
中冨 怜 さん
法学部法律学科4年 専門演習:只木誠ゼミ 2019年3月卒業
オーストラリア法律短期留学
(参加時期:2019年2月~2019年3月)
初めての海外留学にわくわくドキドキ!

▲アクティビティで訪問したシドニーの裁判所の法廷
卒業間近の2月~3月にかけて18日間の日程で、オーストラリア法律短期留学に参加しました。私にとっては、中央大学法学部で最後の学びです。このプログラムには、炎の塔の先輩が昨年参加し、「とても良い経験できたよ、ぜひ行ってみるといい!」と勧められて参加を決めました。おもしろそう…というくらいの軽い気持ちで参加しましたが、先輩の言葉通りに楽しく、見て体験したことは、想像以上に私の考えや視点を大きく広げてくれました。
留学前、数回の事前学習ではオーストラリアという国の予備知識を学び、英語に慣れるために英ニュースのトピックを翻訳したりしました。また、初めての海外留学で英語に不安があったので、自分自身で単語を復習したり、BBCニュースを聞く等して備えました。
留学前、数回の事前学習ではオーストラリアという国の予備知識を学び、英語に慣れるために英ニュースのトピックを翻訳したりしました。また、初めての海外留学で英語に不安があったので、自分自身で単語を復習したり、BBCニュースを聞く等して備えました。
今回のプログラムには、法学部の2年~4年生までの15人で参加しました。4年生は私一人でした。一人ずつ決められたホームステイ先に宿泊し、学習拠点となるニューサウスウェールズ大学(以下:UNSW)に通い、敷地内にあるグローバル棟という校舎で講義を受けました。ここは留学生向けの設備で、世界中からの学生が留学しており、多くの日本人学生を見かけました。多摩キャンパスのヒルトップのような学食があり、中華、洋食、日本食等何でも食べることができます。ホッとできるような環境でした。
午前中に2コマの授業があり、昼食を挟んで午後は授業以外に、学外での活動(アクティビティ)があります。講義では、UNSWの先生から法律英語やオーストラリア法の基礎を学びます。先生はゆっくりと聞き取りやすい口調で、具体例を用いて教えてくれるので、とても理解しやすかったです。とはいえ、最初の頃は、オーストラリア英語に違和感を覚えました。日本にいるときには気が付きませんでしたが、耳がアメリカ英語に慣れているようで、同じ英語でも発音や表現の違いがあることを意識させられました。
午前中に2コマの授業があり、昼食を挟んで午後は授業以外に、学外での活動(アクティビティ)があります。講義では、UNSWの先生から法律英語やオーストラリア法の基礎を学びます。先生はゆっくりと聞き取りやすい口調で、具体例を用いて教えてくれるので、とても理解しやすかったです。とはいえ、最初の頃は、オーストラリア英語に違和感を覚えました。日本にいるときには気が付きませんでしたが、耳がアメリカ英語に慣れているようで、同じ英語でも発音や表現の違いがあることを意識させられました。

▲UNSWプログラム終了後のGraduation Ceremony (後列左から3番目が授業担当の先生)
また、最終日には英語でのプレゼンテーションを行いました。私は難しい法律概念をできるだけ簡単な単語で説明することを心がけました。そうすることで自身の思考も整理され、深く理解することができました。
オーストラリアには、アボリジナルと呼ばれる先住民族がいて、歴史的に迫害を受け、その差別は現在でも残っています。オーストラリア法では、彼らの権利を守るだけでなく、社会に溶け込めるように配慮した条文もあります。日本には、オーストラリアのように先住民族を手厚く保護した法律はないため、新鮮に感じました。
また、オーストラリアの伝統文化を理解する一環として訪れたシドニー湾の島では、アボリジナルな文化の踊りや生活の様子を見学することができました。狩猟の一例として、潮の満ち引きを利用して魚を捕る方法を聞いたのですが、自然を上手く利用したものだったので、先人たちの知恵に驚かされました。
午後のアクティビティでは、この島に行くクルーズ以外にも、シドニーの中心部に出かけ、裁判所を見学したり、有名な観光スポットであるオペラハウスやワトソンズベイにも行きました。裁判所では刑事裁判を傍聴しましたが、陪審員の参加や、当事者の席が向かい合っていないなど様々な相違点があり、日本とオーストラリアの訴訟制度の違いを実感することができました。
このアクティビティは、UNSWの学生が案内してくれました。彼らの学部はさまざまですが、日本に興味を持っていたり、実際に日本で留学経験があったり、日本語を話せる人もいて、同世代の学生と交流が持てたことも新鮮でした。また、皆で、素晴らしい景色を見ながら食べた名物の「フィッシュアンドチップス」は格別で、思い出の味となりました。
日本人とは異なる価値観に驚いたホームステイ

