ダイバーシティセンター

活動報告書(2025年度)


中央大学ダイバーシティセンター2025年度活動報告書(PDF)(652KB)

運営委員長挨拶

2025年度、わたしたちは、これまでの経験や蓄積されてきたリソースを活かし、より効果的で持続可能な仕組みづくりに取り組み始めました。コーディネーターの増員による多言語発信の増加や相談対応の拡大を進めると同時に、既存の活動とこれからの可能性について対話を重ね、組織の形をそれぞれが捉え直す時間を共有してきました。
2026年度から始まる本学の中長期事業計画「Chuo Vision 2035」では、ダイバーシティ推進が10年後を見据えた重要なヴィジョンの一つに位置付けられています。小さな組織であるダイバーシティセンターですが、今後も地道な対話を重ねて、一人でも多くの学生や教職員が自分ごととしてDEIの取り組みに関われるきっかけを生み出していきたいと考えています。
この間、変わらず見守り、支えてくださる皆さまに心より感謝申し上げます。今後も、ともに歩んでいただければ幸いです。
(長島佐恵子)

中央大学の学生支援体制

中央大学ダイバーシティセンターは、2017年に公表された「中央大学ダイバーシティ宣言」に基づき、2020年に設立されました。
グローバル領域(多文化共生に関すること)、ジェンダー‧セクシュアリティ領域(性別・性に関すること)、障害領域(身体障害・慢性身体疾患に関すること)の3領域を軸として、学内外の関係者と連携してダイバーシティ推進に取り組んでいます。

学部事務室(キャンパスソーシャルワーカー)

精神障害や発達障害にともなう修学上の配慮や学生生活上の相談など

学生相談室(医師・カウンセラー)

心の健康維持に関する相談、精神障害や発達障害にともなう修学上の配慮や学生生活上の相談、どこに相談をすればいいかわからない場合など

教職事務室

教職課程の履修や実習に関する相談など

ハラスメント防止啓発支援室(専門相談員)

ハラスメント、差別的な取り扱い、ヘイト、DVに関する相談など

ダイバーシティセンター(コーディネーター)

多様なルーツ、ジェンダーやセクシュアリティ、身体障害や慢性身体疾患に関連する修学上の配慮や学生生活上の相談など

図書館

図書館利用におけるサポート

キャリアセンター

就職や進学に関する相談など

国際センター

留学生の修学上の配慮や学生生活上の相談など

保健センター(医師・看護師・薬剤師)

身体の健康維持に関する相談、病院の紹介など

個別相談・個別支援

中央大学ダイバーシティセンターには、各領域の専門性を有するコーディネーターが在籍しています。2025年度は、グローバル領域2名、ジェンダー・セクシュアリティ領域3名、障害領域3名のコーディネーターが、学生生活の中で困難さや気になっていることがある、ダイバーシティについて勉強したい、といった相談を受け付けました。また、そうした学生に対応する教職員からの相談も受け付けました。

グローバル領域

のべ65件(2025年3月〜2026年2月)

相談事例

  • 多文化教育やグローバル領域の取り組みについて勉強したい。(学生)
  • 多言語での情報発信や多文化共生について相談したい。(教職員)
  • 多様なルーツのある学生への支援について相談したい。(教職員)

ジェンダー・セクシュアリティ領域

のべ591件(2025年3月〜2026年2月)

相談事例

  • 教職課程を履修しており、介護等体験や教育実習に自認する性や通称名で参加できるよう 準備したい。(学生)
  • 就職活動において、過去に性別移行したことは必要最低限の人にしかカミングアウトしたくない。どのような場面でカミングアウトの必要性が生じる可能性があるか、想定を一緒にしてほしい。(学生)
  • アロマンティック・アセクシュアルで、恋愛や性愛ではなく他者と親密な関係になったり信頼関係を構築したりする方法を模索したい。(学生)
  • 入学後にどのような支援や制度を利用できるのか知りたい。(入学予定者)
  • 入学時から通称名を使用するためにはいつまでに申請をすればよいのか知りたい。(入学予定者)

障害領域

のべ2170件(2025年3月〜2026年2月)

相談事例

  • 視覚や聴覚に障害があり、情報保障を利用したい。(学生)
  • 肢体や体幹に障害があり、専用の机や椅子を使用したい。(学生)
  • 災害時に、障害のある学生も安全に避難できるよう、個別避難計画をつくりたい。(教職員)

