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インドで挑戦し、世界を知る 「インターンシップ体験レポート2026」
2026年10月15日
インドの空港に到着した学生たち
週末を利用して世界遺産タージ・マハルを訪問
本学では、文部科学省が掲げるアントレプレナーシップ教育の一環として、2024年度よりインドのシリコンバレーと呼ばれる南部の都市・ベンガルールを中心に、スタートアップ企業や日系企業へ学生を派遣するインターンシッププログラムを実施しています。
今年度は、理工学術院(理工系3学部)3名、国際経営学部3名、商学部2名の計8名が参加し、Yulu Bikes、豊田通商インディア、Myelin Foundry、AOTS/Nihon Globalで、約1か月間のインターンシップに取り組みました。
今回は、インターンシップを経験した学生2名に、業務を通じて得た学びや異文化の中での気づき、そして今後どのようにその経験を生かしていきたいと考えているのかについて話を聞きました。
「目の前のことを、愚直にやり抜く」
インドの現場で知った、地道な努力が経済や社会を支える
福島 海音│商学部会計学科3年生
派遣先 豊田通商インディア(インド・ベンガルール)
世界へ視野を広げた大学での挑戦
元々は公認会計士を目指して中央大学商学部会計学科に入学しました。しかし、1年生の時にタイ・ラオスへ一人旅に行き、その後、ペルーから最南端まで南米を縦断した経験を通じて、世界観が大きく変わりました。また、ゼミでニューヨークを訪れたほか、学内で募集していた「ノジマアントレプレナーシップ塾」に参加し、海外研修でシリコンバレーを訪問するなど、積極的に海外に出て挑戦してきました。大学生活で得た出会いや経験が、自分の視野を外へ外へと向けさせてくれました。
総合商社への関心から挑んだインドインターンシップ
インドのワールドトレードセンター(WTC)ベンガルールにあるガンジー像(豊田通商インディア本社 所在施設)
インターンシップへの参加を決めた理由は3つあります。
1つ目は、元々総合商社に興味があり、そのインターンシップ経験を積めることに加え、成長国の代表格であるインドで生活しながら働く経験ができる非常に貴重な機会だと感じたからです。
2つ目は、総合商社で働く人たちに直接会い、その価値観や働き方に触れてみたかったことです。また、自分が抱いていた総合商社のイメージと現実との違いを確かめる絶好の機会だと考えました。
3つ目は、私が生涯かけて叶えたい「世界人口の1%の子どもを笑顔にしたい」という想いが、今回受け入れていただいた豊田通商のミッションである「未来の子どもたちにより良い地球を届ける」と非常に近い価値観を共有していると感じたからです。
「現地・現物・現実」の三現主義を体感
豊田通商インディアとトヨタディーラーの方々
インターンシップでは、インド有数のIT都市であるベンガルールにある豊田通商株式会社の現地法人である豊田通商インディアで1か月間インターンシップを行いました。期間中は、主に豊田通商インディアの関連会社であるトヨタディーラーで活動、ほぼ全ての店舗を訪問し、12件の地域イベントの企画・運営に携わりました。
私に与えられたミッションは、現場で毎日3〜5件の違和感や課題を見つけ、現地マーケティング部と改善策を議論し、その日のうちに実行することでした。片道2〜3時間に及ぶ渋滞のなか、現場へ向かい、スタッフ一人ひとりへのヒアリングや一次情報の裏取りなどを重ねました。その結果、部門ごとに解釈が異なっていた現場用語の定義を整理・統一するなど、実際の業務改善にも携わることができました。
この期間、現場での課題の発見、提案、実行、そして効果の検証までを一貫して経験したことで、豊田通商が大切にする「現地・現物・現実」の三現主義を身をもって学びました。この経験を通じて実感したのは、「目の前の課題に愚直に向き合うこと」の大切さでした。華やかに見える海外ビジネスの裏側には、現場で地道に課題と向き合い続ける人たちの努力があります。その一つひとつの積み重ねが、人々の暮らしや経済、社会を支えているのだと学びました。
私は以前、南米ボリビアを訪れた際、夜の街で幼い女の子が物乞いをする姿を目撃し、「世界中の子どもたちの生活水準を引き上げ、誰もが笑顔で暮らせる社会を作りたい」と強く決意しました。それが、「世界人口の1%の子どもを笑顔にしたい」という想いの原点です。
豊田通商インディアのインターンシップを通じて、単に車を売るだけではなく、「安全なモビリティを届けることで人々の暮らしや命を支える」という考え方を学びました。その姿勢に触れ、この仕事に強い誇りと社会的意義を感じました。
インターンシップでの経験を一言で表すなら、『目の前のことをがむしゃらに・愚直に行うことには大きな意味があり、非常に有意義である』ということです。現地・現物・現実を見て、泥臭い活動を愚直に積み重ねるからこそ車が一台でも多く売れ、移動が安全になり人の命が守られる。目の前の活動を一生懸命に行うことにこそ真の価値があると確信しました。
後輩へのメッセージ
ぜひ多くの学生の皆さんに参加してほしいです。特に2年生の時期は大学生活にも慣れ、世界に目を向ける余裕が出てくるタイミングなので非常におすすめです。異国の地で『その地域の本質は何なのか』を徹底的に考える時間は、自分の感性や軸を大きく変える貴重な経験になります。「自分を変えてみたい」「きっかけを得たい」と思う人は、ぜひ一歩を踏み出して挑戦してほしいと思います。
