4月下旬に、中央大学FD・SDミニセミナー「DE&I」シリーズ企画を実施しました。セミナーは公開日を3日に分散したオンデマンド型で行い、4月29日までに延べ130名以上の教職員(兼任講師を含む)が視聴しました。
第1回:「身体障害・慢性疾患のある学生の支援と合理的配慮」
ダイバーシティセンターのコーディネーターにより、2024年4月に「改正障害者差別解消法」により義務化された合理的配慮に関して、詳細な説明がなされました。様々な社会的障壁を解説するとともに、環境づくり、教職員・学生相互の助け合い(ナチュラルサポート)、さらには授業内で想定されるケースを用いた合理的配慮の例もいくつか示され、多様な学生に教育の機会を保障するための心の準備を整えることができました。
第2回:「多様な性・多様なルーツに関連する学生の支援」
ダイバーシティセンターのコーディネーターにより、多様な性に関する事例やその背景、対応のポイント、国籍やルーツに関する事例や、その背景が複数紹介され、ダイバーシティセンターに相談することによりどういう効果を得られるかについて解説がなされるとともに、多様性を否定するキーワードについてもいくつか解説がなされ、視聴した教職員は無意識な偏見やアウティングなど、改めて啓発する時間となりました。後半では通称名の申請やダイバーシティセンターが対応できる学内の連携等についても紹介され、「これから」のサポート手段についてインプットすることができました。
第3回:「キャンパスソーシャルワーカー制度と発達障害のある学生の支援について」
講師として精神科医でもある山科満文学部教授を迎え、本学の学生相談室の機能、キャンパスソーシャルワーカー(CSW)制度、発達障害のある学生の支援として教職員個々人の考え方や、本学における「環境調整型」支援に関して解説がなされました。学生相談室に行かない学生の特徴や傾向、診断がなくても支援の対象としていること、各学部事務室に配置されるCSWの役割と学内における位置づけ、CSWが提案する配慮の例などについても紹介がなされ、視聴した教職員は心配な学生と対面したときの初動対応や、困ったらCSWや職員と繋ぐことの重要性を学び、気になる学生を支援するための準備をすることができました。
参加した教職員からは
・どのセミナーも非常にわかりやすく、事例も混ぜられていたので実際の対応のイメージがつきやすかった。特に、本学のCSW制度について理解を深めることができ、学生対応において体系的な対応ができるような知識を得ることができた。
・これまでCSWの存在については多方面から伺っていましたが、「支援に診断は必須ではない」という点は、初めて知りました。この点は、心配な学生にもぜひ強調して伝えたい点だと思いました(診断を受けるほどではないから、障害と呼べるほどの困り度ではないから…と相談をためらってしまう学生もいると想像しています)。
・(気になる学生への)対応に苦慮していましたが、今回の講演で、この様な学生への対応の仕方を具体的に提示して頂き、又、障害に対する基本的な考え方や本学における学生支援の連携形態についても教えて頂き、大変参考になりました。まず、ソーシャルワーカーの方と連携するようにしてみます。
といった声が寄せられました。
「FD・SDミニセミナー」は、中央大学FD・SD推進委員会を中心に「短時間で」「端的に」情報をキャッチアップする枠組みとして、2024年7月にスタートした企画です。1テーマ10~15分というごく短い時間で、FDあるいはSDに資するテーマを設定し、LIVE配信や録画映像のアーカイブを共有する機会としています。参加(視聴)しやすい形態として複数のテーマを設定することで、教職員一人ひとりが広いテーマに関して正確な知識を獲得し、もって効果的な大学運営に関する業務遂行能力の向上に資することを目的にしています。