▲ホームステイ先で。中央はホストマザー、右は中国人留学生
ホームステイ先での会話は英語です。中国人留学生とホストマザーが楽しそうに英語で会話するのを見ていて、初めの頃は会話に入るどころか、二人の会話を聞き取れませんでした。マザーと仲良くなろう、もっと英会話に慣れようと、その日の出来事をマザーに報告したり、中国人留学生と話す機会を増やす中で、英会話に慣れていく実感を得ることができました。

▲ホームステイ先の近くにあるビーチ
そして、このステイ先で新しい発見がありました。マザーはサイコロジストとして働いていて、毎日夕方5時には家に帰宅しています。いつも早く帰宅するのが不思議に思い尋ねてみると、逆に「毎日を仕事中心に過ごすなんて日本人は不思議だわ」と言われてしまいました。オーストラリアでは、仕事も趣味も家族と過ごす時間も、すべてが同じように大切なことで、それぞれが人生の楽しみだと言います。日本のサラリーマンの様子やラッシュアワーの話をすると「日本人ってクレイジーなのね」と驚かれてしまいました。
彼女だけでなく、オーストラリア人の多くは適度に働き、生活を楽しみ、常に心に余裕をもって暮らしています。社会人になれば仕事中心に暮らし、夜遅くまで働くことが当然だと思っていましたが、楽しそうに暮らすオーストラリア人を見て、日本人は働き過ぎなのかもしれないと思いました。自分の知らなかった価値観や生き方(暮らし方)は、これからの自分の在り方や考え方にも影響を与えてくれそうです
これからの法律家に求められるものとは
この18日間の短期留学では、実に多くのことを学ぶことができました。本だけでは読み取ることのできない他国の法律に関すること、日本法との比較を見聞きできただけでなく、異文化を体感するおもしろさ、価値観の多様さ等も垣間見ることができました。また、2年生や3年生という後輩と共に学び過ごしたことにより、自分自身を振り返ることができたし、彼らの柔軟な視点や思考にも刺激を受けました。
将来は、法律家を目指しています。近い将来、日本に多くの外国人が暮らすようになれば、新しい問題が生まれ、それに対する解決法を考える機会も増えると思います。この短期留学で学んだ異文化理解と多角的な視点での思考は、これからの法律家には求められる資質となるでしょう。中央大学で4年間学んだことをベースに、この短期留学で得たことを活かして、法科大学院でさらに成長していきたいです。
将来は、法律家を目指しています。近い将来、日本に多くの外国人が暮らすようになれば、新しい問題が生まれ、それに対する解決法を考える機会も増えると思います。この短期留学で学んだ異文化理解と多角的な視点での思考は、これからの法律家には求められる資質となるでしょう。中央大学で4年間学んだことをベースに、この短期留学で得たことを活かして、法科大学院でさらに成長していきたいです。
<オーストラリア法律短期留学のおすすめポイント!>
・留学初心者でも安心して参加できる。
・アクティビティやホームステイを通じて、風土や文化、価値観にも触れることができる。
・ホームステイでは、英語に慣れることができるだけでなく、現地の生活を体験できる。
・奨学金や補助費があり、自分で手配するよりも金銭的負担が少ない。
<後輩へのアドバイス>
・留学前に軽く日本法の復習をしておくと、授業が理解しやすくなります。
・法律の学習が進んでいる人の場合には、日本法と比較しながら授業を受けると面白いと思います。
・オーストラリアはフレンドリーな人が多いです。最初は緊張するかもしれませんが、積極的にコミュニケーションをとってみると、いろいろな話が聞けて楽しいと思います。