居場所づくり

多摩キャンパスではダイバーシティスクエア(Dスクエア)を運営しています。開室時間は月曜日〜金曜日の授業実施日の10:30〜14:30です。2025年度はのべ150日開室して、のべ314人が利用しました。2025年度は、初の取り組みとして、開室時間中に点字、手芸など様々なワークショップも実施しました。

ワークショップ参加者の声

  • これを機会に点字についてもっと知りたいと思った。
  • 作ることも楽しかったが情報交換ができたのも良かった。
  • 話しながら作業できるのが楽しかった。
  • 編み物は一人でやるよりもみんなでやった方が楽しいのでまた来たいと思った。


点字ワークショップの様子


冬の飾りをつくる会で制作した作品

啓発

様々なイベントを開催したほか、学生や教職員に対して授業や研修を実施しました。また、学外のイベントへの参加や、他大学との交流も活発でした。

イベント

Chuo Diversity Weeks 2025

ダイバーシティ推進をテーマに現代社会の諸問題について理解を深める機会として、年1回開催している大型イベントです。今回のテーマは「スポーツとダイバーシティ」。6月〜7月に、スポーツと政治に関する講演会、トランスジェンダーであることを公表しているデフアスリートによる講演会を実施して、学内外から200名以上が参加しました。

手話っと交流会

手話とろう文化にふれながら、お互いに「それって何?」と知り合うイベントです。5月に茗荷谷キャンパスで佐沢静枝さん、11月に多摩キャンパスで内山涼さんと、ろう者の講師を招いてそれぞれ開催しました。イベントには、のべ約34人の学生と教職員が参加しました。

授業・研修

学生・生徒対象

新入生オリエンテーション(全学部で対面またはオンデマンド)、教職課程オリエンテーション(文系・理系)、授業(経済学部・理工学部・文学部・国際経営学部)、オープンキャンパス、附属生ウェルカムイベントなどに登壇しました。

教職員対象

新任教員研修、新入職員研修、教授会(全学部・全研究科)などに登壇しました。

オリジナルグッズの作成・配布

ダイバーシティセンターとして初のオリジナルグッズとなるクリアファイルを作成しました。イベントなどで配布しています。


オリジナルクリアファイル

その他

東京プライド2025、日本学生相談学会、AHEAD JAPAN、PEPNet-Japan シンポジウム(SA の発表がグッドプラクティス賞を受賞)、LGBTQ インクルーシブキャンパスネットワークなどに参加しました。


PEPNet-Japan シンポジウムのポスター

多様な人々が安心・安全に避難できるキャンパスをめざし、総務部庶務課と協働して、教職員を対象に防災ワークショップを実施しました。


防災ワークショップの様子


非常持ち出し袋のサンプル

環境整備

誰もがすごしやすいキャンパスづくりに継続的に取り組んでいます。

グローバル領域

コーディネーターの着任

7月に新しいコーディネーターが着任し、2名体制になりました。日本語・英語だけでなく、中国語での対応も可能になりました。

情報の多言語化

ダイバーシティセンターから発信する情報の多言語化を進めています。2025年度は、ダイバーシティセンターが制作するポスターなどに、日・英・中を併記する取り組みをすすめました。

ジェンダー・セクシュアリティ領域

生理用品の無料配布

生理がある人への支援の一環として、2022年度から多摩キャンパスの一部の女子トイレと多機能トイレに無料で利用できる生理用品を設置しています。2023年度に全キャンパスに拡大、2024年度に各キャンパスの設置場所を増設、2025年度も取り組みを継続しました。

障害領域

SA(スチューデント・アシスタント)活動

SAは、授業やスクーリングでノートテイクや授業資料のテキストデータ化を必要とする学生に、情報保障や移動等のサポートをおこなう学生のことです。障害領域のコーディネーターが、定期的にノートテイク講習会や交流会を実施して、SAの育成にあたりました。なお、ノートテイク講習会にはのべ17名が参加しました。

障害学生支援のためのハンドブック(学生版)、障害学生支援のためのガイドブック(教職員版)

障害や慢性疾患のある学生が学修の際に直面する困難事例、相談窓口、合理的配慮の手続等、支援についての情報を、学生版と教職員版にわけてまとめ、日本語版と英語版を公開しました。