ベンチャーキャピタルのシリコンバレー オフィスを立ち上げスタートアップ投資に従事。2017年に独立し、シリコンバレーにおける日本企業やスタートアップの支援を中心に活動している。特に最近は日本からグローバルヘ展開するスタートアップや起業家の支援に力を入れている。
山本 将裕 氏 | 株式会社RePlayce 代表取締役CEO

2010年本学経済学部卒業。NTTドコモのスタートアップで、中高生から始める人材開発として、探求/キャリア教材の開発と講師育成、オンラインスクール運営、プログラムのサブスクを行っている。年数回、社会人の講演を聞いても社会のことが分かるわけがない、社会について継続的に楽しく学べるサービスを展開し、さらに企業や社会と共に作る高校を開設した。
玉巻 秀規 氏 | D-COMPASS INC

大阪大学卒。三菱UFJ銀行に15年勤務した後、スタンフォード経営大学院で学んだ。海外滞在歴18年(アメリカ、コロンビア、香港)。現在はノジマアントレプレナーシップ塾Bコースの講師としても本学との連携を図っている。D-COMPASSでは共同代表として、シリコンバレーを拠点に、中学生・高校生・大学生向けに「現地スタディキャンプ形式」及び「オンライン形式」でアントレプレナーシップ&キャリア教育プログラムを提供している。
「Bコース」(シリコンバレー研修)参加者募集!

事前研修で学んだことを活かして、現地企業への訪問やスタンフォード大学生との交流など、実践的な学びを体験する10日間のプログラム
1. 事前研修(宿泊型)2025年12月|2日間
2. 事前研修(オンライン)2025年12月~2026年2月|4回
3. 現地スタディツアー(米国)2026年2月11日~21日|9泊11日