インドでの温かい人たちとの「出会い」を通じて見つけた自分の生き方
S.K.│国際経営学部
派遣先 Yulu Bikes(インド・ベンガルール)
入学式で決めたインターンシップへの挑戦
高校生のころからインドの豊かな文化や人々に強い関心を抱いており、「いつか現地に行ってみたい」という想いを長年温めていました。その夢が現実に向けて大きく動き出したのは、中央大学国際経営学部の入学式の日です。学部で提供されているインドでのインターンシッププログラムがあることを知り、その瞬間に「絶対に行こう」と思いました。当時は大学に入学したばかりで、経営に関する専門知識はほとんどありませんでした。また、明確なビジネス上の目標があったわけではありませんでしたが、「大学生活の早い段階で、海外での現場や実務を経験したい」という想いから、挑戦しました。
インターンシップ先で挑んだ市場調査と主体的な学び
インターンシップ先は、インドのベンガルールで電動モビリティ事業を展開するスタートアップ企業「Yulu Bikes」です。最初の1週間は、指定された記事や資料を読み込み、メンターやチームメンバーとのミーティングを通じて会社全体の仕組みや事業モデルを理解することから始まりました。
全体像がつかめてきた頃、「日本の類似するシェアリングバイク市場についての調査」という課題が与えられました。自国市場の動向を調べてドキュメントにまとめ、後半にはプレゼンテーション用のスライド作成まで担当しました。
また、今回のインターンシップでは受け身にならず、自分の課題に必要なスキルを能動的に獲得することにも挑戦しました。自ら「Excelを基礎から学びたい」と希望を伝え、1日のスケジュールの中に1時間の学習時間を設けてもらいました。また、昼食後には、毎日メンターとの1on1ミーティングを行い、その日の進捗や疑問点をていねいに確認し合い、アウトプットの精度を高めていくプロセスを経験することができました。
異文化と温かい「出会い」
Ganesh Chaturthi(ガネーシュ・チャトゥルティ)の時期に、インターンシップ先の社員のご家族に招いていただいた家庭の飾り付け
現地で最も印象的だったのは、日本とは異なる職場環境と自由な働き方、そして何よりも現地の人々の温かさでした。
オフィスが集まるTech Park内の職場はとても明るく、初日から打ち解けやすい雰囲気でした。驚いたのは出勤時間やリフレッシュのスタイルです。10時半に出勤すると自分がチームで一番乗りで、他のメンバーは11時〜12時頃に出勤。到着するとまずカフェテリアでコーヒーを飲みながら和やかに会話を楽しみ、11時半頃から本格的な業務が始まります。午後にもチャイ休憩やTech Park内の散歩を挟み、適度にリフレッシュしながら集中して働くスタイルや、若いスタートアップらしく年齢に関係なく上司へ自分の意見を積極的に発言するフラットな風土は非常に新鮮でした。
一方で、コミュニケーションにおけるカルチャーショックもありました。特に戸惑ったのが、インド特有の首を横に振るジェスチャーが「Yes」(大丈夫・理解した)を意味する、という習慣です。事前研修で知識としては知っていたものの、自分が「これで合っていますか?」と質問した際に相手が首を横に振ると、とっさに「違っているんだ」と誤解してしまい、どうすればよいかを何度も聞き直して変な空気になることもありました。しかし、日々のコミュニケーションを重ねる中で次第に慣れ、異文化をそのまま受け入れる柔軟性が身につきました。
会社の方のご家族に自宅へ招いていただき、床に座って手で食べるインドの食文化を体験
そして何より、この1ヶ月で私の価値観を大きく変えてくれたのが「人との出会い」です。オフィスでは誰もがフレンドリーに接してくれ、同じチームの同僚は、週末に2度も旅行へ連れて行ってくれるなど、単なる職場の同僚という関係を超えて、家族のように接してくれました。彼らの地元やご実家に招待していただいた際も、ご家族を含めて温かく迎え入れてくれ、「お腹はすいていないか?」「気分は大丈夫か?(All good?)」と常に私を気遣ってくれました。
日本での生活では、あまり多くの人と深く関わるのは得意ではないと思い込んでいたのですが、インドでの温かい関わりを通して、人と心を通わせることが自分の内面をいかに豊かにしてくれるかに気づかされました。また、街の清潔さや生活の便利さ以上に、「どのような人々に囲まれて生きるか」が自分にとって重要であるということを理解し、将来どのような環境に身を置いて生きたいかを考えることができました。
後輩へのメッセージ
今回のインターンシップを一言で表すなら、「出会い」です。もちろん業務や市場調査での学びも大きく貴重なものでしたが、それ以上に現地で出会った人々とのつながりが、私の大学生活、そして人生にとって掛けがえのない財産となりました。
もし今、海外インターンシップや新しい挑戦に対して「やってみたい」という気持ちが少しでもあるのなら、やらない選択肢はありません。始める前にどれだけ悩んでも、実際に現場に飛び込んで行動してみなければ、そこで何が得られるのか、自分がどう変われるのかは誰にもわかりません。
今回の経験で得た出会いと学びは、これからの人生においてかけがえのない財産です。