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GO GLOBAL|マラヤ大学×中央大学「中央大学デー」を開催しました

2026年5月30日(土)から6月3日(水)まで、中央大学の協定校であるマラヤ大学(マレーシア・クアラルンプール)理学部より、学生17名と引率教員1名が来日しました。一行は、日本の文化や自然に触れるとともに、神奈川県および東京都におけるごみ処理や資源循環、自然環境について、体験型展示や施設見学を通して理解を深めました。

6月1日(月)には、本学 全学連携教育機構の受入れにより、後楽園キャンパス産学官連携・社会共創フロアにて「マラヤ大学×中央大学 中央大学デー」を開催しました。本学教員による特別講義、研究室訪問、SDGs関連の学生発表の交流などを実施し、両大学の友好をさらに深める貴重な交流の機会となりました。

はじめに、全学連携教育機構長を務める西川可穂子(副学長・商学部教授)より、マラヤ大学の皆様への歓迎の挨拶があり、協定校から学生の皆様をお迎えできることへの喜びが述べられ、和やかな雰囲気の中でプログラムが始まりました。あわせて、国際センター副所長の栗原文子(商学部教授)からもご挨拶があり、交流の意義について触れられました。

特別講義

理工学術院 鈴木宏明教授(精密機械工学科)による、「医療・農業・環境応用のためのマイクロ流体技術」と題した講義が行われました。

講義では、マイクロ流体技術(マイクロチップ)を活用した生体分析技術について紹介がありました。インフルエンザや新型コロナウイルス(COVID-19)の検査に活用されているように、短時間でウイルスを検出できる迅速診断技術が身近な例として示されました。さらに、1枚の小型チップ上で試料準備からPCR、酵素反応、電気泳動までの一連の工程を集約し、生体分析を行うDNA分析技術についても説明がありました。
加えて、鈴木教授の研究室では、細胞を1つずつ分離して詳しく調べることができる「細胞計測用バイオチップ」の開発が進められており、講義ではその仕組みや応用について紹介されました。

また、細胞を1つずつ分けて調べる解析技術や、非常に小さな液体の粒(マイクロドロップレット)を利用して、多数の細胞や遺伝子を同時に解析するバイオチップ技術も取り上げられました。学生たちは、実際にこのバイオチップを手にし、興味深く講義に耳を傾けていました。
鈴木教授の研究室のホームページでは、これらの技術がマンガで分かりやすく紹介されています。

         古米弘明 機構教授による講義の様子

続いて、研究開発機構 古米弘明 機構教授より、「Sustainable Water Use and Flood Risk Management Strategies for Climate Change Adaptation」と題して、気候変動に伴う水資源の課題、都市の持続可能な水利用、都市洪水リスクとそのリアルタイム制御について講義が行われました。東京都などを事例に都市における雨水や再生水の活用の意義が説明されました。また、都市浸水の発生機構や気候変動を踏まえた浸水対策の方向性とともに、下水管路内の水位観測やシミュレーションによる浸水予測の最新研究事例が紹介されました。

マラヤ大学の所在するクアラルンプールでも浸水は大きな課題であり、実際に被害を経験した学生もいることから、日本の都市におけるこうした雨水管理の取り組みに大きな関心が寄せられていました。

古米機構教授の研究ユニットのホームページでは、関連の研究成果が紹介されています。

研究室訪問

特別講義の後は、研究室訪問を行いました。

最初に訪問した理工学術院 鈴木宏明教授(精密機械工学科)のナノバイオモデリング研究室では、マイクロ加工技術を活用した研究開発を一貫して行うための設備が整っています。研究内容を学んだ後の訪問となったこともあり、学生たちは研究機材に強い関心を示していました。クリーンルームでは、防護服を着用し、微細なほこりの混入を防ぎながら作業する学生の様子を熱心に見学していました。

