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中央大学が日本の高等教育機関として初めてRome Call for AI Ethics (人工知能(AI)の倫理的ガイドライン)に署名―日本の大学で唯一の署名機関に―

2022年11月07日

 2022年10月26、27日に米国ノートルダム大学でGlobal University Summitが開催され、Rome Call for AI Ethics (人工知能(AI)の倫理的ガイドライン1)に関する講演やディスカッションが実施されました。本学からはELSI(Ethical, Legal, Social Implications)センター2所長の須藤修教授3が参加し、河合久学長代理として27日に実施された署名式において、本ガイドラインに署名しました。日本の大学で最初の署名機関4となりました。

 

1  人工知能(AI)の倫理的ガイドライン:https://www.romecall.org/the-call/
2 ELSI(Ethical, Legal, Social Implications)センター:https://www.chuo-u.ac.jp/research/introduction/elsi/
3  須藤修教授:https://www.chuo-u.ac.jp/research/introduction/elsi/message/
4  署名機関:https://www.romecall.org/organisations/

 Rome Call for AI Ethicsは、AIの設計、開発、導入に対する倫理的アプローチの確立を目指し、倫理、権利、教育にまつわるコミットメントを行い、国際機関、政府、機関、民間企業が共通の責任感を持って未来を創造していくことを目指しています。2020年にAI倫理の6つの原則、「透明性」「包含」「責任」「公平性」「信頼性」「セキュリティとプライバシー」を掲げ、バチカンが主導し、マイクロソフト、IBM、国連食糧農業機関(FAO)、ローマ教皇庁ライフアカデミー、イタリア政府が協賛して署名しました。人間中心のAI社会において誰がどのような役割を担い、社会的倫理課題に向き合っていくかは大きな課題です。人の倫理観・価値観は、多様な文化によって多義性、多視点を持つものとなります。こうした社会的状況に対応するにはAI研究の新たな方向性、つまり情報学、理工学、人文学を含めたダイナミックな学際的アプローチによるELSIの視点が不可欠です。

 

 中央大学はSociety5.0を視野に、教育・研究の両分野においてAIリテラシーや未来の社会創造に向けて様々なアプローチをとってきました。2019年には国際情報学部を設置し、2023年4月からは大学院、国際情報研究科がスタートします。2020年にはAI&データサイエンスセンターを開設し、AI・データサイエンス全学プログラムを開講。持続可能な社会に向けたSDGsや人の多様性に注目したコグニティブダイバーシティといった研究に加え、2021年にはELSIセンターを開設して倫理的、法的、社会的問題について、OECD等のハイレベル会合での提言や最先端の研究に関するシンポジウムのほか、産官学を交えた社会連携活動を実施しています。
 また、人文学、理工学等の幅広い研究者を有する総合大学として、早くから学際研究の重要性を打ち立て、様々な研究支援を実施してきました。このRome Call for AI Ethicsへの機関署名を機に、さらに科学イノベーションと社会実装のために必要な法制度や倫理観、さらには社会のありようについて追求し、社会の様々な課題解決を目指します。

<本件に関するお問い合わせ>
 中央大学ELSIセンター事務局
 Email:chuo-elsi-grp@g.chuo-u.ac.jp

<取材に関するお問い合わせ>
 中央大学広報室
 Email:kk-grp@g.chuo-u.ac.jp