ストラスブール大学法学部
2026年9月16日から18日にかけて、フランスのストラスブール大学において、本学協定校であるストラスブール大学との合同シンポジウム「Chuo–Strasbourg Joint Symposium」が開催されました。
本シンポジウムは、「Exploring Human Rights Law Developments: The Role of Civil Society, Business, Government and International Organisations」をテーマとして開催され、市民社会、企業、政府および国際機関の役割に着目し、人権法をめぐる最新の課題や展開について意見交換が行われました。
本学からは、法学部の牛嶋仁教授、井川志郎教授、小島千枝教授、法科大学院の大貫裕之教授および国際経営学部の国松麻季教授が参加しました。また、法科大学院の小坂田裕子教授はオンラインで登壇しました。
3日間にわたり、環境権、原発規制、先住民族の権利、移民労働者の保護、ビジネスと人権、海洋法など多岐にわたるテーマについて研究成果が発表されました。また、研究者、法曹関係者および人権法を学ぶ大学院生による活発な議論が行われました。こうした議論を通じて、現代社会が直面する課題に対して人権法が果たす役割や可能性について、多角的な視点から理解を深める機会となりました。
開会および基調講演
シンポジウム初日 関係機関の代表によるご挨拶
初日午後のシンポジウム開会にあたり、関係機関の代表者による歓迎挨拶が行われました。在ストラスブール日本国総領事館の大條成太総領事、ストラスブール大学国際関係担当の副学長のフロランス・テポ(Florence THÉPOT)教授、同大学研究連合「L'Europe en mutation(変容する欧州)」代表のデルフィーヌ・ポルシュロン(Delphine PORCHERON)教授、日本学術振興会(JSPS)ストラスブール研究連絡センターの高木俊行センター長が登壇し、日仏間の学術協力の意義について述べました。
続いて、本学の牛嶋仁教授と、ストラスブール大学カレ・ド・マルベール研究所副所長のペギー・デュクロンビエ(Peggy DUCOULOMBIER)教授が、本シンポジウムの趣旨と両大学の研究協力の歩みについて紹介しました。
その後、欧州人権裁判所(ECtHR)のマテヤ・ジュロヴィッチ(Mateja ĐUROVIC)裁判官による基調講演が行われました。講演では、欧州人権裁判所の判例の発展とその現代的意義について解説が行われ、参加者との活発な意見交換も行われました。
3日目の午前には、元国際刑事裁判所(ICC)裁判官の尾﨑久仁子氏(元中央大学法学部特任教授)による基調講演が行われました。講演では「国際刑事法と国際人権法の多面的な関係性」をテーマに、理論的基礎からICCにおける実務的適用に至るまで明快な解説がなされ、その専門的かつ示唆に富む内容に、会場の参加者からは深い関心が寄せられました。
欧州人権機関等の訪問
欧州評議会(CoE)
欧州人権裁判所(ECtHR)
シンポジウムの前後には、本学参加教員が欧州評議会(CoE)および欧州人権裁判所を訪問し、欧州人権条約の運用や近年の判例動向について、ヴァーエ・グリゴヤン(Vahe GRIGORYAN)裁判官との意見交換が行われました。
また、ストラスブール大学法学・政治学・経営学部長のニコラ・シフロ(Nicolas CHIFFLOT)教授と面談し、シンポジウムの成果を振り返り、今後のさらなる協力関係の発展に向けて意見交換しました。
欧州人権保障制度の中心地であるストラスブールにおいて、国際的人権保護の実務や制度運用の現場に直接触れる機会は、本学の研究・教育活動にとって学術的意義を有するものとなりました。こうした学術交流を通じて、日仏両大学の連携が一層深まるとともに、今後の共同研究のさらなる発展が期待されます。