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国際センター|長期留学の経験を振り返り、未来を描く事後研修を実施しました
2026年09月30日
2026年9月26日(土)、多摩キャンパス グローバル館7階において、長期留学を終えた学生を対象に、留学経験を振り返り、その経験をこれからの将来どのようにつなげていくかを具体化する研修会を開催しました。
本プログラムは本学独自の取組として昨年度から実施しているもので、留学経験を振り返り、同様に海外経験を積んだ仲間と共有することで学びを深め、その経験を将来のキャリアや生き方へとつなげることを目的としています。参加した学生は、異なる視点や経験に触れることで、自身の留学経験を新たな角度から見つめ直し、今後の目標や将来像について考えました。
開会:留学で得た「翼」をこれからどう活かすか
国際センター所長国松麻季教授からの挨拶
国際センター派遣留学担当からの挨拶
講師 中川氏からの説明
冒頭、副学長・国際センター所長の国松麻季教授より開会の挨拶がありました。国松教授は、長期留学を通じて学生たちが得た豊かな経験や、困難を乗り越える中で培った力を「翼」にたとえ、それぞれがその「翼」を今後どのように育み、活かしていくのかを考える一日にしてほしいと、参加者へ温かなねぎらいと祝福の言葉を贈りました。
続いて、本研修の主催者である国際センター派遣留学チームリーダー中原氏より、本研修の意義と講師の紹介がありました。講師には、トビタテ!留学JAPANの同窓会組織「とまりぎ」の代表で、本学の卒業生でもある中川瑛氏を迎えました。
留学経験を言語化し、留学中の心の動きを振り返る
参加者は小グループに分かれ、ワークシートに沿って自己紹介を行いました。留学の話に入る前に、まずは「わたし」という人間を知ってもらう時間です。趣味や特技、長所や短所、休日の過ごし方などチームメンバーに知ってもらいたいことを共有しました。学部も学年も異なり、多くが初めて知り合う参加者ですが、活発に交流が始まりました。
次に、留学生活中の出来事を振り返り、自分の心の動きとともにグラフ化していきました。いつ、どこで、どんなことがあったのか、その時どのように感じたのか、そして、その経験から何を学んだのかを具体的に振り返り、言語化していきます。多くの参加者のワークシートには、いくつかの山と谷が示され、留学=華やかで楽しい日々ばかりではなかったことがうかがえました。
その後、小グループで留学体験を共有しました。学生は、嬉しかったことだけではなく、留学で感じた文化の壁や人間関係の悩み、孤独感、言語の難しさなど辛かったことなども語り、あっという間に制限時間が経ちました。その後のチーム内対話の時間には、聞き手の学生から発表者に良かった点や「大変だったね」「私もそうだった」という共感を伝えていました。
彼らの発表からは、共通する悩みとして大きく3つのテーマが見えてきました。
一つ目は、期間限定の交換留学ならではの悩みである「仲良くなった友人が帰国してしまう」です。滞在先の寮では、さまざまな国からの留学生と生活を共にし、慣れない環境の中で互いに助け合いながら自然と友情を育みます。そうした出会いには、多様な異文化から学ぶ豊かな留学経験につながります。一方で、人間関係の構築には一定の時間もかかるため、せっかく仲良くなった友人の帰国は、本人にとって喪失感やモチベーションの低下につながる出来事でもあります。
二つ目は、言語や文化の壁です。留学前にある程度準備を重ねてきたものの、現地での授業やネイティブの日常会話に触れる中で、言葉だけでなく文化的な背景や価値観の違いもあり、内容を十分に理解できないという壁にぶつかります。
三つ目は、健康問題です。慣れない環境で風邪をひいたり、腹痛や頭痛になったりということがあります。
こういった課題にぶつかったときに、自分はどのように感じて、そこからどのようにモチベーションを取り戻していったのか。そのストーリーは人それぞれではありますが、帰国までに何度も困難や不安に直面しながらも、それぞれが自分なりの方法で乗り越え、再び前を向いて歩み続けていたことがうかがえました。
小グループで自己紹介を行う参加者
留学中の心の動きをグラフで振り返る参加者
留学経験をキャリアに生かす卒業生へ質問する参加者
先輩たちの体験談:留学経験を未来のキャリアへつなげる
続いて、留学経験をどのように将来の進路やキャリアへとつなげてきたのかについて、本学卒業生2名による講演が行われました。
