FD・SD活動

FDワークショップ研修会を実施しました

2025年09月16日

2025年9月3日(水)に、専任教員を対象としたFDワークショップ研修会を実施しました。
本年度のテーマは「授業外学習も含めた授業1コマのリデザインを考える」です。反転授業を題材として、参加者が担当する1コマ100分の授業を切り出し、もし反転授業に設計し直すとしたらどのような設計をしたらよいかを考えました。
講師は、反転授業の専門家でもある教育力研究開発機構の澁川 幸加専任研究員(文学部特任助教)が務めました。

講義をする澁川専任研究員(教育力研究開発機構)

参加者は事前課題として「ワークショップの狙い・反転授業をデザインするためのコツ」の動画視聴と「反転授業リデザインワークシート(ステップ1)」の作成に取り組んだうえで、当日のワークショップに参加しました。
ワークショップ前半は、反転授業のメリットや実践例、授業デザインのコツ、事前質問への回答などの講義を行いました。後半は、個人ワーク、グループワーク、さらにグループを超えたペアワークを実施しました。個人ワークでは、事前課題として作成したワークシートを用いて、題材とする授業の目的を整理したうえで、授業内の要素のうちどの部分を事前学習/対面授業に組みかえるかについて詳細に検討し、ワークシート上に可視化・リデザインを行いました。その後のグループワークおよびペアワークでは、各自がリデザインした100分1コマ分の授業内容を共有し、授業設計において悩んだ点や意図した工夫について意見交換を行いました。参加者それぞれの知見や経験を共有することで、互いの課題に対するヒントや新たな視点が得られる時間となり、予定時間を延長するほど活発な議論が交わされました。

グループワークの様子

質疑応答の時間には、100人を超える大規模教室で反転授業を実施する際の工夫や、生成系AIを活用する学生への対応に関する悩み、事前学習への動機づけの方法など、多岐にわたる質問が寄せられました。澁川専任研究員からは、授業に役立つツールの紹介や小テストの出題方法など、授業を円滑に進めるコツを経験談やモデルの紹介を交えながら回答いただきました。

参加者事後アンケートでは、
・グループワークでは他学部の授業との違いも知ることができ、自分の授業にも取り入れてみたい手法を得ることもできた。
・なんとなくの疑問を講師の先生に質問できたこと、悩みを他の教員と共有できたこと、他の先生の悩みを聞けたこと、ざっくばらんに他の教員と意見交換できたことが、参考になりました。また、反転授業や学習に関する理論的枠組みが参考になりました。事前課題(ステップ1)をステップ4までに発展させる作業は、単純に興味深く面白かったです。先生の説明とツールがわかりやすかったため、このシートを使って自分の講義を分析してみようかなと思いました。
といった声が聞かれるなど、本研修が参加者にとって、自身の授業をより深く考え、見直す貴重な機会となりました。


中央大学では本ワークショップのような専任教員研修の他、英語による授業スキル向上のための研修会やFD・SD講演会、FD・SDミニセミナー、各学部・研究科におけるFD・SD活動等を通じて、教育の質の向上に努めていきます。

教育力研究開発機構による実施報告はこちら