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「第3回 中大アントレキャンプ」で高校生が社会課題をビジネスで解決することにチャレンジしました

高校生たちが仲間と共に『食』の課題解決に取り組みました

2025年8月4日(月)、多摩キャンパス グローバル館 7階ホールで「第3回中大アントレキャンプ」を開催しました。
夏休みを利用して全国から36名の高校生が参加し、7つのチームに分かれて「『食』の困りごとを解決しよう」という課題に取り組みました。各チームには中大生のファシリテーターが加わり、専門講師のレクチャーを受けながら課題を掘り下げ、議論を重ねてアイデアを形にしていきました。最後はポスターにまとめて発表し成果を披露。
仲間と共に挑戦を重ねる中で、高校生たちは実践的な学びを深め、大きな自信へとつなげていました。

本学ではアントレプレナーシップ教育を「不確実な状況で新しい価値に挑戦する精神を育てるための基礎教育」として、起業という限定的な活動に留めず、世界に通じるエコシステムのなかで力を発揮できるグローバルなマインドを持つ人材の養成を目指しています。
本イベントは、高校生が社会課題の解決にチャレンジする1DAYワークショップです。課題を単なる「アイデア出し」ではなく「ビジネス」で解決することにチャレンジします。

ワークショップの様子

1. 課題を定義しよう!

まず、「課題定義の重要性」について学びました。なぜその課題が起きているのかを詳しく調べて理解し、「何が本当の課題なのか」を定義することが課題解決の第一歩となります。さらに、困っているのは誰か、その人は何を望んでいるのかを考えました。
また、イノベーション(=新結合)とは、アイデアとアイデアのかけ合わせであり、特別な人だけでなく誰にでも可能であること、自分の知識や経験に加えて、さまざまな情報を組み合わせてみることの大切さを理解しました。
グループワークでは、課題や困りごとを掘り下げ、その解決に向けたアイデアを形にするために、グループで話し合いながら商品やサービスを考案しました。

チームごとに考案した商品やサービスについて、調査をスタート。参加者たちは付箋を手に、会場内のゲストやメンター、他の参加者にも積極的に声をかけます。事前に準備した質問を投げかけ、率直な意見を集めました。聞き取った声はその場で付箋に書きとめ、アイデアを客観的に整理できるよう工夫しました。なるべく多くの人に意見を聞こうとする姿勢が印象的でした。

2. 解決案を掘り下げよう!

事業を持続可能にするために「利益の出し方」「価格の考え方」「商品・サービスの優位性」について考えました。チームごとに価格設定や収益の仕組みなどを話し合いました。行き詰まった時には経営アドバイザーに相談し、アドバイスを受けながらプランを修正。議論と相談を重ねる中で、ビジネスプランとしての完成度を高めていきました。

3. 企画・表現しよう!

調査とコンサルテーションを通じてブラッシュアップした商品・サービスをポスターにまとめました。「課題を持っている人が喜ぶものか」「人の共感を得られるものか」「単なるアイデアではなく持続可能なものか」といった視点を大切にし、必要としている人に伝わる明確な表現を心がけました。
ポスター制作と並行して発表準備も進めました。1分という限られた時間の中で、自分たちの思いや工夫をどう伝えるかを話し合い、役割分担や発表の流れを確認しました。

4. 発表し思考を深めよう!

いよいよ各チームによる発表です。自分たちのアイデアをいかに簡潔に、そして分かりやすく伝えるかがポイントとなります。声の大きさやポスターの見せ方、聞き手に伝わりやすい言葉選びなどに気を配りながら、プレゼンに臨みました。発表後には、参加者が付箋にギフト(コメント)を記入します。
続くポスターセッションでは、発表を聞いて興味を持ったチームのブースを訪ね、商品やサービスについて深掘りしながら意見交換が行われました。このとき、参加者は先ほど書いた付箋を貼り、各チームは率直な感想や建設的な意見を受け取りました。

参加学生の感想

高校生の感想

●「課題解決」の授業は経験がありましたが、「収益を考える」ところまではやったことがなく、初めて新しい視点に触れました。難しかったですが、いい刺激になりました。

●今日の活動では、みんなが自分の特技やこれまで培ってきた力を発揮できたと思います。チームのみんなが私の演技力やアイデアをうまく活かしてくれました。また、チームでアイデアを出し合い「これいいんじゃない」と言ってもらえた時はとても嬉しかったです。

●突飛なアイデアでも拾うことが大事だと思いました。班で出た意見も、何気ないぼやきから出てきたものが多かったのですが、小さなアイデアでも突き詰めていけば良いアイデアになるし、現実的な問題にぶつかったときに、どう対処するかを考えることも勉強になりました。

●私は社会起業家を目指しているのですが、もともとある解決策にどうやって独自性を出して、どれだけ付加価値を見出していくかというところがすごく難しいなと思いました。

●私はこれまでビジネスは一人で進めるものだと思っていましたが、今日チームで取り組んでみて、みんなで話し合うことでたくさんの意見が出て、本格的なビジネスプランにつながるんだと実感しました。また、プロの方に頼ったり、相談したりすることの大切さにも気づくことができました。

●最初はこんなにすごい企画になるなんて思っていなかったので、今も驚いています。同年代で“起業”に興味を持つ人と出会える機会はなかなかないのですが、その中で自分の力が通用して自信を持つことができました。とても充実した一日でした!

中大生ファシリテーターの感想

●ぼやっとした何かのアイデアから起業のアイデアを形成していく様子を1日にギュッと凝縮して、それを間近で見られたことがすごく貴重な体験で、参加できてよかったです。この貴重な経験を今後の学生生活に活かしていこうと思います。

●チームのみんながとても個性豊かで、次々にアイデアが出てくるので、私がメンターとして指導する必要はほとんどありませんでした。時間の管理や壁打ち行こうかと言うくらいで、プランを自分たちの力で完成させていました。さらに、短時間でピッチやポスターを仕上げた姿には本当に驚かされました。
私自身、中大のG-SPARKという起業プログラムに参加しているので、今度は私が頑張らなければいけないなと思い、いい刺激になりました。

●どのチームもユニークで面白いアイデアばかりで楽しかったです。壁打ちの時に厳しい意見をもらうこともありましたが、最後まであきらめずに工夫してまとめ上げ、堂々と発表できたことは本当にすごいと思います。今回の経験をこれからの学校生活や挑戦にぜひ活かしてください!

●今回の取り組みは、自身の知見や今後の選択肢を見つめ直すきっかけにもなったと思います。みんながそれぞれの個性や強みを発揮して、お互いに補い合いながら最後までやり切った姿は本当に素晴らしかったです。