2025年度卒業(法学部) ドイツ留学経験者・巳上氏
法学部在学中にドイツへ交換留学で1年の予定で渡航したものの、半年のビザしか下りず、大学コーディネータから帰国の準備をするようにと告げられるも、あきらめずに根気強く交渉し、最終期限日に1年分の滞在許可を取得したという経験を持ちます。一定程度のドイツ語力はあったものの、3人以上のネイティブの会話にはついていけないなど大学院進学へのハードルの高さを感じながらも挑戦を続けました。
帰国後は、持ち前の突破力で、ドイツ系の政治財団にて新卒前例のないポジションを直談判で勝ちとり、勤務条件も将来のキャリアを見据えて仕事の内容面での契約交渉を行い、知事とドイツの国会議員の急遽通訳を担当するなど、主体性と交渉力が求められる環境で活躍しています。
「私は、自分の直感や『ワクワク感』を軸に自分の居場所を選んできました。ミュンヘンの川で波に乗るサーファーのように、流されっぱなしではなく川にとどまり波に乗る準備と行動を続けることが大切だと思います」と参加者へメッセージを贈りました。
2017年度卒業 アメリカ留学経験者・山田氏
大学時代に留年の経験を機に、自分の原点である「映像・テレビ好き」を再認識し、当時未普及だった動画配信(Netflix等)やスマートTVの先進性を学ぶためにアメリカ留学を決意しました。大学に通いながら、アーティストの付き人をしたり、アニメイベントへ友人とコスプレ参加をするなど、現地でのアニメ熱を体感する経験をしました。その後、同業界内で転職も経験しながら、現在の自分を振り返ると一見、無意味に見える過去の「点」が「線」となって不思議と今のテレビ業界でのキャリアにつながっているといいます。
「自分の軸は忘れない。ただし、軸に自分の可能性を縛らせない。まずは一旦やってみる精神。」
山田氏は、そうした行動の積み重ねが思いがけないチャンスにつながると語り、学生へエールを贈りました。
未来のキャリアや生き方を描く
講師の中川氏は、留学経験は意識的に振り返り、言語化しなければ次第に記憶が薄れてしまうと説明しました。そして、体験そのものよりも、その体験から何を学び、どのような意味を見いだしたのかが、その後の人生やキャリアの糧になると語りました。
また、講師からはいくつかのキャリア理論を活用した未来を描くヒントが提示され、参加者は留学で得たさまざまな経験を踏まえながら、これからの自分の歩み方や将来像について考え、ワークシートに書き込みました。そして、それぞれが描いた未来像や目標をグループ内で発表し、対話を行いました。
未来の構想を発表する場面では、参加者の表情はさらに明るくなり、さらなる学びや挑戦への意欲が感じられました。
「欧州で複数の言語を話す同世代の若者に出会い、自分も挑戦したいと思った」「留学で得た知見をさらに深めたいので、大学院への進学も視野に入れて検討したい」など、参加者は留学経験を踏まえて思い描く未来や、これから挑戦したいことについて語りました。
4時間にわたるワークショップでしたが、終了後も複数の学生がその場に留まり、留学のことやこれからの就職活動、自身が取り組んでいる活動について語り合うなど、活発な交流が続いていました。
未来の自分へのメッセージ
研修の最後には、「将来、留学経験を忘れかけている自分にメッセージを贈るとしたら、どのような言葉を伝えますか」という問いが投げかけられました。
学生たちからは、次のような自分自身への率直なメッセージが寄せられました。
「あのとき感じたワクワクと好奇心を忘れずに生きよう!」
「チャンスがあるなら絶対に挑戦すること!」
「意外と何とかなる」
「やりたくない、食わず嫌いじゃなくてやってみてから判断する」
「留学で出会った友達や環境まで忘れてはいけない」
「写真フォルダーを見返してみて」
「まだ海外と関わるキャリアはある!諦めるな!」
「人生のなかで無意識のうちに留学経験が生きている可能性がある」
留学を通じて得た学びや出会い、挑戦の経験は、帰国後すぐに成果として目に見える形で表れるものばかりではありません。しかし、参加者たちは今回の研修を通じて、自らの留学経験を振り返り、その意味を言葉にし、留学経験を持つ仲間と共有することができました。そして、それぞれが留学で得た「翼」をこれからどのように育み、どこへ向かって羽ばたかせるのかを考える、有意義な一日となったようです。
国際センターは、今後も学生の皆さんの国際的な学びと挑戦を応援していきます。