篠木 幹子 総合政策研究科委員長
「究める」では、大学院に携わる人々や行事についてご紹介します。
第173回となる今回は、「研究科委員長に聞く大学院での学びと研究」というテーマで、大学院で学ぶ意義や学部との違い、研究の特徴などについて研究科委員長へインタビューした記事をお届けします。今回は総合政策研究科の篠木 幹子(しのき みきこ)委員長にお聞きしました。
受験を検討している方や大学院という場所に関心をお持ちの方は、ぜひお読みください。
大学院はどのようなところか
大学院とは、自ら発見し磨き上げた問いに向き合い、その答えを真摯に探究する場所です。答えを探すプロセスにおいて、自分で研究計画を立てて主体的に研究を遂行する能力を磨くことができると同時に、教員や仲間とのディスカッションを通じて自分ひとりでは気づかなかった多角的な視点を獲得し、問いを深く掘り下げることも可能です。このように、大学院は知の最前線において議論や実践を積み重ねることで、己の思考力を徹底的に究めることができる場所であり、また、研究を通して素晴らしい仲間と巡り合える場所でもあるといえるでしょう。
大学院で学ぶ意義について
大学院で学ぶ意義は、自ら知の生産をおこなうための知識や方法を得ることができる点にあります。博士前期課程であれば2年間、博士後期課程であれば3年間、学部時代よりも深く鋭く課題に向きあい考える時間を得ることができます。大学院生の中には、研究者になりたい人もいれば、高度な専門的知識を持つ職業人を目指す人も、社会を支える高度な知性を身に付けたい人もいると思います。大学院での学びは、どのような目的をもった人にとってもキャリアの選択肢を拡大し、社会の多様なフィールドで活躍する際の信頼を得ることに結び付くと考えられます。
大学院での研究で求められること
大学院での研究で求められることは、各学問分野において示されてきたこれまでの限界を超えて、理論を未知の領域へ一歩押し広げることです。もちろん、そのような成果をすぐに出すことは困難ですし、予想通りの結果が得られなかったり、想定していた調査や実験ができないなどの苦しい状況もあるでしょう。しかしながら、知の境界線を押し広げるために、すこしずつ前に進んでいくという姿勢が重要です。大学院での研究を通して、課題を発見する能力、論理的な思考にもとづいて客観的な検証を行う能力を磨き、自分の成果を論文や学会発表という形で社会に還元してほしいと考えています。
大学院進学を目指すにあたり、やっておいた方がよいこと
大学院進学を目指すにあたり準備しておいたほうがよいことは、(1)研究の土台作りと、(2)指導を希望する先生や研究室の雰囲気が自分に合っているかを確認するということです。学部の卒論と大学院で研究したい内容の学問的分野が異なる人もいるでしょう。その場合は特に、これから学ぶ分野の内容を自発的に勉強し、研究計画をしっかりと立てることが重要です。また、大学院は学部以上に、先生や研究室の仲間との距離が近くなります。共同で実験や調査を行うこともあるため、あらかじめ先生と面談をすることで、自分がメンバーの一人として加われそうかなどを把握するということも必要です。
※この記事は2026年6月時点の内容です。