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『2024年度ノジマアントレプレナーシップ塾(Aコース)』を実施

中央大学野島廣司学術奨励基金事業 presents
ノジマアントレプレナーシップ塾「リーダーシップ&ピッチプログラム」

 中央大学野島廣司学術奨励基金事業 presentsノジマアントレプレナーシップ塾、2年目となる今年度は【Aコース】として「リーダーシップ&ピッチプログラム」、【Bコース】として「シリコンバレープログラム」が実施されます。今回ご紹介するのは【Aコース】「リーダーシップ&ピッチプログラム」で、3日間のグループワークを中心に、ダイバーシティのあるチーム作りからシリコンバレー式ピッチ発表までを体験しました。

ノジマアントレプレナーシップ塾とは

 本プログラムは、本学学員の(株)ノジマ 代表執行役社長の野島廣司氏による学術奨励基金事業です。野島廣司学術奨励基金規定に基づき、野島氏の篤志(とくし)を具現化するとともに、学生の起業家精神を涵養(かんよう)し、実業界において活躍する人材の育成に資する事業を実施することを目的としています。
 また、本学の全学連携推進会議において、外部資金獲得を視野に入れた全学的なグローバル人材育成の取り組みとして「グローバル×アントレプレナーシップ教育」を推進することが決まっています。野島廣司学術奨励基金と全学的な取り組みが連携を図ることによる相乗効果を生み出すことも期待されます。

 「アントレプレナーシップ=起業」という狭義で捉えるのではなく、むしろ「不確実性の伴う状況で新たな創造に挑戦するマインドの醸成」と定義しています。そして、失敗を恐れず、さまざまなことにチャレンジするおもしろさ、行動することによって拡がる未来を創るワクワク感を、参加者一人ひとりが持ち帰ってもえるようなプログラムです。

3日間行われたプログラムの様子

 2024年9月17日(火)、18日(水)、19日(木)、全学部全学年・大学院から32人の学生が中央大学 多摩キャンパス FOREST GATEWAY CHUOの教室に集まり、3日間にわたるプログラムが行われました。

Day 1

押田さんによる講義を熱心に聞く学生たち

 プログラム初日、(株)イノベスト押田さんのご指導のもと、午前中は、Windows自己紹介、「Why am I here for」についてのグループ共有、リーダーシップ等の講義をしていただきました。学生たちはほぼ全員が初対面という環境の中、初めは緊張をしている様子でしたが、Windows自己紹介で相手との共通点や興味を持ってもらえるようなキーワードでの交流で、あっという間に仲が深まっていきました。
 午後は、ペーパータワーワーク・フィードバック体験、プログラムの個人目標の設定、チーム内での役割分担(CEO,CFO,COOなど)と目標設定、「農業領域のスタートアップ」プロジェクトのキックオフには、オンラインにて(株)グローバルステージの大洲さんにご参加いただきました。

 2日目から始まるスタートアップの選定について、「限られた時間で問題やニーズを調査してまとめる」ということに学生たちは大苦戦していました。「もう少し時間が欲しい」との声もありましたが、「スタートアップは限られたコスト(時間・お金)でビジネスを行う」との講師の言葉から、具体的な数値を算出する、役割を決めて効率的にプロジェクトを進めてみる、というように何らかの形で結果を編み出そうと努力する姿が見られました。

Day 2

長友さんの講演会では積極的に質問する学生の姿が見られました

 2日目の午前中、就職と起業を経験した(株)Zenmetry 長友さんの講演会では、講師が学生に積極的に質問等をしたこともあり、少しずつインタラクティブなやり取りが見られるようになりました。
 長友さんの講演後、「どういう風に事業企画を思いつくのか」「日頃のお節介が自分の軸に繋がるという話が印象に残った」「大企業だけを目指していたが個人により寄与できる事業に携わりたいと感じベンチャー企業も視野に入れてみたい」との学生からの感想が寄せられました。
 午後は(株)グローバルステージ 森さんのご指導のもと、スタートアップとイノベーション部門について学び、ピッチ発表に向けた国の最終選定&スタートアップリサーチなどを行いました。

 グループワーク開始ということで、前日に準備したコラージュワークを使っての30秒ピッチなど、3日目に向けてウォーミングアップを進めていき、チームの中での役割分担が少しずつ自然にできてきたようでした。一方で、数名の欠席者があり、グループ人数の偏りが若干出てしまい、限られた人数と限られた時間で準備をすることの厳しさも体感することになりました。

Day 3

左:ベンチャーキャピタリストの宮城さん/右:中大OBで起業家の新島さん

 プログラム最終日。午前中は、大詰めを迎えたピッチ発表の準備としてリサーチ&内容追加を行いました。シリコンバレー在住のZakさんとオンラインでつなぎ、タグラインの設定、Public Speakingについて学びました。また、シリコンバレー式ピッチの極意について、シリコンバレー最大のピッチイベントの様子など、シリコンバレーならではの臨場感あふれるお話を聞きました。
 午後は、ベンチャーキャピタリストの宮城さんからベンチャーキャピタリストの役割や、特に若手の起業家を支援している背景などのお話を聞いたほか、各チームが準備しているピッチ内容について簡単なレクチャーを受けました。
 そして各グループ3分間のピッチ発表が行われました。

 初日に初めて会った学生たちのグループワークで、「現在のスタートアップをモデルに自分たちもそのビジネスについて考えてみる」ということは、非常に難しいことだったと思います。限られた時間の中で成果を残す・満足のいくピッチを行う経験は、将来、起業を考えているものだけではなく、社会で生きていく上で必要になる力であると学生たちは認識していたように見えました。