続いて、理工学術院 福井彰雅教授(生命科学科)の組織構築学研究室を訪問しました。ここでは「生命はどのように形づくられるのか」という根本的な問いに基づき、原腸形成・ゲノム進化・組織再生という3つの視点から研究が行われています。研究室では、様々な成長段階にあるカエルとイモリが飼育されており、なかでも、参加者の目を引いたのはアルビノのカエルとイモリでした。実際に研究対象となる生物を目にしたことで、驚きと高い関心に満ちたにぎやかな訪問となりました。

最後に、都市生態学を専門とする理工学術院 原田芳樹教授(人間総合理工学科)の都市生態学研究室を訪問しました。授業中の原田教授に代わって、大学院の学生2名がそれぞれ担当する研究について説明を行いました。後半には、授業を終えた原田教授が合流し、活発な質疑応答が行われました。

ランチ交流会

昼食の時間には、同世代の日本人学生との交流が行われました。学生同士はすぐに打ち解け、趣味や食べ物、言語などについて会話が弾み、マレーシア、日本それぞれの文化について互いに教え合い、理解を深めるひとときとなりました。

日・マレーシア学生による発表

本学理工学術院  ホーテス・シュテファン教授(人間総合理工学科)の進行のもと、両大学の学生によるSDGsに関連した取り組みが紹介されました。

(1)    中央大学学生による発表  
中央大学SDGsアクションプランアワード2024最優秀賞をきっかけに設立された「Well-beeing」(“Bee”=蜂にちなんだ名称)のメンバーが「蜂でつなげるエコロジカルネットワーク」と題し、「養蜂」を通じた持続可能なキャンパスづくりに関する取り組みを紹介しました。生物多様性の重要性を背景に、キャンパス内でミツバチを活用したエコロジカルネットワークの構築を目指す活動が進められています。

続いて、2025年度の同アワードで最優秀賞を受賞した理工学研究科1年生の学生が「空き教室、視える化プロジェクト」について発表しました。教室の電気や空調の消し忘れといった日常的な課題に着目し、その原因を分析したうえで、空き教室の見える化による改善策が提案されました。マラヤ大学の学生からは、省エネの観点からセンサー制御システムの導入案が共有されるなど、活発な意見交換が行われました。

(2)    マラヤ大学学生による発表
マラヤ大学の学生からは、「持続可能な航空燃料(SAF)」について発表がありました。再生可能エネルギー由来の燃料の活用事例を通じて、温室効果ガス削減やカーボンニュートラル実現への貢献、新たな産業創出や経済機会の創出する可能性について共有されました。
また、ブラックソルジャーフライ(BSF)を活用した「循環型農業モデル」についても紹介がありました。大学内で食品廃棄物を再利用し、BSFを使って高タンパクの飼料や有機肥料へと転換する取り組みは、日本人学生からも高い関心を集め、廃棄物を資源に変えて循環させる実践的なモデルとして注目されました。

マラヤ大学の参加者からは、今回の訪問を通して有意義な学術交流ができたとの声が寄せられました。また、中央大学後楽園キャンパスの充実した施設や快適な空間、3号館最上階からの眺望にも感銘を受けたとのことです。さらに、日本滞在中には、富士山や湘南の海といった美しい自然、日本の人々の温かい対応、渋谷や原宿の活気ある街並みなど、多くの印象的な体験があったとの感想も聞かれました。
最後に、今回の受け入れに対する謝意とともに、「中央大学の学生の皆さんにもぜひマラヤ大学を訪問してほしい」とのメッセージがあり、両大学のさらなる交流への期待が感じられました。

左から西川可穂子教授(副学長・全学連教育携機構長)、マラヤ大学 シティ・ロハナ・マジット教授(理学部)、上野祐子教授(理工学術院国際委員)

今回のマラヤ大学の訪問に際しては、今後のマラヤ大学との連携や学生交流の推進について、意見交換も行われました。

今後も中央大学では、マラヤ大学をはじめとする海外協定校との交流を通じて、学生の国際的な視野を広げるとともに、学術的・文化的な学びの機会を積極的に提供していきます。