 ピッチ審査は、宮城さん、新島さん、オンラインにてZakさん、藤井教授(グローバルアントレプレナーシップ教育を担当する理工学部 特任教授)にご担当いただきました。
 ピッチ発表後は、本学出身の起業家である新島さんからショートレクチャーと各チームに対する丁寧な講評をいただきました。

 プログラムを通して、講師・学生と多くの交流を経験した参加者は、これからの学生生活・将来のプランについて考えるきっかけになったと思います。参加者は自分たちのピッチが終わると「やり切った」という雰囲気で、お互いに感謝を伝え合っていました。

参加学生の感想(終了後のアンケートより)

●大学1年生ということもあり、このような活動に参加するのが初めはとても怖くて勇気出せなかったのですが、今回の3日間を通じて、こんなにも充実した経験を得ることが出来てとても感銘です。

●ビジネスを行うには優秀なビジネスモデルのみではなく愛される人柄やリーダーシップが重要であることを学びました。今後は専門知識のみでなく今回学んだリーダーシップも活かしていきたいです。

●新たに得たセルフブランディングのノウハウ、社会での問題解決の方法としてのビジネスの基礎を自分のものにし、信用されるビジネスをしたいです。

●初対面の人同士でチームを組み、短い時間でプレゼンの準備をする大変さと楽しさを学べました。今後起業するかはまだ分かりませんが、大学生活中のプレゼンにこの経験を役立てていきたいと思います。

●いかに主体的で積極的な人物が成功していくのか、また実践の重要さを学びました。同時に、限られた時間の中で、どれだけ自分と仲間の力を引き出せるかが鍵だと感じました。現在の自身の力量を身をもって学んだため、足りないと感じた「Why Me」の部分を今後強化していきたいです。

●[学び1]挑戦を恐れない。一度失敗したからといっても死ぬわけではないので、常に挑戦を続けたいと思いました。
[学び2]ピッチでは印象に残るようにする。内容も重要だと思いますが、事業内容が微妙だったと気が付いた時にも、諦めずに、ピッチで個性を持つことで、巻き返すことができるかもしれないというFBを聞き、表現力が非常に重要だと学びました。
[学び3]起業する際には目先に囚われず、長期的に見て儲かるのかを考える必要があることを知れました。また、コスト管理に関しても、導入費が高くても、将来的に見て回収可能であれば提案可能であることも知れました。

講師のご紹介

押田 真奈 氏 | (株)イノベスト

立教大学コミュニティ福祉学部卒業。在学中は多文化共生やリーダーシップ論などについて学び、教員免許を取得。卒業後、社会でのリーダーシップ発揮の重要性を実感し、教育に携わるため株式会社イノベストに入社。現在は、同社にてキャリアの探求とリーダーシップをメインテーマに、大学・高校でのリーダーシップ教育推進運営支援を行う。中央大学(経済学部)、関西大学にてゲスト講師を担当、早稲田大学では学部・学生寮・社会人教育など各プログラムで講師や運営支援業務を担当。

村瀬 功(Zak Murase)氏 | Managing Director, Pacific Sky Partners

シリコンバレー 在住25年。 SonyでパソコンVAIOの立ち上げなとを経て、2013年に日系ベンチャーキャピタルのシリコンバレー オフィスを立ち上げスタートアップ投資に従事。2017年に独立し、シリコンバレーにおける日本企業やスタートアップの支援を中心に活動している。特に最近は日本からグローバルヘ展開するスタートアップや起業家の支援に力を入れている。

 

長友 好江 氏 | (株)ZENMETRY

早稲田大学卒業後、国内・外資IT業での経験を経て2022年に株式会社ZENMETRYを起業。一般社団法人スタートアップ協会理事としても活躍中。

 

 

森 俊介 氏 | 一般社団法人 国際エデュテイメント協会 代表理事

中高時代に、ベルギーのインターナショナルスクールにて国際バカロレアプログラムを受講。帰国後に高校生ビジネスコンテストで優勝。上智大学大学在学中にはカンボジアの農村部で英語映像授業プログラム「EDUCA」を立ち上げ、準グランプリを受賞。ジョイズ(株)ではAl英会話サービス「TerraTalk」の立ち上げメンバーとして参画した後、現在は国際エデュテイメント協会の代表理事として、EdTechツールの導入や教材企画・制作事業を推進。教育の革新と国際的な学びの環境の向上に貢献。

宮城 圭介 氏 | THE SEED

2015年に地方銀行に入行。東京を中心とした法人融資担当者として新規開拓業務の後、金融系VCにてファンドレイズとLPとのリレーション構築業務に従事。その後ユーザベース社にて、「INITIAL」事業のSales Leaderとして事業開発を経験。2022年、THE SEEDに参画し、これまでの徐行会社ネットワークを活かした投資先支援と、新規投資のためのソーシング業務を担当。また、幼年期から大学まで野球に打ち込んだ経験からアスリートの創業支援なども行う。2024年3月に公開した3号ファンドでは、ファンドレイズと投資活動を担う。

新島 史也 氏

2010年商学部卒業。4年間リクルートに勤め、2014年に広告会社を創業。現在までに8社20事業を起業し、グループ年商10億円以上、社員100名以上、4社のEXIT経験と、通算30社以上の顧問経験を持つシリアルアントレプレナー。

 

【Bコース】「シリコンバレープログラム」開催予定

現地スタディー型プログラム(シリコンバレー訪問)をはじめ、3つのプログラムを展開していきます。 Stanford大学MBAの授業で導入している内容をアレンジした内容です。実際にStanford大学MBA修了生に提供されるプログラムとなっています。
1. 導入プログラム(オンライン)
2. 事前プログラム(オンライン)
3. 現地スタディー型プログラム(2025年2月 米国シリコンバレー訪問)

※申し込みは締め切りました